欲にまみれた楽しい冒険者生活

小狸日

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554合同討伐

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魔獣討伐当日。
拓が魔獣退治のために作り上げた壁の前には500人程の貴族や兵士が集まっている。
更に壁の上には城の魔導士団を含めた魔導士達が並び、後方には治癒魔導士達が待機していた。
オリバー隊長が全体をまとめる。

その中に、OZやクリーム、アル、ゴルゴ、サブ、ワンガの姿も有ったが、拓は居ない。
暫くしてガラとレオの腕輪に拓からの通信が入った。

「魔獣の追い込み成功。一気に行くよ。」

ガラが側に控えていた魔導士に伝えると、火球が打ち上げられた。
それを見た全員が気を引き締めると、暫くして森から魔獣があふれ出て来た。

「行くぞ!」

塀の上から大量の攻撃魔法が放たれ、そこをかい潜って来る魔獣に兵士達が戦いを挑む。
拓と勇者の3人は姿を消して上空からその様子を眺めていた。
4人は森の奥へ入り、巨大な魔力の放出と攻撃により魔獣を駆り立てて戻って来たところだった。

「何時もなら、そろそろ魔導士団の攻撃が終わる頃なんですが、終わりそうにないな。」
「やっぱり、拓さんが卸した魔道具のお陰なのね。」
「これチョー凄いよね。信じられない位の魔力が入る。」
「3人の持っている魔道具は特別サイズの魔石を使っているから。魔導士団が持っているのは身に付けているペンダントと同じ。」

由美と里香は拓に貰った魔石を綺麗なペンダントにしてもらい、今日も身に付けていた。
4人がノンビリと話している間も魔獣退治は続いている。
事前に強力な魔獣は退治されているとはいえ、予想以上に戦えている。
更に貴族の私兵の強化がされれば、基本的な守りはこの世界の人達だけで対応出来そうだ。
怪我人も多数出ているが、命が危険に晒される程ではなく、後遺症も出ない様に治療が行われている。
状況に応じて4人も戦闘に加わるつもりだったが、その必要もない。

日が暮れる前には戦闘も終わり、兵士達は討伐した魔獣の解体を行い自分達の馬車へと素材を乗せていく。
魔導士団は与えられた魔道具の力を十分に発揮でき
兵士達は教わった魔獣との戦い方を実践で試す事ができ
治癒魔導士達は・・・もっと大怪我をして欲しかったと嘆いていた。

拓達は皆と合流すると、兵士達の戦い方についての考察を行っていた。

「皆は、魔獣の素材を入手しなくて良いのか?」
「拓、すまないがエチゴさんに卸す分を適当に回収しておいてもらえないか。」

ガラに頼まれ、拓は貴族達の邪魔にならない様に傷の少ない魔獣を回収する。



その日の夜は、見張を立てるが全員が食事をしながら魔獣討伐の話で盛り上がっていた。
この先の魔獣との戦いも自分達なら勝てると・・・

「皆の方はどうなの?得られるものは有った?」
「色々と戦い方の勉強になった。後は実践あるのみだ。」

ガラの言葉に全員が頷く。
ジェニファーとロビンも魔道具の力を実感できていた。
大規模の魔獣討伐はこれで終了だが、OZやクリームの特訓は続き、ジェニファーとロビンが腕輪の魔力を使い果たしたので次回は4日後となった。

「拓殿、皆さん、少し良いだろうか。」
「オリバーさん。お疲れ様です。無事に終わって良かったですね。」

拓が挨拶をすると、オリバー隊長はガラ達が持っている剣を見せて貰えないかと話してきた。
周囲の人達がこちらに注目しているのが分かる。
オリバー隊長がガラの剣を確認すると、ガラに戻す。

「良い剣ですね。本当に皆さんには驚かされます。一体、何処でこれだけの物を手に入れたのですか?」
「冒険者として活動をしている時ですね。細かい話は秘密とさせて下さい。」
「国から命令が出たとしてもですか?」
「はい。」

オリバー隊長が拓に強く聞いて来るのは初めての事だったが、拓に答える気は無かった。

「国に治める分はないでしょうか?」
「・・・残念ながら余裕は無いです。」

直接確認してダンジョンで発見した剣だと言う事は分かったのだろう。
オリバー隊長は残念そうだが、諦めてもらうしかない。
周囲の兵士や貴族も気になっていたが、拓が絡んでいるため直接聞く事が出来なかった。
しかし、今のオリバー隊長の反応で確信を持っていた。

事前に行った拓と勇者達による討伐と、今回の討伐で魔獣の危険度は一気に減った。
暫くは安全だが、拓には魔獣の増え方が早くなっている様に思えていた。
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