欲にまみれた楽しい冒険者生活

小狸日

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夜、拓は国王達が泊まる魔道具のテントに呼ばれた。
中央のテーブルには、王族、貴族、そして勇者と居心地悪そうなピストンの姿が有った。
ピストンとしては外で寝たかったが、商人見習いとして連れてきている手前 拓のテントに宿泊する事になってしまったみたいだ。
拓が席に着くと、国王が立ち上がって話し始めたのだが・・・

「拓殿、商人見習いと自己紹介をしたが、私は国王マクニス16世だ。」
「・・・」
「騙すような真似をして済まない。この様な機会でも無ければ来る事も出来なかったのでな。」
「・・・」

もしかして、バレていないとでも思っていたのだろうか?
拓は国王だと隠す気も無いのかと思っていた。
これは国王ジョークとして笑う所なのだろうかと考えたが、その様な雰囲気でもない。
そして、ここに居る全員が、その勘違いに驚いていた。
いや、浩司だけが素直に驚いている。
拓は『浩司、本気で貴族に成る気で居るのか?サブとキャラがダブっているぞ。流石に問題だろう。』内心突っ込んでいた。
王子や姫は・・・恥ずかしいのか下を向いていた。

「話を聞いていたスラム街を見たいと思っていた。
 しかし、OZとサリナの人気がここまで有るとは思わなかった。
 本来であれば国としてすべき事だったが、良くぞここまでの対応をしてくれた。
 ハックやルーカスも頑張っているみたいだな。
 それに、ハックはホワイトジャックからも褒められたそうだな。」
「ハックなら当然です。本当に凄い治癒魔導士ですよ。それにルーカスも頑張っていますからね。」

嬉しそうに話す拓を見て、微笑む国王。


暫く皆と話をした後、

「拓殿。少し夜の状態も見たいのだが大丈夫だろうか?」
「この辺なら問題無いかと。」

国王が拓を夜の散歩に誘う。護衛にはオリバー隊長だけが付きそう。
テントから離れた所で、国王が拓に紙を渡す。

「拓殿に、これを渡しておきたかった。 拓殿がオリバー隊長に依頼した古代文字の解読結果だ。」

魔法で光を付け、渡された用紙に目を通して驚く拓。
そこには龍神と呼ばれるラムーの遺跡が本当に存在していた事が書かれていた。

その強大な力を巡り人々の間で争いが起きた時、当時の国王***(言葉ではなく紋章で描かれている)が自らの命と共に、争いの原因となった龍神を海底に沈めた。
その影響は甚大で地殻変動を起こし地震、津波が発生し海岸沿いの陸地が海の底に沈んだ。
二度とこの様な災害を繰り返す事が無きよう、未来の者に伝える。

その後は、力を巡り起きた争いについて綴られていた。
あの祠は、自分達への戒めであり、未来への警告として残された物だった。
龍神が存在したのなら、龍王も存在する可能性が出て来る。
もう一度 龍王の伝承が残っている村に行く必要がある。
そこに、この状況を打開する何かが有るかも知れない。

「拓殿、勇者の特訓も宜しく頼む。」
「・・・」

一瞬、完全に忘れていた。
先ずは確実な防衛力強化が必須だ。

「それから、解読結果については他に話すのは止めて欲しい。解読に係わった者にも言い聞かせてある」
「行動を共にしているOZ、クリーム、エチゴさん、アルの間では共有したいと考えているのですが。」
「分かった。但し、全員に他言無用としてくれ。話が大き過ぎるので悪い影響が出ないようにしたい。」

もし、龍王と呼ばれるラムーの遺跡が存在しているとなれば、争いが起きる可能性がある。
拓は国王の話に頷いた。
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