異世界遺跡巡り ~ロマンを求めて異世界冒険~

小狸日

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381レッドタイガー

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俺達は、封鎖が解けてから少し日をずらしてマクニス王国を離れた。
裏街道に入り人気が無くなった所で、皆は自転車で馬車に並行して走り始めた。
俺はニックさんから、馬車の操作方法を教えてもらう事にした。
しっかり調教されている馬の為、俺でも運転できる。
止まっている時は、水や草をあげ、体をブラッシングすると俺に顔を擦りつけてくるのが可愛い。
穏やかな街道だったが、突然強力な魔獣の気配を感じた。

「強力な何かがこちらにやってきます。早過ぎる。
 安全な所に避難を。俺が足止めをします。」

そう言ってみたが、全員武器を構えて戦う気でいる。
ニックさんには、カイ、レム、ピース医師にトリス練成術師を乗せて退避してもらう。
馬車が逃げ出すのと同時に、魔獣が姿を現した。

「おいおい、何の冗談だよ。レッドタイガーが4体なんてあり得ねぇ。」

アルが魔獣を確認して驚いている。
こんな所でレッドタイガーが居ること自体あり得ないのに、4体も。
似た様な気配が固まって動いていた為、4体も居ると分からなかった。
レッドタイガーは、浩司と俺が初めて討伐した魔獣だ。
Bランクの火の魔法を使う魔獣で、通常なら1体でも50人程で退治する強さだ。

「OZ、アーク、クリームでそれぞれ1体づつ対応する。
 浩司と拓とで1体を頼む。」

ジークさんが全員に指示を出す。
俺は光と闇の2対の短剣を構えると、全員に強化の魔法を掛ける。

「先手必勝。ロックウォール」「ドラゴンライトニング」

俺が足元に土の壁を作ると、2体はひっかける事が出来た。
そこに、浩司が放った雷が襲うが避けられた。
直ぐに俺は罠に掛からなかった1体の前にシールドを何重にも展開し何とか止める事が出来た。
しかし、4体同時なんて、どう対応すれば良いんだ。

『焦るな。儂がサポートする。落ち着いて対応すれば勝てる。』

『大丈夫にゃ、吾輩も全力で戦うにゃ。』

素早く動き回る3体の攻撃を何とかシールドを張って皆を守るが、それが限度だった。
浩司の魔法も牽制にはなっているが、ダメージを与えられずにいた。
獣人であるレオとアルには強化魔法の効果が無いため、レッドタイガーのスピードについて行くのが厳しい。
レッドタイガーも2人に対し多くの攻撃を仕掛けている。

「拓ちゃん、俺達を捨てろ。俺達を捨てて攻撃に専念しろ。」

「大丈夫だ。俺達獣人は頑丈に出来ているんだ。簡単にはくたばらねぇ。」

一瞬、俺が悩んだ隙をついて、レッドタイガーの攻撃がアルを襲い、吹っ飛ばされた。
レオがウォーターカッターで攻撃を仕掛けるが、簡単に避けられてしまう。
完全にスピードが足らない。
他の皆は、レッドタイガーの体を覆う炎に手を焼いている。

「拓と浩司はその1体に集中しろ。その間は俺達だけで押さえてみせる。」

「Aランクの冒険者の底力をみせるぞ。」

ジークさんとロウガさんの声に、他のメンバーが応え後先考えていないような全力攻撃が始まった。
ならば、俺は、この1体に集中する。
完全に攻撃をシールドで防ぎ、行動範囲を制限していく。
浩司に攻撃を仕掛けて来た所を、シールドで防ぎ、ダークマインドで捉える。
1体だけなら、完全に抑え付けられる。

「浩司、今だ。」

「任せろ、ドラゴンライトニング。」

俺が抑えつけ、浩司が攻撃で倒す。先ずは1体。
浩司が放てる魔力も限界に近いか。
そのままOZ、アークに加わり、浩司のドラゴンライトニングで更に2体に止めを刺した。
しかし、俺と浩司は既に魔力の使い過ぎだ。
ダークマインドで抑えつけようとしても、魔力が足らずに簡単に振りほどかれてしまう。

「拓と浩司は離れろ。最後の1体は俺達に任せろ。」

ジークさんはそう言うと、皆に指示を出しながら攻撃を仕掛けていく。
ヤマトもメンバーの気配を隠し相手を翻弄しているが、決定打に欠けている。

「ジェニファー、準備は良いか。」

ジークさんの掛け声に、ジェニファーさんが袋を持ち上げると、皆の攻撃で動きが鈍っているレッドタイガーに袋を投げた。

「ロビン、打て。全員、離れてシールドで囲め。」

ロビンさんが袋にフレイムアローを放つのと同時に、光魔法が使えるメンバー全員でレッドタイガーの周囲にシールドを展開する。
俺も最後の力を振りしぼりシールドを張った。
シールドの中で高温の炎が荒れ狂っている。
何とかシールドを張り続け炎が治まると、まだ生きているレッドタイガーの姿が有った。
周囲の炎から自分の炎で身を守ったのだろう。しかし、ジークさんが駆け寄り最後の1体に止めを刺した。
それを確認すると俺はその場に崩れ、意識を失った。
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