ある日、俺の部屋にダンジョンの入り口が!? こうなったら配信者で天下を取ってやろう!

さかいおさむ

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「これからどうするか? ひとまず当初の目的だったナオコは取り戻したが……」
 虎石が言う。

「そうだな。今のナオコは力を失って戦う事はできねェ……ナオコだけでも『脱出の羽根』で戻してやれねェかな?」

「もちろん! 人間界も安全とは言えませんけど、ここよりはマシですからね。念の為『脱出の羽根』は何個か持ってきてるんで」
「……ごめんなさい。今の私はここに残ってもお荷物だからね」
 アキラは『アイテムポケット』から『脱出の羽根』を取り出しナオコに渡す。

『パンッ!』
 アキラの取り出した『脱出の羽根』を光線が撃ち抜く。

「なに!?」
 振り返ると先ほど姿を消した魔法使いの魔族と青い肌の老人の姿。

『貴様らが冒険者か……ノコノコ逃すわけないじゃろ!』
 小柄な老人だが、かつて感じたことのない威圧感。

「……お、お前が神か?」
『そうじゃ。この世界を総べる者じゃ……貴様らが楽しんでるダンジョンも、ワシが能力の高い人間を見つけるために作っただけのものじゃ』

 ダンジョン崩壊の危機を防ぐには、魔族以外の力が必要だった。
 そこで人間ではトップクラスの力を持っていたナオコがこの世界にさらわれたのだ。

 神はアキラたちを指で指す。

『パン! パン! パン!』
 数発の光線がアキラたちの『アイテムポケット』を撃ち抜く。
「ああっ!」
『これで『脱出の羽根』はもう使えんわ』
『アイテムポケット』に穴が空き、もう何も取り出すことができなくなった。

「くそ……マズイな……俺の武器は全部『アイテムポケット』に入ってるっていうのに……」
「ああ……俺の剣もさっきの戦いでヒビが入って使い物にならん……」
 頭を抱える金剛寺と虎石。

『おい、こいつらを殺しておけ。
 まったく、情けない四天王じゃ。人間ごときに2人もやられおって。
 ワシは先にトンネルに向かう』
『はっ! かしこまりました』
 神は姿を消した。

「消えた! あいつ……人間界に!?」
「くそ! 『脱出の羽根』が使えねェなんて……」

『神はお怒りだ。これ以上失態は許されない。
 お前たちはここで殺す!』
 魔族はアキラたちに炎の渦を放つ。

「はぁっ!」
 炎の渦に花子が炎魔法で応戦する。

「虎石さん、店長! ナオコさんを連れて逃げてください!
『脱出の羽根』はなくなりましたけど、俺たちがここに来た扉は残っています! そこから人間界に戻ってください!」
 アキラが虎石たちに言う。

「し、しかし……」
 虎石は迷っている。

「この魔族も神もトンネルには入れさせません!」
「そうですわ! あとは私たちパーティー……『アキラちゃんねる』にお任せください!」
 花子とまどかが言う。

「虎石! ここはアキラたちに任せよう。俺たちは『アイテムポケット』がなきゃロクな武器も使えねェんだ……
 おめェたち……死ぬなよ!」

「3人も気をつけて! 俺のカブトムシを使ってください!」
 アキラは城から脱出するための召喚獣のカブトムシ、それと人間界との連絡用の『魔法の糸電話』を金剛寺に渡す。

 虎石と金剛寺はナオコを連れて、入り口の扉を目指す。
 3人はカブトムシに掴まり、空に浮かぶダンジョンから地上に降りる。

「まったく……情けねェな。こんな時にガキに任せることしかできないなんて……」
「仕方ない。今は人間界も危険な状況だ。俺たちは人間界のモンスター災害を防ごう!」

 3人は入り口の扉を目指し、草原を走る。

 ◇

「アキラさん! この魔法使いは私とまどかちゃんでなんとかします! アキラさんは神を追ってください!」
花子が言う。

「そんな……2人を置いてなんて……」
「大丈夫ですわ! 神にトンネルに入られたらこのダンジョンも崩壊してしまいます! 神を止めてください!」

「……わかった。あとで会おう。気をつけて!」
 アキラは一人神を追う。
 人間界へのトンネルは草原の外れにあるとナオコから聞いている。

 ◇

『ふ、俺の相手は女2人か?』
 魔族は花子とまどかに詰め寄る。

「なめないでちょうだい! 人間界最強の女コンビよ!」
『ふふふ……言っておくが、俺は四天王最強だぞ?』
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