異世界に行けるようになったんだが自宅に令嬢を持ち帰ってしまった件

シュミ

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複合魔法

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 ホブゴブリンが巨大な棍棒を振り回す。
 その一撃一撃が気を抜けば当たりそうなスピードだ。

 俺は隙を見て、ホブゴブリンの懐へと潜り、剣を振るう。

「グェェェェ………………」

 直前で飛んだか、傷が浅いな。

 だが相手も警戒してか一度攻撃の手を止め、防御に移った。

 なら───。

「複合魔法。漆黒の炎シャドウフレイム

 闇魔法と火魔法を複合した新たな魔法だ。

「グェェェェェェェ……………!!」

 真っ黒な炎がホブゴブリンを包み込む。
 その熱さに悶え、火を消そうと暴れ狂う。だが火は消える気配を見せず──逆に燃え移っていく。

「グェェェェ…………」

 そうしてホブゴブリンは全身が灰になるまで燃やし尽くされた。

 我ながらヤバすぎる魔法だな………………。

 < 漆黒の炎シャドウフレイム>は選択した敵を焼き払うまで消えない──言わば呪いの炎だ。

 これが<複合>か。めちゃくちゃ当たり引いたんじゃね?

「アマネさん……………今の魔法は?」

「今のところ俺だけが使える魔法だ」

「なんと言うか、かっこいいですね!」

「えっ、そう?」

 俺は正直そう言ってくれたのが嬉しかった。
 全く小学生か、と自分でツッコミたくなってしまう。


 ※


 冒険者ギルドに戻り、ミッション達成の報告をした。

「確認が取れましたが……………アマネ様、ホブゴブリンも出たのですか?」

「そうですね」

「では臨時報酬と言うことで1000ラーツ追加させていただきます」

「ほんとですか!ありがとうございます」

 これはラッキーすぎる!

 という訳で臨時報酬を合わせて2000ラーツを獲得した。

「やりましたねアマネさん!」

「ああ、俺達は運が良いのかもな」

 ホブゴブリンの奇襲によって特別にミッション三連続成功にもさせてくれた。
 一回のミッションでもう一回分成功した事になるというのは非常に運がいい。

 当然だがランクが高いミッション程、報酬が高い。
 その分、危険が増すが今のままではお小遣い程度にしかならない。
 もっと強くならないとな。

「じゃあリーシャ、今日はもう帰るか」

「はい、そうですね」

 俺は「帰還」と口にし、自宅へと戻った。

「意外とバレなかったな」

「そうですね。でも少しドキドキしました」

 そう言って軽くため息を着くリーシャ。

 Lv3→4

 名前 : 天音 旬
 Lv4
 職業 : 無し
 HP : 130
 MP : 115/130
 筋力 : 60(+2)
 耐久 : 63(+3)
 速度 : 59(+2)
 固有スキル : <召喚・帰還>
                   <言語理解>
                   <複合>
 スキル : <闇魔法Lv1>
             <火魔法Lv1>
 スキルポイント : 300
 換金可能ポイント : 3190

 レベルも上がりやすいし、これからはD級ミッションを受けるようにするか。
 魔物の強さもちょうどいいくらいだしな。
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