欲にまみれた楽しい冒険者生活

小狸日

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431教育

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先ずは神殿で教育が始まり薬草や薬の話になったのだが・・・もはや拓は付いて行けない。
ハックだけでなく、ルーカスも問題なく理解している。
拓は水晶の球で治療を行なえない病気とそれを対処する薬は確認済みなので、大量に足りていない薬草のチェックだけしていた。

午後になって怪我人に治癒魔法を施すのだが、拓のテンションが変だった。

「ハック君。今日は私の治癒魔法をよく見ていて欲しい。」

拓は得意顔で治療を始めたのだが、ハックの反応が無い。
拓としてはちょっと上達した治癒魔法を見せようと兄弟子風を吹かしていたのだが・・・自滅。
先程の、自分の言葉がとても恥ずかしい。

「少し治癒魔法の腕前が上がったんだけど、微妙過ぎたかな。少し感覚を試したいから今日は俺がメインで治療しても良いかな?」
「はい。やっぱり拓さんは凄いです。宜しくお願いします。」

ハックに気を使われ更に恥ずかしくなる拓だが、気を取り直して治療を再開。
ハックに患者の様子を確認させながら、治癒魔法を発動させる。
拓自身の手応えでは以前よりも更に消費する魔力量が確実に減ったのだが、これを分かってもらうには変化が少な過ぎた様だ。

実際はハックが何時もより更に上の治癒魔法を見て驚いていた。
今までの拓の治癒魔法の更に上が有るとは思いもしていなかった。
昔のハックなら分からなかっただろうが、今ならその違いがはっきりと分かる。
ハックは拓の目の前で行われる拓の治療を少しでも身につけようと何時も以上に集中していた。


神殿から戻って来たクロイツ公爵は同行した魔導士に今日の教育について聞いてみる。

「正直ハック様が羨ましいと思ってしまいました。」

治癒魔法を使っている時に患者に魔力を流して状態を確認する行為は邪魔になるため許される事ではない。
それにも関わらず拓は自分の治療状態をハックに確認させ、更に状況の説明まで行っていた。
治癒魔導士はそばで見ていたが拓の治療行為が疎かになる事もなく、外から見ていても信じられないほどの技術だった。
治癒魔導士として、ハックの立場ほど恵まれた環境は無いだろう。

「しかし、ハック様が他の治癒魔導士を師匠と呼ぶことはないでしょう。」
「何故だ。拓殿は他の治癒魔導士が師匠となった方が良いと考えていると聞いているぞ。」
「拓殿が医者に成る気が無く、王都を離れているからという理由でしょうが、拓殿の指導は下手な教育を1年受けるよりも価値が有ります。
 今更他の魔導士の指導を受けても納得できる内容は得られないでしょう。
 そしてなによりも、ハック様本人がそれを望んでいないからです。
 我々治癒魔導士の間でも、ハック様の師匠は拓殿だと考えていますので、特別な事情が無い限り師匠になる事は有りません。」

クロイツ公爵は魔導士の話を聞いて満足をしていたが、

「拓殿はそういう状況を全く理解していないだろう。今度の旅で拓殿にそれとなく話しておいた方が良いだろうな。」

拓の無自覚に少し心配になってもいた。
そして、ハックの治癒魔導士としての腕前について確認しておいた方が良いとも・・・
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