異世界遺跡巡り ~ロマンを求めて異世界冒険~

小狸日

文字の大きさ
657 / 761

657国王

しおりを挟む
隙をついて、兵士達も攻撃をするが、皮膚が硬く剣が通っていない。
目を狙っているが、傷付ける事も出来ていない。

「行くぞ。」
「任せろ。」

俺達は気配を消して、ハイオーガに向かって行った。
ハイオーガが兵士達を殴り飛ばし、叫び声を上げたその口に

「くたばれ。」

浩司が火の魔法陣を描いたコアを詰め込んだ袋を押し込み、そのまま火の魔法を放った。
火の魔法はコアに伝わり爆発を起こし、ハイオーガの口から火柱が上る。
俺は浩司にしがみ付き、体の周りにシールドを張って火柱を防いだが、威力が強くて吹き飛ばされてしまった。

「痛ててて。」
「拓ちゃん大丈夫か。」
「大丈夫。身の周りにしかシールドが張れないないのはキツイな。ヤマトは。」
『吾輩も大丈夫にゃ。』

ヤマトには悪いが、そのまま姿を消していて貰った。
ハイオーガの方を見ると、未だ立ちあがろうとしている。

「終わりだ。」

そこにバラン将軍がハイオーガの口に剣を突き立て、止めを刺した。
俺はバラキエ侯爵の切り落とされた腕を切り口に付けポーションを掛けてみたが繋がることはなかった。

「俺の事はいい。倒れた兵士達の手当てをしてやるんだな。」

バラキエ侯爵にポーションを1瓶渡し、切られた腕はアイテムボックスにしまった。
何故、そこまでして戦ったのかは分からないが、サリナ姫達を守ろうとしたのは事実で、放置することは出来ない。


歓声を上げる兵士の声に、サリナ姫達が部屋から出て来た。

「バラン将軍、助けに来てくれたのですね。」

サリナ姫がバラン将軍に声を掛け、そして怪我を負った兵士にポーションを渡している俺達を見ると

「・・・ありがとう。」

気持ちは分かるが、露骨にテンションを下げなくても良いのではないだろうか。
直ぐに小声で話しかけてくる

「拓ちゃんと浩司さんよね。何でそんな姿なのよ。」

城に忍び込んでから、俺達は剣君と斧ちゃんの着ぐるみを着ている。

「いや、王族や、他の貴族が居るのに、顔なんて出したくないでしょ。」
「だからって、その姿でなくても良いでしょ。何で浩司さんまで。」
「拓ちゃんがこれが良いって言うから。」
「浩司さんは拓ちゃんに毒され過ぎよ。」
「毒されているって・・・この服は、防御力も高くて安全なんですよ。」

実際に浩司の着ぐるみの腕は先程の炎で黒焦げに成り、そのままだったら大火傷をしていただろう。

「ヤマトも一緒に居るの?」

気配を消しているヤマトが小さく「にゃ~」と声を出す。
俺達がコソコソと話していると後ろから声を掛けられた。

「サリナ、その者達は何者だ。」

サリナ姫を敬称なしで呼び、その豪華な姿から推測するに国王だろう。
とりあえず、着ぐるみ姿のまま頭を下げると

「国王の前で、その格好は何だ。無礼にも程が有る。」

貴族らしき男が俺を突き飛ばそうとしたが、浩司がその腕を掴んで床に抑えつける。

「その手を、離してやってくれないか。」

国王に言われて浩司が手を離し貴族を下がらせたので、ヨハン王子から預かったペンダントを国王に渡した。
グランザム王家の紋章を確認した国王に対し話をさせてもらう。

「この姿のままで失礼します。
 バラン将軍に助力する為に行動を共にさせてもらっています。」

「お陰で助かった。しかし、ここから脱出する算段はあるのか。」

その問いにはバラン将軍が答える。

「ここに居ても、後が有りません。
 地下の脱出ルートを使ってはどうでしょう。
 地下まで行ければ、後は迷路になっているので、追ってを巻く事が出来るかと。」

但し、地下までは力づくで行くしかない。

「お待ちください。ここには秘薬を飲んだ兵士がいます。
 今、彼を動かす事が出来ません。」

サリナ姫が指さす方には気を失って横になっている兵士の姿があった。
直ぐに、その兵士の様子を確認してみると、既に痛みは治まったみたいだが動かせる状態では無かった。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

称号チートで異世界ハッピーライフ!~お願いしたスキルよりも女神様からもらった称号がチートすぎて無双状態です~

しらかめこう
ファンタジー
「これ、スキルよりも称号の方がチートじゃね?」 病により急死した主人公、突然現れた女神によって異世界へと転生することに?! 女神から様々なスキルを授かったが、それよりも想像以上の効果があったチート称号によって超ハイスピードで強くなっていく。 そして気づいた時にはすでに世界最強になっていた!? そんな主人公の新しい人生が平穏であるはずもなく、行く先々で様々な面倒ごとに巻き込まれてしまう...?! しかし、この世界で出会った友や愛するヒロインたちとの幸せで平穏な生活を手に入れるためにどんな無理難題がやってこようと最強の力で無双する!主人公たちが平穏なハッピーエンドに辿り着くまでの壮大な物語。 異世界転生の王道を行く最強無双劇!!! ときにのんびり!そしてシリアス。楽しい異世界ライフのスタートだ!! 小説家になろう、カクヨム等、各種投稿サイトにて連載中。毎週金・土・日の18時ごろに最新話を投稿予定!!

知識スキルで異世界らいふ

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
他の異世界の神様のやらかしで死んだ俺は、その神様の紹介で別の異世界に転生する事になった。地球の神様からもらった知識スキルを駆使して、異世界ライフ

転生チート薬師は巻き込まれやすいのか? ~スローライフと時々騒動~ 

志位斗 茂家波
ファンタジー
異世界転生という話は聞いたことがあるが、まさかそのような事を実際に経験するとは思わなかった。 けれども、よくあるチートとかで暴れるような事よりも、自由にかつのんびりと適当に過ごしたい。 そう思っていたけれども、そうはいかないのが現実である。 ‥‥‥才能はあるのに、無駄遣いが多い、苦労人が増えやすいお話です。 「小説家になろう」でも公開中。興味があればそちらの方でもどうぞ。誤字は出来るだけ無いようにしたいですが、発見次第伝えていただければ幸いです。あと、案があればそれもある程度受け付けたいと思います。

【幸せスキル】は蜜の味 ハイハイしてたらレベルアップ

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕の名前はアーリー 不慮な事故で死んでしまった僕は転生することになりました 今度は幸せになってほしいという事でチートな能力を神様から授った まさかの転生という事でチートを駆使して暮らしていきたいと思います ーーーー 間違い召喚3巻発売記念として投稿いたします アーリーは間違い召喚と同じ時期に生まれた作品です 読んでいただけると嬉しいです 23話で一時終了となります

【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~

石のやっさん
ファンタジー
12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。 ありがとうございます 主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。 転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。 ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。 『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。 ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする 「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。

インターネットで異世界無双!?

kryuaga
ファンタジー
世界アムパトリに転生した青年、南宮虹夜(ミナミヤコウヤ)は女神様にいくつものチート能力を授かった。  その中で彼の目を一番引いたのは〈電脳網接続〉というギフトだ。これを駆使し彼は、ネット通販で日本の製品を仕入れそれを売って大儲けしたり、日本の企業に建物の設計依頼を出して異世界で技術無双をしたりと、やりたい放題の異世界ライフを送るのだった。  これは剣と魔法の異世界アムパトリが、コウヤがもたらした日本文化によって徐々に浸食を受けていく変革の物語です。

異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~

宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。 転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。 良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。 例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。 けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。 同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。 彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!? ※小説家になろう様にも掲載しています。

令和日本では五十代、異世界では十代、この二つの人生を生きていきます。

越路遼介
ファンタジー
篠永俊樹、五十四歳は三十年以上務めた消防士を早期退職し、日本一周の旅に出た。失敗の人生を振り返っていた彼は東尋坊で不思議な老爺と出会い、歳の離れた友人となる。老爺はその後に他界するも、俊樹に手紙を残してあった。老爺は言った。『儂はセイラシアという世界で魔王で、勇者に討たれたあと魔王の記憶を持ったまま日本に転生した』と。信じがたい思いを秘めつつ俊樹は手紙にあった通り、老爺の自宅物置の扉に合言葉と同時に開けると、そこには見たこともない大草原が広がっていた。

処理中です...