欲にまみれた楽しい冒険者生活

小狸日

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228ドク医局長

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食事が終わると、早速ヨギ宮廷魔導士に連れられ医療室に連れていかれた。
そこには、何人もの病人が居た。

「拓殿、こちらは医局長のドク医師だ。ドク殿、こちらは免責札を持つ拓殿だ。」
「ドクです。拓殿は素晴らしい治癒魔法の使い手だと伺っています。お目に掛かれて光栄です。」
「まだまだ勉強不足で恥ずかしい限りです。今日は宜しくお願いします。」

挨拶が終わると、早速ドグ医局長が水晶の玉の魔道具を持って治療を始める。

「患者の体を魔力で包んで水晶の玉に吸い込む様に引き寄せます。
 網で細菌をすくい上げる様なイメージです。」

水晶の玉が光ったかと思うと、患者の体から黒いシミが吸い出されるように水晶の玉の中に浮かぶ。

「早速、拓殿も試してみましょうか。」
「分かりました。お願いします。」

拓が患者に水晶の玉を乗せて魔力で患者の体を包むと

「拓殿、魔力を流し過ぎです。今の半分で十分です。強い魔力は患者の体に負担をかけてしまいます。」

直ぐに注意される。他にも色々と注意されながらも魔法を使うと水晶の玉に黒いシミが浮かぶ。

「素晴らしいです。初めてでここまで出来るとは思いませんでした。」

残りの患者にも治療を行い、それなりに魔道具を使いこなせる様になっていた。

「思った以上に疲れました。イメージの問題ですかね。」
「いえ、正直 全員を治療できるとは思っていませんでした。私でもこの人数を見るのは厳しいです。」

魔力操作に集中する必要が有るので、イメージが出来ていなければ2,3人が限界らしい。

「拓殿の話を聞いたとき、医療知識が有るとは思っていましたが、想像以上です。
 一体、どの様な方から治癒魔法を教わったのですか?」
「本を読んで、独学です。後は冒険者なので怪我人を治す機会が多いので慣れですね。」

拓が未だ行けると言うので、かなり容態の悪い患者に治療を行う事にし別の建物に連れていかれた。
先ほどより目が細かく強い網をイメージするとの事、但し患者に送る魔力は変えず という指示が出された。

拓は治療を行ってみると、上手くすくう事が出来ない。
イメージがなっていない。拓は再びイメージをしてやり直すと今度は魔力のバランスが崩れ抜けてしまった様だ。
患者に謝り、休憩を入れてから再び治療をさせてもらう。

「強い網とは、均一な強度の網、目の細かい均一の強度の網。」

拓は独り言を呟きながら、再び患者の治療を始めた。
誰も音を立てず、拓の治療を見ていた。
今までより時間が掛かったが、水晶の玉にはどす黒いシミが浮かび上がった。
ドグ医局長に確認してもらうと、問題なく治療が行われていた。

「お見事です。少し休んで、もう一人治療を行いましょう。」

思わず拓はドグ医局長をみると、笑顔で返される。
バラン将軍といい、城に努めているトップの人間は笑顔で徹底的に追い込むような人ばかりなのだろうか?
拓は「笑顔のS集団」と密かに命名する。

一度、イメージが掴めたので、少し休みを取った拓は2人目も問題なく治療を行う事が出来た。

「完全にイメージを掴めたみたいですね。本当に素晴らしい。
 未だ時間も有りますから、次の患者を診ましょうか。」

流石は笑顔のS集団、ドグ医局長は良い笑顔で拓に治療を進めてくる。
結局、その後2人も治療を行い、拓は疲れ切ってしまい昼食まで少し休ませてもらう事にした。


「ドク殿、拓殿の治癒魔法はどうじゃった?」
「拓殿は本当にこの魔道具を使うのは初めてですか?ここまで治療を行なえるとは信じられません。
 医学の知識と魔力操作、なによりも集中力が高い。
 念のために症状の異なる患者の治療を行って頂きましたが、拓殿ならどの様な病気でも問題なく治療が出来るでしょう。」

ドク医局長にここまで言われるとは、ヨギ宮廷魔導士にとっても予想外だった。
これで、拓殿は自分の持つ魔道具を使いこなす事が出来るだろう。
しかし、あの水晶の玉の魔道具は何処で手に入れたのだろうか。
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