異世界遺跡巡り ~ロマンを求めて異世界冒険~

小狸日

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033露天風呂

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予定より少し遅れ、宿泊する広場に到着したが、俺達以外に誰も居ない。
街道は小川沿いに通っていて水には困らず、ダークウルフとの戦いで汗もかいたので

「エチゴさん、ここに風呂を作っても問題ありませんか?」
「風呂と言うのは、湯に浸かるという事ですか。」
「そうです。風呂と言っても、掘った穴に川の水を入れて温めるだけですが。」

風呂は一般的ではなく、入るのは貴族くらいだ。
エチゴさんも話を聞いているだけで、実際に入った事は無い。
エチゴさんの了解も得て風呂を作り上げると、先ずはエチゴさん達に入浴を勧める。
3人がお風呂に入っている間、見張りとして横で待機する。

「は~、風呂と言うのは気持ちの良い物ですね。」
「それは良かったです。それにしても、エチゴさんは商人なのに良い体をしていますね。」

俺は気持ち良さそうに湯に浸かるエチゴさんの体を見ていた。
腕も足も筋肉で太く胸板も厚い筋肉質な体だった。腹は出ているが、それが貫禄になり大人としての魅力を感じる。

「少々、腹が出てしまいましたが、鍛えていますので。
 商人とはいえ、私自身が街道を行き来するとなると自分の身は自分で守る必要がありますからね。
 それにしても、野営なのに贅沢です。」

エチゴさんは風呂に浸かって喜んでいた。
護衛のダリウスさんとアルさんも気持ち良さそうに入っているが、武器は直ぐ脇に置いてある。

「それにしても野外で、この様に魔法を使うとは面白いですね。」
「そうですか?」
「いつ魔獣に襲われるかも分らない為、基本的に魔力は温存しておきます。」
「魔力は余裕がある範囲で使用しているので問題有りません。
 先程はダークウルフにやられましたが、今も探索魔法を使っているので基本不意打ちは防げます。」
「先程のダークウルフを察知したのは素晴らしいですよ。普通なら初めの攻撃で数人は負傷しています」

確かに、あの隠密性では不意打ちを食らわされる可能性が高い。

「ところで、拓さんは冒険者のランクを上げないのですか。
 その実力なら十分にCランク、結果を出せばAランクも狙えそうですよ。」
「そうですかね。マイペースで頑張ってみます。」

Cランク以上は昇級試験が有る。
十分な収入は得られているので、試験なんて受けたくないのが本音だ。

「はっはっは、拓さんらしいですね。
 さて、そろそろ食事の準備をしますので、皆さんも入って下さい。
 先に使わせて頂いて、ありがとうございました。」

今回の護衛依頼では、エチゴさん側で食事の用意をする話になっている。
普通だと固いパン等の不味いが保存のきく食事となるが、エチゴさんが拡張バッグを持っているため野営でも普段と同じ食事を用意してくれている。
一応、俺達も十分な食料を持ってきているが、必要ないみたいだ。

風呂を出ようとしたエチゴさんが、俺の腕輪を見ている

「拓さん、腕輪は魔道具だったのですね。
 見た目はそうは見えませんが、かなりの性能みたいだ。」

俺が驚いて隠す様に腕を体の後ろに回したが

「失礼しました。私も驚いてつい口に出してしましました。
 我々が他言する様な真似は致しませんので安心してください。」

それ以上、腕輪について何も言わずに、戻って行った。

『安心せい、多分あの男なら大丈夫じゃろう。
 それに、拓の魔力で所有者の縛りをしておる。
 魔道具を使うどころか、腕から外す事も出来んじゃろう。』

グリムはそう言うが、見た目を誤魔化したと言うのに簡単にばれてしまうとは。
改めて俺と浩司の魔道具の見た目をカモフラージュすることにした。

野営時の見張りは浩司と俺が先に行い、その後ガラとレオ、ダリウスさんとアルさんが後を引き継ぐ。
俺の体力を考えてローテーションを組んでくれていた。

見張りの間、グリムとカメラについて聞いてみる。
元の世界では写真が趣味だったから、それだけだ。
当然の様に、浩司が後ろから抱きついている。

「グリムは画像を記録する魔道具を知ってる?」

『理論だけは知っておる。魔石に情報を記録する為の魔法陣はこんな感じじゃ。』

頭の中に魔法陣のイメージが送られてくる。

「何、拓ちゃんってこんなモノを魔石に書き込んでたのかよ。」

浩司にもイメージが伝わった様だ。

「いや、これは今までのより段違いで細かい。」

『そうじゃな、普通なら描けるものではない。 
 しかし、今の拓なら可能だと思っておる。これなら魔石に映像を記録できるぞ。
 画像情報は別の魔道具でガラスの板に映し出すんじゃ。』

モニターみたいなものか。努力する価値は十分にある。

「拓ちゃん、こんなの描けるのか?」
「正直、細か過ぎるけど趣味の為には妥協はしないよ。この世界での旅の記録を残したいからね。
 出来るところまでやってみようか。グリム、指導をお願いできるかな。」

『もちろんじゃ、儂も出来上がるのが楽しみじゃ。』

浩司の好意に甘え、今夜の見張り時間から魔法陣を描くことにした。
この世界で仲間との旅の記録を残そうと思う。
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