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王太子の手助けもあってクロードとヴィオラ、イザークはそれぞれが望む人生を選んだ。
しかし、しばらくは大人していたイザークはだんだんと本性を現し、王太子の信頼厚いジュリエルを利用して貴族たちに自分を売り込み、自分に興味を持つ令嬢たちに声をかけはじめた。
常識ある貴族たちは婿入りする身でありながら次期当主を差し置いて出しゃばるイザークを冷ややかに遠ざけ、悪意を持って付け入ろうとする者たちはクロードやランゴ伯爵の命を受けた者たちが密かに排除したがイザークの悪癖は治らず。いつしか婚約者を”物知らず”と見下し、自身は功績もないのに偉ぶって遊び歩くイザークはいつしか”オドルのような婿”とささやかれるようになり、婚約者に健気に寄り添うジュリエルには令嬢たちから同情が集まった。
ヴィオラもその1人だ。散々イザークの気分に振りまわされてきた彼女はやはり見下されているジュリエルに深く同情した。そして、婚約披露パーティーでジュリエルを置いてまるで自分が次期当主だと言うように尊大な態度で話しかけてきたイザークを「相手にするつもりはない」と冷たく拒絶した。
短気なイザークは激怒しあろうことか慣れない場に不慣れな様子を見せるジュリエルを置き去りにしてどこかに行ってしまった。幸い、気にかけていたヴィオラたち女性陣が速やかにジュリエルを保護したが。この一件でイザークは令嬢たちに「プライドしかないクズ男」と毛嫌いされ、事の顛末を聞いた貴族たちにも遠巻きにされるようになった。
その後、ヴィオラはジュリエルと親しくなって彼女といろんなことを教えあい、彼女が親しくなった友人に誘われて留学してからも手紙のやりとりをしている。
一方、ジュリエルがいなくなったイザークは人が変わったように大人しくなり、毎日のようにポジート子爵家に通うようになった。クロードは自分を甘やかす人がいなくなってようやく自分の立場を自覚したのかと期待する反面、あの狡猾ないとこのことだからしおらしいフリをして同情を惹こうとしているのではないかと疑う心が混ざっている。
王太子はクロードの心を読んだように笑った。
「ははは、クロードは心配性だね。でも、今度は大丈夫だ。ポジート子爵曰く、君のいとこ殿は今、恋するジュリエル嬢にふさわしい婿になろうと必死に学んでいるそうだからね。彼女が帰国する頃にはそれなりに成長しているんじゃないかな」
「ポジート嬢のために必死に学んでいる、ですか?」
「そうだよ。運悪くエリーシャにこてんぱんに言い負かされて相当応えたみたいだね。でも、彼女の言うことは的確だからね。彼なりに恋人のためにやる気を出したんじゃないかな」
そういえば、しばらく前にイザークは王太子とも懇意にしている隣国の留学生にやりこめられてしばらく落ち込んでいたと聞いた。
侯爵家の次期当主として生まれた彼女は実力で周りの信頼と地位を勝ち取ったと聞く。その姿はイザークが口にしていた”自由”そのものだ。今まで何だかんだで優しい人に甘えて生きてきたイザークにとっては留学生に驕りを全否定され、さらには自分好みに甘やかしてくれるジュリエルがいなくなったことで、何か思うところがあったのかもしれない。
――恋、か。思えばイザークはずっとそれを追いかけていたのかもな。
クロードがヴィオラに一目で恋に落ちた時、イザークは燃えるような嫉妬のこもった目で自分をにらみつけていた。そして、それから令嬢たちを追いかけるようになった。
気まぐれないとこが、ただ自尊心を満たすためにジュリエルの優しさに甘えているのではなく、彼女と“本物の恋”に落ちたのだと良いのだが。クロードは飽きっぽいいとこのやる気が続くことを祈った。
しかし、しばらくは大人していたイザークはだんだんと本性を現し、王太子の信頼厚いジュリエルを利用して貴族たちに自分を売り込み、自分に興味を持つ令嬢たちに声をかけはじめた。
常識ある貴族たちは婿入りする身でありながら次期当主を差し置いて出しゃばるイザークを冷ややかに遠ざけ、悪意を持って付け入ろうとする者たちはクロードやランゴ伯爵の命を受けた者たちが密かに排除したがイザークの悪癖は治らず。いつしか婚約者を”物知らず”と見下し、自身は功績もないのに偉ぶって遊び歩くイザークはいつしか”オドルのような婿”とささやかれるようになり、婚約者に健気に寄り添うジュリエルには令嬢たちから同情が集まった。
ヴィオラもその1人だ。散々イザークの気分に振りまわされてきた彼女はやはり見下されているジュリエルに深く同情した。そして、婚約披露パーティーでジュリエルを置いてまるで自分が次期当主だと言うように尊大な態度で話しかけてきたイザークを「相手にするつもりはない」と冷たく拒絶した。
短気なイザークは激怒しあろうことか慣れない場に不慣れな様子を見せるジュリエルを置き去りにしてどこかに行ってしまった。幸い、気にかけていたヴィオラたち女性陣が速やかにジュリエルを保護したが。この一件でイザークは令嬢たちに「プライドしかないクズ男」と毛嫌いされ、事の顛末を聞いた貴族たちにも遠巻きにされるようになった。
その後、ヴィオラはジュリエルと親しくなって彼女といろんなことを教えあい、彼女が親しくなった友人に誘われて留学してからも手紙のやりとりをしている。
一方、ジュリエルがいなくなったイザークは人が変わったように大人しくなり、毎日のようにポジート子爵家に通うようになった。クロードは自分を甘やかす人がいなくなってようやく自分の立場を自覚したのかと期待する反面、あの狡猾ないとこのことだからしおらしいフリをして同情を惹こうとしているのではないかと疑う心が混ざっている。
王太子はクロードの心を読んだように笑った。
「ははは、クロードは心配性だね。でも、今度は大丈夫だ。ポジート子爵曰く、君のいとこ殿は今、恋するジュリエル嬢にふさわしい婿になろうと必死に学んでいるそうだからね。彼女が帰国する頃にはそれなりに成長しているんじゃないかな」
「ポジート嬢のために必死に学んでいる、ですか?」
「そうだよ。運悪くエリーシャにこてんぱんに言い負かされて相当応えたみたいだね。でも、彼女の言うことは的確だからね。彼なりに恋人のためにやる気を出したんじゃないかな」
そういえば、しばらく前にイザークは王太子とも懇意にしている隣国の留学生にやりこめられてしばらく落ち込んでいたと聞いた。
侯爵家の次期当主として生まれた彼女は実力で周りの信頼と地位を勝ち取ったと聞く。その姿はイザークが口にしていた”自由”そのものだ。今まで何だかんだで優しい人に甘えて生きてきたイザークにとっては留学生に驕りを全否定され、さらには自分好みに甘やかしてくれるジュリエルがいなくなったことで、何か思うところがあったのかもしれない。
――恋、か。思えばイザークはずっとそれを追いかけていたのかもな。
クロードがヴィオラに一目で恋に落ちた時、イザークは燃えるような嫉妬のこもった目で自分をにらみつけていた。そして、それから令嬢たちを追いかけるようになった。
気まぐれないとこが、ただ自尊心を満たすためにジュリエルの優しさに甘えているのではなく、彼女と“本物の恋”に落ちたのだと良いのだが。クロードは飽きっぽいいとこのやる気が続くことを祈った。
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