欲にまみれた楽しい冒険者生活

小狸日

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227ルドルフ料理長

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朝パウロとヨーゼフが未だ寝ている時間帯、拓は起きると城の調理場に向かった。
既に仕事を始めている料理人に挨拶をすると

「拓様ですね。私は料理長のルドルフです。拓殿が料理をされると伺っていますが、どの様な食事を作られるのですか?」

ルドルフ料理長は笑顔だが、目が笑っていない。

「料理はもう作ってあるので、食器をお借りしようと思いまして。」
「そうですか。好きな食器を使って頂いて構いません。」

ルドルフ料理長が食器を見せてくれるので、シンプルな物を選ぶ。
アイテムボックスから料理を取り出し盛り付けると、再び収納する。

「拓様、今の料理を味見させてもらう事は出来ないでしょうか。」
「素人料理なので恥ずかしいですが。」

拓が同じように盛り付けてルドルフ料理長に渡すと、じっくりと見て口に運ぶ。
無言の味見が始まり、拓も黙ったまま横に立っていた。

「この料理は何処で習ったのですか?」
「故郷でレシピを教わり、自分なりにアレンジをしてみたのですが。」

ルドルフ料理長は何か言いたそうにしながらも、黙ってしまう。

「国王陛下が料理のレシピを買ってくれると言うので、気に入られれば依頼が来るかもしれません。」
「そうか。そのレシピは何時渡す予定ですか。」
「あくまでも気に入られたらの話ですが、今日か次回に来るときですかね。」

そこは勇者3人のレシピの翻訳しだいなので何とも答えられない。
それを聞いて少し考えたが、食材やスパイスについてのアドバイスを話してくれる。
他の料理人達にも食べさせたいと、追加で料理を盛り付けると他の料理人を呼んで一口づつ食べさせていた。

「拓様。この様な料理は初めてで、レシピを頂くのを楽しみにしています。
 我々も研究させて頂きますので、次は我々の料理を楽しみにしてください。」

恐るべし、元の世界の料理本。そしてプロの料理人。
やはりプロって凄いと思いながら、拓はルドルフ料理長に礼を言って食堂の方へと移動した。

「拓さん、おはようございます。」「おはようございます。」「オッハー。」

浩司、由美、里香が既に来ていた。拓に料理本を返し、写したレシピを渡してくれた。

「こんなに書いたんだ。凄い絵まで描いてある。ありがとう。」

全部で20種類位ある。
今朝、ルドルフ料理長がレシピを楽しみにしている事を教えると、3人とも食べれると喜んでいた。
直ぐに国王をはじめサリナ姫や将軍達もやって来たので、拓がアイテムボックスの中から料理を取り出し、フレッシュジュースを合わせに用意する。

「これは美味いな。想像していたより良い味だ。」

国王が嬉しそうに話すのを見て、拓は安心して自分が食べる。
他の人達も気に入ってくれたみたいだ。

「OZは何時もこんなに美味い物を食べているのか。」
「いえ、時々です。お昼なんて基本的に丼ものみたいなのばかりです。」
「丼?」

言葉の違いか、この世界では一般的でないのかが分からず、米の上に食材を乗せた物だと説明すると納得していた。

浩司達が翻訳してくれた紙だと文字がそれぞれ違う為 国王の方で秘密裏に清書したものをドルク料理長に渡すことになった。
食事が終わると直ぐに金が支払われたのだが、想像以上の高額だった。
この間の薬にしろ、今回の金にしろ、かなりの大金になるのだが、拓は黙って受け取ることにした。
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