ある日、俺の部屋にダンジョンの入り口が!? こうなったら配信者で天下を取ってやろう!

さかいおさむ

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「……そりゃそうか。南極の地下だもんな……」
「くそ……やっと見つかったってェのに……」
 3つ目の扉、人間界への最後の帰り道は南極の分厚い氷によって塞がれていた。

「アキラくん、約束だ。君たちは早く部屋への扉に向かいなさい!」
「……そんな」

『ゴゴゴゴゴッ!』
 その時、今までで1番大きい地震がダンジョンを襲う。

「キャア!」
 立っていることも難しいほどの大きい揺れ。ダンジョンのあちこちから火柱が立ち上る。

「ま、まずいぞ! この地震……まさか……」
 虎石は遠くの山に目をやる。
 アキラたちの部屋に繋がる扉のある山が崩れ落ちていく。

「しまった……! 君たちをもっと早く帰すべきだった!!」
「と、扉が……くそっ! なんてこった……」
 虎石たちは頭を抱える。アキラの部屋への扉は埋もれてしまった。

 ◇

 大地震が6人を襲う。いよいよ神を失ったダンジョンの最期は近いようだ。
 地割れが広がり、地面が沈み込む。

「チクショウ……ここまでか……」
 目の前に人間界に帰れる扉があるにもかかわらず、氷の壁に阻まれ、どうすることもできない。

 全員が諦めかけたその時――

「……私の炎魔法で……氷を突き破ってみます……!」
 花子が手につけた『炎帝のブレスレット』を握り締め言う。

「そうか……炎魔法! でも……もう使えないんじゃ!?」
 アキラは心配そうに聞く。アキラの剣もまどかの羽根もすでに消えてしまっている。

「『風神のピアス』も『聖なる弓』も消滅したんですけど、この『炎帝のブレスレット』だけはまだ残ってるんです。
 もしかしたら、あと1回くらい使えるんじゃないかと思って……
 南極の地下から地上まで……なんとか道を作れればいいんですけど……」

「やってみよう! このまま待っていてもどうすることもできない!」
「花子姉さん! お願いしますわ!」
「はい! フルパワーでぶち込んでやりますよッ!! 私が気絶しても置いていかないでくださいよ!?」

 花子は扉の氷に向かって手をかざす。
 花子を冒険者として成長させてくれた『炎帝のブレスレット』。
 アキラたちが最初に獲得したレア度★★★★★のアイテムだ。

「ふぅ……くらえぇえッ!」
 花子は1番使い込んできたアイテムの力を信じ炎を放つ。

『ゴゴゴ……』
 放たれた炎の矢が氷を溶かす。
 分厚い南極の氷と炎がぶつかり合う。

「花子さん……頑張れッ!」
「うぅ……硬いです……」
 南極の地中深くの氷の塊だ。簡単には貫けない。

「花子姉さん……いけぇぇぇえ!」

「はぁあああッ!」
 花子は最後の力を振り絞り火力を上げる。

『ガッ!』
 炎の矢が氷を突き破る音が響く。

「や、やったぁっ!!」
「はぁはぁ……し、死ぬぅ……」
 力を使い果たし倒れる花子をアキラが支える。

「花子さん……やったよ!」
「ふふふ……やはり最後の決め手は……私でしたね……」
「ああ! 花子さんは最高のプロデューサーだよ……!」

『炎帝のブレスレット』は砕け散っていた。
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