欲にまみれた楽しい冒険者生活

小狸日

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121ギルド長

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王都に着くと直ぐにギルド会館に向かい、ロダン侯爵がギルド長と話をする間、部屋で待機となった。
暫くして、ロダン侯爵がギルド長と戻ってくると受講者の前に立つ。
拓は初めてギルド長を見たが、思わず横目でレオを見てしまう。
元冒険者なのか鍛えられた身体をしている・・・そして、その頭は見事にツルツル。ハゲ?スキンヘッド?

「皆、頑張ったみたいだな。全員合格だ。おめでとう。
 それから、拓。お前はちょっと話が有る。」

拓はスキンヘッドを見ていたのを気付かれたのかと考えていると、ギルド長がいきなりにらみつけて来た。
そこまで怒らなくても良いのではと思っていると、ギルド長が急に笑い始めた。

「はっはっは。俺の威圧に全く動じないな。」

どうやら武技の威圧を行っていたみたいで、Cランクになったばかりの冒険者達は座り込んでしまっていた。
拓も今まで何度か受けたが、威圧の効果が全く理解できない。
本当はドッキリで皆で自分を騙しているのではないかと疑う気持ちになる。

ギルド長に連れられて拓が訓練場に行くと、他の受講者だけでなくギルドホールでレオと拓の結果を聞こうと待っていたクリーム達も一緒に付いて来た。

「拓、俺と簡単な手合わせをするぞ。遠慮なく攻撃魔法を放って良いからな。」

「一応形だけだが。」ギルド長から木剣を渡され構えた。
拓は体力強化を行い魔法攻撃を仕掛けるが、ギルド長は避けて攻めてくる。
それならばと、フェイントや相手が避ける先を読んで連続して攻撃をしかける。

「やるじゃねぇか。」
「皆に鍛えてもらったので。」

ギルド長は一旦後ろに引くと嬉しそうに笑い、更に速い動きで攻撃をしてきた。
拓は更なる体力強化を行い攻撃を避けながら、中級魔法の攻撃を放つ。
しかし、中級魔法程度の攻撃ではギルド長には効かず、数を増やしても剣で弾かれる。

「なら、この卑怯技。」

拓はフェイントを行い、ギルド長の顔を水で覆い窒息を狙う。
ギルド長は水なので掴むことも出来ず、高速で動いて外そうとするが拓は逃げながら動きに追従し水を維持し続けた。
動けば動くほどギルド長は酸素不足に陥る。
誰もが拓の勝ちだと思った時、ギルド長の顔を覆っていた水が内側から押し返され外されてしまう。

「俺に光波まで使わせるなんて褒めてやるが、倒すには足らねぇな。」

更に獰猛化するギルド長。
中級魔法を放っても光波という武技で遮られてしまい、拓へ直進してくる。
拓は光波という武技はシールドの様な物だと理解した。
さっきは体から外に向けてシールドが張られ顔を覆っていた水を弾いたのだろう。
こうなると拓に手段が無いのか、拓は逃げ回りながら水球を放ち続ける。

「どうした、拓。光波が切れるまで逃げるつもりか。」

逃げていた拓が、振り向くと地面の水たまりを集めギルド長を水球に閉じ込めてしまう。
周囲をシールドの様に覆っているだけであれば、中級魔法でも全身を水で覆ってしまえば同じ事だ。
ギルド長が動こうと、水球を外す事は出来ない。
拓は勝ちを確信しながらも気を抜かずにいたのだが、全身を覆っていた水球が弾け飛んだ。

「なるほどな。全身を水で覆ってしまえば、息が出来なくなると考えたか。
 甘いな、光波は破裂させる事もできるんだぜ。次はどうする。」

光波を外に向けて爆発させたのか。
水球を当てても弾くところを見ると、直ぐに張りなおされているのだろう。

拓は顔に向けて攻撃をしながらも、木剣を狙う。
圧縮した水球で何度目かの攻撃が当たると木剣に亀裂が発生した。
ギルド長が驚いた瞬間に、拓は木剣を折った。

「良いぞ良いぞ、拓の様な魔導士は初めてだ。ならば」

ギルド長が折れた木剣を捨て拳を構えると、「ピー」訓練場に笛の音が鳴り響いた。
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