688 / 761
688監視
しおりを挟む
俺達がラグテルの町に着いた時は、町の外に大量のテントが設置され
ニックさん達が炊き出しを行うので今日は休むように言われて家に戻ってきた。
サリナ姫やヨハン王子達も一緒で、地下の部屋や地下庭園にテントを張って泊っている。
ピース医師夫婦、トリス錬霊術師夫婦、ポトリ教授が俺達を迎えてくれ
ジレット王国での話と、天地見聞録の話しをさせてもらった。
「ギリス教にその様な歴史が有ったとは。
しかし、これで目的地がハッキリしましたね。」
ポトリ教授が地図で正確な場所を確認すると、完全に街道から外れた湖だった。
「しかし、場所が悪いですね。
ここには巨大な湖が有り、周囲の山からの風を妨げる物が何も無く
冬場は雪を吹き上げホワイトアウト状態になるかと思います。」
今後の行動をどうするか、ポトリ教授が皆に視線を移す。
「拓、浩司、どうする。俺達だけで目的地に向かうか。」
ガラが俺達に問いかける。
「いや、春になってから向かいましょう。
流石に何を探せばいいのか分からいないのに、視界を潰されたら動きようがない。
それに、戦いの連続で手持ちを殆ど使い切ったので、その間に準備もしておきたい。」
もし、ナターシャ達が待ち構えているのなら、今の状態で行くのは危険だ。
そしてオリバー隊長の話しでは、その時はマクニス王国の騎士団も同行する事になりそうだ。
村の開拓についてはサリナ姫から事前に手紙が送られていたが、直接話をする必要が有ると考えていた。
しかし、サリナ姫がマクニス王国へ行く必要もなく許可が下りた。但し、貴族の監視が付く事になったのだが・・・
「サリナ様、お久しぶりです。微力ながら村の開拓の手伝いをさせて頂きます。」
監視はシュミト公爵だった。
ブルネリ公爵と派閥が違い、サリナ姫の行動を問題視し、力の有るシュミト公爵が手を上げた為、他の貴族達も文句を付けられなかったそうだ。
そしてヨハン王子からの手紙が最後の駄目押しになり、早い許可が出たらしい。
早速、ニックさんの所で村の開拓について話し合いがもたれたのだが
OZ、アーク、クリームのメンバーも呼ばれていた。
皆には、前回の内乱で王族を救出する際、シュミト公爵に顔を知られた事は話して有る。
「拓殿、浩司殿、あの時以来だな。
こうして、話が出来るのを嬉しく思う。
しかし、本当に国を滅ぼそうとするとは思わなかったぞ。」
笑うシュミト公爵に、意味が分からない俺達。
そして、初めてジレット王国とギリス教の神殿の状態を知った。
オリバー隊長もニックさんもあえて、話をしないでいてくれたみたいだ。
『まさか、自国の兵士がアンデットとなって向かって来るとは思わなかったじゃろう。
奴等が神を信仰しているなら、拓と浩司は悪魔じゃな。』
『これで毒男の2つ名は拓のものにゃ。』
グリムとヤマトの台詞は置いておいて、1つだけ確認したい事が有った。
「何故、シュミト公爵が開拓の手伝いをする事にしたのです。
まさか、内乱の時の恩を返す為では無いですよね。」
先程まで笑っていたシュミト公爵の顔が真顔になる。
「確かに、それだけの理由ではここには来なかっただろう。
ラグテルの町は、私の理想の姿なんだ。
これだけの規模の町で、領主の命令も無く人と獣人が普通に接している。
下らない貴族の争いで、壊させないために私が手を上げた。」
要らぬ心配をしていたみたいだ。
「それから、爵位は息子に譲る予定だ。
少し先の話になるがラグテルの町に住む事になるので宜しくな。」
話を伺うと、目と鼻の先に建てられているのがシュミト公爵の屋敷らしい。
今は、ラグテルの町の宿に泊っている。
「私からも確認させてもらいたい事が有る。
この村の開拓資金の出所は、拓殿と浩司殿と考えて良いのか。」
シュミト公爵が真っ直ぐに俺と浩司を見る。
「そうです。そして、皆にお願いして力を貸してもらっています。」
「サリナ姫、ヨハン王子、ブルネリ公爵に、有力な商人・・・十分過ぎる人脈だ。
事前に聞いていた要望に対し、ニック殿と先に代案を作っておいた。
これをベースにして、話を進めさせてくれ。
それから、拓殿と浩司殿が開拓責任者にならないなら、
今回の出資金に対する返済方法も決める必要が有る。」
シュミト公爵とニックさんが提案は、ラグテルの町から2日ほど歩いた所に村を作る内様だった。
水源として川が有り、森が開けた場所で農耕地としては十分な場所だった。
500人以上の住人を受け入れるだけの広さも有る。
また、冒険者が活動するのに、宿泊地としても丁度良い。
ただ、資材がマクニス王国での値上がりもあり、俺の方から追加で出資する必要が有った。
お陰で、貯めていた金が一気に無くなってしまった。
出資金の返済は5年後からとし、それなりに上乗せした金額が戻って来る。
家を建てる為の木材や石材の手配は、パウロさん、ヨーゼフさん、ティムさんの方で動いてくれている。
そして、材料の輸送についてはヨギ魔道師が手伝ってくれていた。
材料さえ揃えば、大工が簡単な家の作り方を指示してくれる。
この短期間で、基本的な部分は全て押さえて有った。
ニックさん達が炊き出しを行うので今日は休むように言われて家に戻ってきた。
サリナ姫やヨハン王子達も一緒で、地下の部屋や地下庭園にテントを張って泊っている。
ピース医師夫婦、トリス錬霊術師夫婦、ポトリ教授が俺達を迎えてくれ
ジレット王国での話と、天地見聞録の話しをさせてもらった。
「ギリス教にその様な歴史が有ったとは。
しかし、これで目的地がハッキリしましたね。」
ポトリ教授が地図で正確な場所を確認すると、完全に街道から外れた湖だった。
「しかし、場所が悪いですね。
ここには巨大な湖が有り、周囲の山からの風を妨げる物が何も無く
冬場は雪を吹き上げホワイトアウト状態になるかと思います。」
今後の行動をどうするか、ポトリ教授が皆に視線を移す。
「拓、浩司、どうする。俺達だけで目的地に向かうか。」
ガラが俺達に問いかける。
「いや、春になってから向かいましょう。
流石に何を探せばいいのか分からいないのに、視界を潰されたら動きようがない。
それに、戦いの連続で手持ちを殆ど使い切ったので、その間に準備もしておきたい。」
もし、ナターシャ達が待ち構えているのなら、今の状態で行くのは危険だ。
そしてオリバー隊長の話しでは、その時はマクニス王国の騎士団も同行する事になりそうだ。
村の開拓についてはサリナ姫から事前に手紙が送られていたが、直接話をする必要が有ると考えていた。
しかし、サリナ姫がマクニス王国へ行く必要もなく許可が下りた。但し、貴族の監視が付く事になったのだが・・・
「サリナ様、お久しぶりです。微力ながら村の開拓の手伝いをさせて頂きます。」
監視はシュミト公爵だった。
ブルネリ公爵と派閥が違い、サリナ姫の行動を問題視し、力の有るシュミト公爵が手を上げた為、他の貴族達も文句を付けられなかったそうだ。
そしてヨハン王子からの手紙が最後の駄目押しになり、早い許可が出たらしい。
早速、ニックさんの所で村の開拓について話し合いがもたれたのだが
OZ、アーク、クリームのメンバーも呼ばれていた。
皆には、前回の内乱で王族を救出する際、シュミト公爵に顔を知られた事は話して有る。
「拓殿、浩司殿、あの時以来だな。
こうして、話が出来るのを嬉しく思う。
しかし、本当に国を滅ぼそうとするとは思わなかったぞ。」
笑うシュミト公爵に、意味が分からない俺達。
そして、初めてジレット王国とギリス教の神殿の状態を知った。
オリバー隊長もニックさんもあえて、話をしないでいてくれたみたいだ。
『まさか、自国の兵士がアンデットとなって向かって来るとは思わなかったじゃろう。
奴等が神を信仰しているなら、拓と浩司は悪魔じゃな。』
『これで毒男の2つ名は拓のものにゃ。』
グリムとヤマトの台詞は置いておいて、1つだけ確認したい事が有った。
「何故、シュミト公爵が開拓の手伝いをする事にしたのです。
まさか、内乱の時の恩を返す為では無いですよね。」
先程まで笑っていたシュミト公爵の顔が真顔になる。
「確かに、それだけの理由ではここには来なかっただろう。
ラグテルの町は、私の理想の姿なんだ。
これだけの規模の町で、領主の命令も無く人と獣人が普通に接している。
下らない貴族の争いで、壊させないために私が手を上げた。」
要らぬ心配をしていたみたいだ。
「それから、爵位は息子に譲る予定だ。
少し先の話になるがラグテルの町に住む事になるので宜しくな。」
話を伺うと、目と鼻の先に建てられているのがシュミト公爵の屋敷らしい。
今は、ラグテルの町の宿に泊っている。
「私からも確認させてもらいたい事が有る。
この村の開拓資金の出所は、拓殿と浩司殿と考えて良いのか。」
シュミト公爵が真っ直ぐに俺と浩司を見る。
「そうです。そして、皆にお願いして力を貸してもらっています。」
「サリナ姫、ヨハン王子、ブルネリ公爵に、有力な商人・・・十分過ぎる人脈だ。
事前に聞いていた要望に対し、ニック殿と先に代案を作っておいた。
これをベースにして、話を進めさせてくれ。
それから、拓殿と浩司殿が開拓責任者にならないなら、
今回の出資金に対する返済方法も決める必要が有る。」
シュミト公爵とニックさんが提案は、ラグテルの町から2日ほど歩いた所に村を作る内様だった。
水源として川が有り、森が開けた場所で農耕地としては十分な場所だった。
500人以上の住人を受け入れるだけの広さも有る。
また、冒険者が活動するのに、宿泊地としても丁度良い。
ただ、資材がマクニス王国での値上がりもあり、俺の方から追加で出資する必要が有った。
お陰で、貯めていた金が一気に無くなってしまった。
出資金の返済は5年後からとし、それなりに上乗せした金額が戻って来る。
家を建てる為の木材や石材の手配は、パウロさん、ヨーゼフさん、ティムさんの方で動いてくれている。
そして、材料の輸送についてはヨギ魔道師が手伝ってくれていた。
材料さえ揃えば、大工が簡単な家の作り方を指示してくれる。
この短期間で、基本的な部分は全て押さえて有った。
61
あなたにおすすめの小説
称号チートで異世界ハッピーライフ!~お願いしたスキルよりも女神様からもらった称号がチートすぎて無双状態です~
しらかめこう
ファンタジー
「これ、スキルよりも称号の方がチートじゃね?」
病により急死した主人公、突然現れた女神によって異世界へと転生することに?!
女神から様々なスキルを授かったが、それよりも想像以上の効果があったチート称号によって超ハイスピードで強くなっていく。
そして気づいた時にはすでに世界最強になっていた!?
そんな主人公の新しい人生が平穏であるはずもなく、行く先々で様々な面倒ごとに巻き込まれてしまう...?!
しかし、この世界で出会った友や愛するヒロインたちとの幸せで平穏な生活を手に入れるためにどんな無理難題がやってこようと最強の力で無双する!主人公たちが平穏なハッピーエンドに辿り着くまでの壮大な物語。
異世界転生の王道を行く最強無双劇!!!
ときにのんびり!そしてシリアス。楽しい異世界ライフのスタートだ!!
小説家になろう、カクヨム等、各種投稿サイトにて連載中。毎週金・土・日の18時ごろに最新話を投稿予定!!
知識スキルで異世界らいふ
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
他の異世界の神様のやらかしで死んだ俺は、その神様の紹介で別の異世界に転生する事になった。地球の神様からもらった知識スキルを駆使して、異世界ライフ
転生チート薬師は巻き込まれやすいのか? ~スローライフと時々騒動~
志位斗 茂家波
ファンタジー
異世界転生という話は聞いたことがあるが、まさかそのような事を実際に経験するとは思わなかった。
けれども、よくあるチートとかで暴れるような事よりも、自由にかつのんびりと適当に過ごしたい。
そう思っていたけれども、そうはいかないのが現実である。
‥‥‥才能はあるのに、無駄遣いが多い、苦労人が増えやすいお話です。
「小説家になろう」でも公開中。興味があればそちらの方でもどうぞ。誤字は出来るだけ無いようにしたいですが、発見次第伝えていただければ幸いです。あと、案があればそれもある程度受け付けたいと思います。
【幸せスキル】は蜜の味 ハイハイしてたらレベルアップ
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕の名前はアーリー
不慮な事故で死んでしまった僕は転生することになりました
今度は幸せになってほしいという事でチートな能力を神様から授った
まさかの転生という事でチートを駆使して暮らしていきたいと思います
ーーーー
間違い召喚3巻発売記念として投稿いたします
アーリーは間違い召喚と同じ時期に生まれた作品です
読んでいただけると嬉しいです
23話で一時終了となります
【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~
石のやっさん
ファンタジー
12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。
ありがとうございます
主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。
転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。
ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。
『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。
ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする
「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。
インターネットで異世界無双!?
kryuaga
ファンタジー
世界アムパトリに転生した青年、南宮虹夜(ミナミヤコウヤ)は女神様にいくつものチート能力を授かった。
その中で彼の目を一番引いたのは〈電脳網接続〉というギフトだ。これを駆使し彼は、ネット通販で日本の製品を仕入れそれを売って大儲けしたり、日本の企業に建物の設計依頼を出して異世界で技術無双をしたりと、やりたい放題の異世界ライフを送るのだった。
これは剣と魔法の異世界アムパトリが、コウヤがもたらした日本文化によって徐々に浸食を受けていく変革の物語です。
異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~
宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。
転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。
良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。
例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。
けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。
同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。
彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!?
※小説家になろう様にも掲載しています。
令和日本では五十代、異世界では十代、この二つの人生を生きていきます。
越路遼介
ファンタジー
篠永俊樹、五十四歳は三十年以上務めた消防士を早期退職し、日本一周の旅に出た。失敗の人生を振り返っていた彼は東尋坊で不思議な老爺と出会い、歳の離れた友人となる。老爺はその後に他界するも、俊樹に手紙を残してあった。老爺は言った。『儂はセイラシアという世界で魔王で、勇者に討たれたあと魔王の記憶を持ったまま日本に転生した』と。信じがたい思いを秘めつつ俊樹は手紙にあった通り、老爺の自宅物置の扉に合言葉と同時に開けると、そこには見たこともない大草原が広がっていた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる