公爵令嬢はジャンクフードが食べたい

菜花村

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68 公爵令嬢は息抜きをする

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ダンスの練習を始めてあっという間に2ヶ月が経った。

ダンスの先生を呼び毎日練習して、自主トレだってしている。

だと言うのに、私は相変わらず一人でステップすら踏めずにいた。

ガッチガチになって動きがいびつ、手拍子通りのリズムに動けない、ドレスの裾どころか自分の足を踏む、顔が怖いと皆んなに言われる……

あれだけてこずっていた魔法ですら1ヶ月程で習得できたのに、このザマである……

魔法みたいにコツとかあればいいのに、全然わからない。

何より、俺はもっと動けてたから、こんなに身体が言う事聞かない事が驚きだった。

前世の記憶で、運動できない人とか、音楽出来ない人って、ワザと出来ないフリをしてふざけてたのかと思ってたけど、ガチだったんだと実感した。

ごめんなさい、前世の運痴さん音痴さん。

ダンスの先生がたまにイライラしてるのが分かる。

勝手に実験して叱られるのはいい(嫌ではある)けど、ダンスが出来なくて怒られるのは辛かった。



結局、雇ったダンスの先生は、相性が悪かったからと辞めていった。

へこんで塞ぎ気味になった私に、リッカが

「気晴らしに、外出なさっては如何ですか?
気分が軽やかになると、思わずステップが踏めるかもしれませんよ?」

と言ってくれた。

「そうだ、僕のお家においでよ!
まだ来た事がないでしょ?
街も一緒に周ろう!」

ポスカ君が招待してくれた。

そして「「「「じゃあ俺(僕、私、自分)も行く!」」」」と案の定ついて来た。

今回一緒に行くのは、ポスカ君、ロナウド王子、セシル様、レベッカちゃん、ケン、そして私。

ポスカ君の家にはケンのお父さんとお母さんがいるから、ケンも今回は一緒に行く事になったのだ。

仕事はアデンに全任せ。頑張れ。



ヤークン侯爵領に着いた頃には日も暮れていた。

ポスカ君の家まではまだまだ距離があるから、一旦街の宿に泊まる事にした。

因みに、皆んな働いているので、お金はしっかりある。

特に、お祭りの3日間は本当に儲かった。

貴族の子供が沢山いるから、一番立派な宿で安全確保しよう。

そして始まる部屋割りバトル。

もう、4人で大部屋借りなさいよ。


翌朝、朝食を食べてからヤークン侯爵館に着き、早速街へ向かった。

ヤークン侯爵領は、工業が盛んな領地。

フィアンマ公爵領に比べると劣るが、治安も景気もそれなりに栄えている。

色んな民芸品、工芸品を大量に買いあさって、リッカに叱られた。

「こんなに大量に何に使うんですか」と聞かれたから、実験と答えると、更に叱られた。なぜ?


昼食は、街一番のレストランでステーキやシチューを食べた。

「これ美味しいけど、私、うなぎの蒲焼の方が好きだわ。」

レベッカちゃん、そんな事言っちゃダメ!

「街一番のレストランでこれかぁ……」

「ポスカがフィアンマ男爵領にいたがる理由の一つがこれですね」

「ここが不味いんじゃないよ、フィアンマ男爵領のご飯が美味しすぎるんだって!」

だから皆んな、お店でそんな事いわないでよー!

流石にケンは何も言わない。

でも、目で語ってこないで、反応に困る!



その後も、色んなお店を見学したり買い物したりして私は日頃の鬱憤をはらした。

なんか、テルユキと一緒になってから、こんな風に買い物やランチをしてなかったから、すごく気分転換になった。

いっつも、実験や料理、最近じゃ領地やダンスのことばっかり考えてて、私って遊んでないなーって気付いた。

「たまには遊んで気晴らしするのもいいわね。」

そう言うと、皆んなが笑ってくれた。

「元気を取り戻したみたいだな。」

「やはりフランさんには笑顔がお似合いです。」

「いつでも連れて来てあげるからね。」

「遊ばなきゃ損よ、私たちまだ子供なんだもの。」

「フラン様は頑張りすぎです、息抜きも必要ですよ。」

皆んな、心配してくれてたんだね……

「ありがとう!皆んな、大好き!」

「「「「「!!!!」」」」」

「私も大好きよ!」「僕もー!」

レベッカちゃんとポスカ君が抱きついてきた。

「あっ!」「くっ…」「チッ…」

残り3人はなんか固まってる。

その様子が可笑しくて、思わず声を出して笑ってしまった。



その日の夕方、疲れるほど楽しんだ私たちは、ヤークン侯爵館に帰って夕食を食べる事になった。

そこで、私はとんでもないものを見かけた。
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