異世界遺跡巡り ~ロマンを求めて異世界冒険~

小狸日

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271ロダン侯爵領

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更に2ヶ月経ち、ロダン侯爵、モーゼスさん、ジークフリートさんも完治した。
直ぐに自分達の領地へと戻る事になり、護衛はOZが行う。
出掛ける前に、アークのメンバーにも拡張バッグを渡し、所有者の縛りの魔法をかけておく。
もちろん魔獣の骨と珍しい食材を入手してもらう事をお願いしてある。

ジャンケンに負けて俺と浩司がモーゼスさん、ジークフリートさんと先頭の馬車に乗り、残りの4人が後段のロダン侯爵と馬車に乗り警護を行う。
ヤマトはちゃっかりとレオと一緒に後段の馬車に乗り込んでいる。
モーゼスさん、ジークフリートさんの側に寄ると臭いので、申し訳ないが出来る限り馬車の後ろの方に座ってもらった。

ブルネリ公爵の屋敷に寄る様に言われていたので顔を出すと、

「一応、資金を出している以上、町の復興を確認する必要があるからな。セバスチャンの事を宜しく頼む。」

セバスチャンが同乗する事になった。
セバスチャンは先頭の馬車にモーゼスさん、ジークフリートさんが乗っているのを見ると、何も言わずに後段の馬車に乗り込んだ。


ロダン侯爵領は大半が森林が占める領地だ。
事前に聞いていた話では、陶器や木工品作りが盛んらしい。
この町で造られている食器の多くは貴族に使われるほど質が良い。
ブルネリ公爵の屋敷で使われている食器もこちらで作られた物だった。
しかし、この3年で木は切り取られ陶器を作る為の木材を用意するのも厳しくなっていた。

ロダン侯爵が戻ってくる事は事前に連絡を入れてあり、馬車の確認がされると領民が集まりパレードの様な状態になっていた。
モーゼスさんとジークフリートさんは凄い人気だ。
体を服で完全に密封し、手袋をはめ、顔だけが空気に露出している状態で領民に対して手を振っていた。
これなら、近寄らなければ臭いは大丈夫だ。
服の中はサウナの様な状態になっていると思われるが、にこやかな顔を維持している。
モーゼスさんは白馬に乗った王子といった外見なので、特に女性からの黄色い声援が凄い。
ちなみに、ジークフリートさんには、野太い声援が多かった。
領民の間を抜けて、馬車はロダン侯爵の古城へと進んで行く。

「凄い。こんな絵になる風景も中々無いよ。」

「確かに、ヨーロッパの城みたいだな。しかし、木が用意できないと言うわりには森に囲まれているんだな。」

浩司が不思議に思うほど、奇麗な景色だった。
俺達の前には森に囲まれた湖畔に佇む古城。白い壁に青い屋根。
絵葉書を見ている様な感じだ。

城内ではルーカスさんとクリームが俺達を迎えてくれた。
しかし、ルーカスさんがモーゼスさんとジークフリートさんに近付くと、

「もしかして、私もこの様な臭いをしていたのか。」

と自分の事を振り返り、ショックを受けているみたいだ。

直ぐに、領地の状況を確認する為の会議が始まったので、俺達は湖畔で寛がせてもらった。
ボートを借りて水遊びをしていると、ロダン侯爵がクリームを連れて領地を回ると言うので同行させてもらう事にした。

城から少し離れると、木が伐採された後が広がっている。
今は、植林が開始されているが、育つのは何十年後となるのだろう。
この木は、薪にすると強い火力を得られるので、燃料として最適らしい。
計画的に、植林と伐採を行っていたが、この3年間は無計画に大量の木が伐採されてしまったそうだ。
町では貧困層が増え、食べて行くのがやっとの人が多く居た。

「もう暫く我慢して欲しい。必ず以前の生活が出来るようにする。」

と、ロダン侯爵は領民1人1人に声をかけていた。
そして、産業の中心になっていた陶器作りは、陶器を焼く為の窯が全く使われていなかった。

「ロダン様、この様な状態になり本当に申し訳ありません。」

職人達がロダン侯爵に頭を下げて謝っている。
燃料となる木材をなんとかやりくりしていたが、ここ1年は新しい陶器を焼く事すら出来なくなっていた。
木工品は何とか製造されているが、領地を支える程の収入は得る事は出来ない。
ルーカスさん、ロダン侯爵が復活し、領民たちの期待は高いが、現実は厳しいとしか言えない。
ブルネリ公爵からの資金援助で木材の購入の検討を始めたが、木材が値上がり思う様に進んでいない。
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