異世界遺跡巡り ~ロマンを求めて異世界冒険~

小狸日

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昼からの開店にも関わらず、朝早くから並んでいたお客が店内に雪崩れ込んで直ぐに席が埋まってしまった。
ニックさんだけでなく、パウロさんやヨーゼフさん、ティムさんまで店の手伝いに入ってくれている。
皆、自分の店の準備も有るのに、時間を作って来てくれた。

OZやアーク、クリームは外で待っているお客の整理。
サリナ姫やヨハン王子も変装し、待っているお客にメニュー表を見せたり注文をとったりして手伝ってくれる。
侍女のクリスティーナさんもウェイトレスとして手伝ってくれているのだが、その有能ぶりに他の従業員にこのまま働いて欲しいとお願いされる程だった。


******(ジャン料理長)

カレー料理には自信が有ったけど、こんなにお客が来るとは思わなかった。
ニックさんに言われた通り、初めの2週間は3種類のメニューと飲み物、そして数量限定の果物のシャーベットだけにしたが
これだけでも、大変な状態だ。

「Aセット5つ、Bセット3つ、Cセット6つ追加で。
 デザート2つ出ます。」

絶え間なく、追加の注文が入ってくる。
調理場は戦場だ。

「ジャン、どれだけ宣伝すればこうなるのよ。」
「OZ、アークやクリームの人達も冒険者に話してくれていたみたいだしな。
 大工の人達への食事のサービスも良かったのかもしれない。知り合いに宣伝してくれると言っていたし。」
「それも有るかも知れないけど、どう見ても貴族の方やも来ているみたいなんだけど。」

そう言われて、店内や外で並んでいる人達を覗いてみると、貴族や商人の方々らしき姿が多く見える。

「お陰で、思った以上に、デザートの売れ行きも良いわよ。」

ルミナスの言われて確認するとデザートの注文が思った以上に多い。
料金を高めに設定しているにも関わらず、もう半分は無くなっている。

「理由は分からないが、とにかく この場を乗り切る事だけ考えよう。」

ひたすら作り続けて、終わりが見えたかと思ったら店を閉める時間だった。


「ジャン、私死ぬわ。料理を作りながら死んでしまうわ。」

ルミナスがテーブルにうつ伏せている。
俺もさすがに疲れた。他の従業員も動けずに座っていた。

「皆さん、今日はお疲れ様でした。
 簡単な食事を用意したので食べてください。」

OZの皆さんがサンドイッチを配ってくれ、明日に疲れが残らない様にと拓殿がマッサージをしてくれている。
前に受けた事の有る魔力同調を使ったマッサージだ。
おかげで、従業員の皆も元気を取り戻し、明日の準備に取り掛かってくれる。

そして、ここまで多くの客が来てくれた理由が分かった。

「事前にカレーとデザートの事を宣伝させてもらいましたよ。
 夏に冷たいシャーベットを食べれる機会なんてなかなか有りませんからね。」
「ヨーゼフさんもですか。私も知り合いの貴族の方や商人に宣伝させてもらいました。
 わざわざ、町まで来てくれた方も居ますね。」
「皆さん、同じですか。特に貴族の方々は、この手の情報を欲しがっていますから。
 しかし、デザートが売り切れるとは思いませんでした。」

ヨーゼフさん、パウロさん、ティムさんが手伝いをしてくれながら楽しそうに話していた。
この商人3人の宣伝のおかげで貴族や商人の方々が足を運んでくれたみたいだ。
大きな店を扱っている商人だけあって顔が広い・・・広過ぎる。

2週間は手伝いが入るが、後は自分達だけで店を切り盛りして行く事になる。
今の内に、効率よく動けるように改善をしていかないと。
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