公爵令嬢はジャンクフードが食べたい

菜花村

文字の大きさ
55 / 191

45 公爵令嬢は陸上競技大会を実施する

しおりを挟む
リレー大会は大成功に終わった。

翌週にあった学童院代表選抜リレーももちろん大盛り上がり。

ブリキッド商会のポップコーンもこの時には観覧にはお馴染みになっていた。

あまりに盛り上がり過ぎて、大人もリレー大会をしたいという声が殺到、陸上競技場を作ることになった。

子供達にはリレーしか教えてないけど、どうせ競技場を作るんなら色んな競技があった方が面白そうじゃないか。


という訳で、学校が休みの時に私は陸上競技場を作るのを手伝い、完成後に競技参加希望者に色んな種目の競技をやってもらおうと競技の説明を頑張った。

徒競走では、100メートル、200メートルの短距離走とハードル走、800メートル、1500メートルの中距離走、5キロの長距離走と競歩。

リレーは4×100メートルとスウェーデンリレー。

跳躍は、走り幅跳びと走り高跳び。

投てきは、砲丸投げ、槍投げ、ハンマー投げ、円盤投げ。

3段跳びと棒高跳びは、運動神経の悪い私には説明ができなかったけど、ハンマー投げは何となくわかってもらえた。

地球の細かいルール基準とかよくわからないから、何となくでやってみて、おいおい細かく設定していくとかでいいんじゃないかな?

この世界のオリジナル競技になったっていいでしょうし。

因みに、地球ではハードル走は故意でなければ倒しても問題無いんだけど、折角の障害物だし倒した数だけペナルティを付けることにした。

これらを提案したら、「これ、ハンターギルドに報告した方がいい」と言われた。

競技に問題があるのかと思ったら、脚や力に自信がある人がハンターには多いから、大会をすれば絶対に盛り上がると言われた。

ハンターはお金がない人が多いから、スポーツ選手を兼業職にして、いい結果を出してスポンサーが付けば収入が増加するし、いいことづくめだと。

早速、スポンサーとなってくれそうな人をお父様とお母様に探してもらおうとしたら、今回はブリキッド商会が大会単独スポンサーしてくれる事になった。

フランチャイズ化してかなり絶好調なようだ、相当な額を寄付してくれる事になった。

折角の大々的な娯楽という事で、貴族や大商会の方々にも招待状を送ってもらった。

これをきっかけに、選手のスポンサーになってくれたらありがたい。


ついでに大会のチラシを作ってみた。

画力はそこそこ自信があったから、これは中々上手に書けたと思う。

ハンターギルドに持って行って、依頼とチラシを貼ってもらった。

『陸上競技大会参加者募集
走ること、跳ぶこと、投げることに自信のある者へ参加依頼
報酬:各競技優勝者に金貨10枚(日本円で約100万円)』

応募が殺到しすぎた。

なので、一人一競技限定という条件を付け加えて、人数をどうにか分散させた。

日程は、各競技の1次予選、2次予選、決勝トーナメントの3日間。

練習なしのぶっつけ本番でやってもらう。


そして私は、この大会用にストップウォッチの製作を試みた。

この世界、時計は魔導具しかなくて、街の各所に時計塔として設置してある物が殆どで、個人で持ってる人はかなり限られていた。

だから、ついでに機械式時計も作ってやろうと思った。

俺が分解した父親の時計がアナログでクロノグラフだったから、こっちの時間軸に合わせたもので同じような仕組みの物を作れないか試してみたけど、これが中々大変で、完成したのが大会直前、しかも1つしか作れなかった。

結局、これを大会で使う事は見送って、今回は魔導具で時間が測れる物をレンタルした。

いつかクロノグラフを大量生産出来たらいいなと思いつつ、当面は魔導具のレンタルの方が安くつくかもしれないだろうな、とも思った。



陸上競技大会当日。

参加者、観客、共にものすごい人数になった。

そして、スポンサーのブリキッド商会も勿論屋台を構えていて、売り子のお姉さんも今日のために増員している。

まずは改めて競技のルール説明が始まる。

解説役は、学童院の体育指導の先生。

この人に色んな競技を教えたから、見本になってもらう。

クラウチングスタートや競歩、ハードルや跳躍、投てきのやり方を実演してもらった。

運動神経が良いから、説明も見せ方も上手。

私がこの人に教えた時よりもかなり分かりやすい説明だった。


そしていよいよ競技開始。

今日は1次予選、ぶっつけ本番の一回ぽっきりで、各競技の上位半数、走り高跳びは規定の高さを跳べた人全員が明日の2次予選へ進む人を選んでいく。

予選から物凄く盛り上がり、観客席からは大歓声が湧き上がった。

初めてのクラウチングスタートやハードル跳び、競歩や高飛び、ハンマー投げに苦戦する人が結構いて、珍プレー続出で大笑い。

私は自分の作ったクロノグラフをこっそり試してみたけど、魔導具となんら変わりない結果が出た。

苦労して作った甲斐があって、結果に大満足だ。


大会2日目の2次予選は、3日目の決勝トーナメントに進む各競技16人とリレー9組を決めた。

2日目は初日以上の観客数で、立ち見客が出てしまった。

多分昨日の予選敗退した人達も観客になったせいだろうか、それとも昨日の大会の噂を聞いた人達が駆けつけたのだろうか。

明日はきっと、入場規制が出てきそうな程の勢いだ。


そして3日目の決勝当日、案の定結構な数の観客が入りきれなかった。

観覧できない人達からかなり不満の声が上がって、会場の係の人たちは相当手を焼いたらしい。

あと、この日はなんと国王様がいらっしゃった。

本当は初日から来たかったらしいのだけど、他国へ対談に出ていて観れなかったのだと。

今日も本当はまだ国外へいる予定だったのが、どうしても観たいと言って仕事を早々に切り上げてしまったそう。

観てる時、すっごい楽しんでた。

そして、招待していた他領の貴族の方々も、自領で同様の事をしたくてウズウズしているようだった。


さて、今日は決勝、選手全員素人とはいえ流石予選を突破してきた強者揃い、決勝に進出した人達全員運動神経抜群で、どの競技もかなり見応えがあった。

各競技が終わり表彰式、優勝者には賞金と、上位3人にはメダルがかけられた。

このメダルも私が提案して魔法で作った物だったけど、優勝者は勿論、賞金がもらえなかった2位と3位の人達にもこのメダルが大ウケ。

表彰後も誇らし気にメダルを首に掛けていた。

そして、3日間の中で各競技の一番の記録も発表された。

この記録が、この世界初の陸上競技大会記録になるんだと思うと、おれはこの世界に色んな新しい事を増やしてきたんだなーと改めて実感した。



陸上競技大会はトラブルもあったけど何とか成功。

問題点があるとすれば、観客の管理が一番だろうか。

来年以降も実施予定だったんだけど、もっと短期間で定期的にという声がかなり多く上がっているので、次回から前売りチケット体制や競技別観覧規制にするなど対策を早めに検討しておかないと。



さあ、今までの話からして気付いてたと思うけど、競技の企画提案、物資や競技場の提供、スポンサーや選手の募集等、この陸上競技大会の殆どを私が関わって、というか私が中心で進んでいたのだ。

結果として、私は陸上競技大会の最高顧問になってしまった。

6歳で学校の先生で大会の最高顧問とか、皆んな何故異論を出さないのか疑問でいっぱいだ。

私はもう、普通の少女になれないのかしら?
しおりを挟む
感想 16

あなたにおすすめの小説

追放された荷物持ちですが、実は滅んだ竜族の末裔でした。今さら戻れと言われても、もうスローライフ始めちゃったんで

ソラリアル
ファンタジー
目が覚めたら、俺は孤児だった。 家族も、家も、居場所もない。 そんな俺を拾ってくれたのは、 優しいSランク冒険者のパーティだった。 「荷物持ちでもいい、仲間になれ」 その言葉を信じて、 俺は必死に、置いていかれないようについていった。 自分には何もできないと思っていた。 それでも、少しでも役に立ちたくて、 誰にも迷惑をかけないようにと、 夜な夜な一人でダンジョンに潜り、力を磨いた。 仲間を護れるなら… そう思って使った支援魔法や探知魔法も、 気づかれないよう、そっと重ねていただけだった。 だけどある日、告げられた。 『ここからは危険だ。荷物持ちは、もう必要ない』 それは、優しさからの判断だった。 俺も分かっていた。だから、何も言えなかった。 こうして俺は、静かにパーティを離れた。 これからは一人で、穏やかに生きていこう。 そう思っていたし、そのはずだった。 …だけど、ダンジョンの地下で古代竜の魂と出会って、 また少し、世界が騒がしくなってきたようです。 ◇小説家になろう・カクヨムでも同時連載中です◇

家族転生 ~父、勇者 母、大魔導師 兄、宰相 姉、公爵夫人 弟、S級暗殺者 妹、宮廷薬師 ……俺、門番~

北条新九郎
ファンタジー
 三好家は一家揃って全滅し、そして一家揃って異世界転生を果たしていた。  父は勇者として、母は大魔導師として異世界で名声を博し、現地人の期待に応えて魔王討伐に旅立つ。またその子供たちも兄は宰相、姉は公爵夫人、弟はS級暗殺者、妹は宮廷薬師として異世界を謳歌していた。  ただ、三好家第三子の神太郎だけは異世界において冴えない立場だった。  彼の職業は………………ただの門番である。  そして、そんな彼の目的はスローライフを送りつつ、異世界ハーレムを作ることだった。  お気に入り・感想、宜しくお願いします。

異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました

雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。 気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。 剣も魔法も使えないユウにできるのは、 子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。 ……のはずが、なぜか料理や家事といった 日常のことだけが、やたらとうまくいく。 無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。 個性豊かな子供たちに囲まれて、 ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。 やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、 孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。 戦わない、争わない。 ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。 ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、 やさしい異世界孤児院ファンタジー。

猫好きのぼっちおじさん、招かれた異世界で気ままに【亜空間倉庫】で移動販売を始める

遥風 かずら
ファンタジー
【HOTランキング1位作品(9月2週目)】 猫好きを公言する独身おじさん麦山湯治(49)は商売で使っているキッチンカーを車検に出し、常連カードの更新も兼ねていつもの猫カフェに来ていた。猫カフェの一番人気かつ美人トラ猫のコムギに特に好かれており、湯治が声をかけなくても、自発的に膝に乗ってきては抱っこを要求されるほどの猫好き上級者でもあった。 そんないつものもふもふタイム中、スタッフに信頼されている湯治は他の客がいないこともあって、数分ほど猫たちの見守りを頼まれる。二つ返事で猫たちに温かい眼差しを向ける湯治。そんな時、コムギに手招きをされた湯治は細長い廊下をついて歩く。おかしいと感じながら延々と続く長い廊下を進んだ湯治だったが、コムギが突然湯治の顔をめがけて引き返してくる。怒ることのない湯治がコムギを顔から離して目を開けると、そこは猫カフェではなくのどかな厩舎の中。 まるで招かれるように異世界に降り立った湯治は、好きな猫と一緒に生きることを目指して外に向かうのだった。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! 仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。 カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。

異世界で目覚めたら、もふもふ騎士団に保護されてました ~ちびっ子だけど、獣人たちの平穏のためお世話係がんばります!!~

ありぽん
ファンタジー
神のミスで命を落とした芽依は、お詫びとして大好きな異世界へ転生させてもらえることに。だが転生の際、またしても神のミスで、森の奥地に幼女の姿で送られてしまい。転生の反動で眠っていた瞳は、気づかないうちに魔獣たちに囲まれてしまう。 しかしそんな危機的状況の中、森を巡回していた、獣人だけで構成された獣騎士団が駆け付けてくれ、芽依はどうにかこの窮地を切り抜けることができたのだった。 やがて目を覚ました芽依は、初めは混乱したものの、すぐに現状を受け入れ。またその後、同じ種族の人間側で保護する案も出たが、ある事情により、芽依はそのまま獣騎士団の宿舎で暮らすことに。 そこで芽依は、助けてくれた獣騎士たちに恩を返すため、そして日々厳しい任務に向かう獣人たちが少しでも平穏に過ごせるようにと、お世話係を買って出る。 そんな芽依に、当初は不安だった獣人たちだったが、元気で明るい瞳の存在は、次第に獣人たちの力となっていくのだった。 これはちびっ子転生者の芽依が、獣人や魔獣たちのために奮闘し、癒しとなっていく。そんな、ほっこりまったり? な物語。

『異世界ごはん、はじめました!』 ~料理研究家は転生先でも胃袋から世界を救う~

チャチャ
ファンタジー
味のない異世界に転生したのは、料理研究家の 私!? 魔法効果つきの“ごはん”で人を癒やし、王子を 虜に、ついには王宮キッチンまで! 心と身体を温める“スキル付き料理が、世界を 変えていく-- 美味しい笑顔があふれる、異世界グルメファン タジー!

異世界転生したので森の中で静かに暮らしたい

ボナペティ鈴木
ファンタジー
異世界に転生することになったが勇者や賢者、チート能力なんて必要ない。 強靭な肉体さえあれば生きていくことができるはず。 ただただ森の中で静かに暮らしていきたい。

処理中です...