異世界遺跡巡り ~ロマンを求めて異世界冒険~

小狸日

文字の大きさ
11 / 761

011魔道具作り

しおりを挟む
次の日から、魔道具作りを開始する。
魔力を貯える魔道具からだ。戦闘時の魔力切れは生死に係わるしな。
魔道具にはコアという核が必要となり、一般的には魔石に魔法陣を描いたものが使われる。
これだけでも魔法を発動させることが出来るが、魔道具とするには大きすぎる。
その為、整形と言う作業を行い1cmサイズの丸いコアに圧縮する。
使用する魔石の質、描く魔法陣の精密さ、そして歪ない整形が魔道具の性能に大きく反映される。
全てが魔道にとっての重要な作業だ。

魔力を貯える魔道具の素材は黒曜石の様な黒いツヤのあるガリウム鉱石。
この鉱石にはが魔力を貯え、保存する性能があるらしい。
両手に抱えきれない程の量に対して魔力を込めて成形していく。
魔力切れを何度も繰り返し、手の平に乗る程度の大きさまで圧縮した。

『ここまで圧縮できるとは思わなかった。本当に出鱈目な魔力量じゃな。』

あきれるようなグリムの声が聞こえる。
そんな事を言われても、普通が分からず何とも言えない。
圧縮したガリウム鉱石で腕輪を作りコアを組み込めば作業は終了だ。
右腕にはめて魔力を流してみると、リングに溜まっていくのが分る。。
そして、リングに込めた魔力も問題なく放出できた。
浩司の渡すと、喜んで腕につけ、魔力を流し始めた。
そのまま魔力切れになるまで続けたのには呆れてしまったが、それでも腕輪の容量に対して半分程度だ。

それにしても、魔道具を簡単に作れると思ったら大間違いだった。
魔石に描く魔法陣が非常に細かく難しい。
グリムがイメージを頭に送ってくれるが、描くのを何度放り出したくなった事か。
1つは作り上げるのに3ヶ月もかかってしまった。
これでも、グリムに言わせると早いらしい。
普通だと呪文を唱えながら描くため時間がかかり、さらに魔力切れをおこすため作業時間が制限される。

次に作ったのはアイテムボックス。
白磁鉱石という鉱物を闇魔法で錬成する事で空間を作り出す事ができる。収納物を闇の魔力で覆い、その空間に引き込むようにして収納する。
コアは、グリムが予備で用意しておいてくれたのを使う。
描かれている魔法陣は、俺が描いていたのでは数年は掛かってしまいそうな非常に細かい物だった。
ガリウム鉱石と同量の白磁鉱石が有るが、これは俺が使うだけなので、ガリウム鉱石の時の半分のサイズまで圧縮し、右腕の黒いリングと同サイズの白いリングに生成し左腕につけた。
感覚的には、大きな体育館2個位の容量は有りそうだ。

『1人で白磁鉱石をそこまで圧縮するとは、本当に非常識じゃの。』

グリムが呆れてきているのは、聞き流す事にした。
浩司が羨ましがって大変だったので、次は拡張バッグを作る事にすると、嬉しそうにまとわりついて来る。
何度も念押ししてくるなんて、お前は子供か。
と突っ込みたくなるが、妙に可愛らしくて笑ってしまう。そんな俺を見て

「自分でも、はしゃぎ過ぎたと思うけど、やっぱり期待するだろ。」

少し拗ねる浩司に、俺は更に笑ってしまった。

拡張バッグは魔石で作ったコアと黒磁鉱石を加工した物でバッグの内部空間を黒磁鉱石で歪め、その状態を固定する。
容量は白磁鉱石より格段に劣り、その容量も入れ物の素材に依存するが、作られた魔道具は誰にでも使えるメリットがある。
バッグは以前倒したレッドタイガーの皮を使いデイパッグ型の物を作り、コアを何とか作り上げバッグの中を拡張させると8畳部屋くらいの容量になる。
それを浩司に渡すと、手当たり次第にバッグに入れて大はしゃぎ。
そんなに喜んでくれて嬉しいが、大学生としては喜び過ぎではないだろうか。


俺が魔道具を作っている間、浩司は旅の間の料理を作っていてくれた。
台所に置いてあった拡張ボックスに保管しておいた料理を一挙公開。。
主食だけだが大量のパスタにうどん。メレンゲを使ったパウンドケーキもある。
2人で半年は過ごせそうだ。

「こんなに作るなんて凄いよ。」

「どうなるか分らないから、多めに用意してみた。在庫も残っているからもっと用意するけどな。
 これでも良く菓子作りをしていたんだよ。それなりの腕前だろ。
 おかずは、拓ちゃんと一緒に作りたいんだけど手伝ってくれるか?」

「もちろん。作ったのをアイテムボックスと拡張バッグに移しておこうか。」

菓子作りをしていただけあり、料理の腕の上達が早い。

「後作るので時間がかかるのは、魔力結界を張る魔道具、移動速度を速める魔道具と拡張させた水筒を2つかな。
 通信機能を持った魔道具は今は諦めて。グリムでもそんな魔道具は聞いたことが無いって。」

冬が終わり、この世界に来てから約2年、住み慣れた家を出て人里に行く事にした。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

称号チートで異世界ハッピーライフ!~お願いしたスキルよりも女神様からもらった称号がチートすぎて無双状態です~

しらかめこう
ファンタジー
「これ、スキルよりも称号の方がチートじゃね?」 病により急死した主人公、突然現れた女神によって異世界へと転生することに?! 女神から様々なスキルを授かったが、それよりも想像以上の効果があったチート称号によって超ハイスピードで強くなっていく。 そして気づいた時にはすでに世界最強になっていた!? そんな主人公の新しい人生が平穏であるはずもなく、行く先々で様々な面倒ごとに巻き込まれてしまう...?! しかし、この世界で出会った友や愛するヒロインたちとの幸せで平穏な生活を手に入れるためにどんな無理難題がやってこようと最強の力で無双する!主人公たちが平穏なハッピーエンドに辿り着くまでの壮大な物語。 異世界転生の王道を行く最強無双劇!!! ときにのんびり!そしてシリアス。楽しい異世界ライフのスタートだ!! 小説家になろう、カクヨム等、各種投稿サイトにて連載中。毎週金・土・日の18時ごろに最新話を投稿予定!!

知識スキルで異世界らいふ

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
他の異世界の神様のやらかしで死んだ俺は、その神様の紹介で別の異世界に転生する事になった。地球の神様からもらった知識スキルを駆使して、異世界ライフ

転生チート薬師は巻き込まれやすいのか? ~スローライフと時々騒動~ 

志位斗 茂家波
ファンタジー
異世界転生という話は聞いたことがあるが、まさかそのような事を実際に経験するとは思わなかった。 けれども、よくあるチートとかで暴れるような事よりも、自由にかつのんびりと適当に過ごしたい。 そう思っていたけれども、そうはいかないのが現実である。 ‥‥‥才能はあるのに、無駄遣いが多い、苦労人が増えやすいお話です。 「小説家になろう」でも公開中。興味があればそちらの方でもどうぞ。誤字は出来るだけ無いようにしたいですが、発見次第伝えていただければ幸いです。あと、案があればそれもある程度受け付けたいと思います。

【幸せスキル】は蜜の味 ハイハイしてたらレベルアップ

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕の名前はアーリー 不慮な事故で死んでしまった僕は転生することになりました 今度は幸せになってほしいという事でチートな能力を神様から授った まさかの転生という事でチートを駆使して暮らしていきたいと思います ーーーー 間違い召喚3巻発売記念として投稿いたします アーリーは間違い召喚と同じ時期に生まれた作品です 読んでいただけると嬉しいです 23話で一時終了となります

【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~

石のやっさん
ファンタジー
12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。 ありがとうございます 主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。 転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。 ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。 『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。 ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする 「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。

インターネットで異世界無双!?

kryuaga
ファンタジー
世界アムパトリに転生した青年、南宮虹夜(ミナミヤコウヤ)は女神様にいくつものチート能力を授かった。  その中で彼の目を一番引いたのは〈電脳網接続〉というギフトだ。これを駆使し彼は、ネット通販で日本の製品を仕入れそれを売って大儲けしたり、日本の企業に建物の設計依頼を出して異世界で技術無双をしたりと、やりたい放題の異世界ライフを送るのだった。  これは剣と魔法の異世界アムパトリが、コウヤがもたらした日本文化によって徐々に浸食を受けていく変革の物語です。

異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~

宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。 転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。 良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。 例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。 けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。 同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。 彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!? ※小説家になろう様にも掲載しています。

令和日本では五十代、異世界では十代、この二つの人生を生きていきます。

越路遼介
ファンタジー
篠永俊樹、五十四歳は三十年以上務めた消防士を早期退職し、日本一周の旅に出た。失敗の人生を振り返っていた彼は東尋坊で不思議な老爺と出会い、歳の離れた友人となる。老爺はその後に他界するも、俊樹に手紙を残してあった。老爺は言った。『儂はセイラシアという世界で魔王で、勇者に討たれたあと魔王の記憶を持ったまま日本に転生した』と。信じがたい思いを秘めつつ俊樹は手紙にあった通り、老爺の自宅物置の扉に合言葉と同時に開けると、そこには見たこともない大草原が広がっていた。

処理中です...