欲にまみれた楽しい冒険者生活

小狸日

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047天才治癒魔導士

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「次の怪我人はどうしました?続けて治療できますよ。」

次の怪我人が来ないので拓が部屋を覗いて様子を伺うと雰囲気が暗い。

「あいつは助からなかったのか?」

怪我人の1人が呟く。

「彼の傷は完全に塞がっている。終わったから部屋に戻しただけだけだが?」

拓は治療を施した人が気絶をしたまま動かないで横わたっているのを見て、この状態を理解した。

「安心してくれ、俺は治癒魔法の奥義を知ってしまったかもしれない。
 痛みを耐えてもらう必要が有るが、このまま治療を続ければ天才治癒魔導士が誕生するかもな。」

意味不明なドヤ顔の拓に、少し引き気味のガラとレオ、そして怪我人達。
ただ、治療された人は完全に傷は治っていたので、怪我人達も腹をくくった。
そこからは、布を咥えた怪我人達のくぐもった絶叫が響いたが問題なく治療が行われ、何人かの気を失った元怪我人がベットに並んだ。
そして、最後の怪我人が終わると

「天才治癒魔導士、ホワイトジャック。オペ完了」

拓は汗だくになりながらも、それだけ言って椅子にもたれ掛かると満足そうに寝てしまった。
ガラが寝てしまった拓を抱きかかえ小屋を出ると

「全員を治療して頂きありがとうございました。
 あの、最後に不思議な言葉を話されていましたが、大丈夫でしょうか。」

村長が心配そうに拓を見ていた。

「大丈夫です。治癒魔法を使う際のマジナイの様なモノですので。
 ただ、こいつも限界なんでゆっくり休ませてやってください。」

多分、拓の発言はノリで元の世界の言葉を言っただけだと思ったが、適当に答えていた。
今夜泊まる空き家に連れて行くと、ガラとレオは拓の服を脱がせて汗を拭う。

「満足そうな顔をしやがって。」

レオは拓のほほを突くと、布団を掛けて枕元にいるダイフクを連れて部屋を出ていく。
その日の夜、村長が改めて食料の販売と拓の治療について礼を言いに伺い、拓が未だ寝ていると伺うと村人に騒ぐことなく静かに過ごすように指示を出していた。


十分に寝て気力を取り戻した拓は腹が空いて夜中に目を覚ました。
横に寝ていたガラとレオを起こさない様に起きると、アイテムボックスにしまっていた料理を取り出して腹を満たす。
2度寝をする気にもなれず、ジェニファーとロビンに教えてもらった魔法を試すことに

先ずは姿隠しの魔法。光が反射せずに透過してしまえば姿は消える。
実際に試してみると、自分の手や体が完全に消えた。
これで夜這いや覗き見し放題!と想像してしまったが、倫理的に外れたことをする気はない・・・つもりだ。
実験的に村の入り口の見張りの前を通って外に出てみるが、気付かれることは無かった。

次は探索魔法。これは既に移動中に試していたのだが、魔力を周囲に放って物を感知する方法だ。
周囲を確認してみると、直ぐ近くに魔獣が存在していた。
拓は姿を消したまま攻撃魔法で魔獣を倒すと全てアイテムボックスに収納する。
見付けた魔獣を手当たり次第に倒していると、魔獣によっては姿を消しても匂いで居場所が知られてしまう事も有った。

「なかなか難しいな。完全に存在を消す魔法なんて無いのかな?」

更に探索範囲を広げ大量の獣を倒してから、空き家に戻ることにした。

朝、朝食を食べながら、拓はジェニファーとロビンに忠告される。

「拓は魔法の使い過ぎで倒れてしまったでしょ。その状態を魔力欠乏と言って本当に危険なのよ。」
「魔力を限界まで使ってしまうと、下手をすると呼吸や心臓が止まってしまう事も有るの。
 だから、絶対に無理な魔法の使い方をしない様に。」

拓の場合、魔力は余裕が有ったのだが、精神的に疲れてしまっただけだった。
しかし、2人の話は重要なのでしっかりと頷いていた。

出発する時、朝早いにも関わらず多くの村人が見送りに来てくれた。
中には元怪我人達も居て、拓と握手をしながら礼と言って魔よけの面までプレゼントしてくれた。
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