異世界遺跡巡り ~ロマンを求めて異世界冒険~

小狸日

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689壁

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次の日、全員で場所の下見に向かう事にし、
アーク、クリーム、OZがいるので、シュミト公爵も護衛なしで同行する事になった。
久しぶりにカイもアークのメンバーとして一緒だ。

「安全のため、森に接する所に壁を作っておきましょうか。」

ロックウォールの大連発。
それを見たシュミト公爵は唖然としてしまった。

「王国での一件で、宮廷魔道師を越えているとは思っていたが
 これは、あの大魔道師グリムすら凌駕するんじゃないか。」

やっとシュミト公爵の口から出てきた言葉に、

『その大魔導士たる儂の指導の賜物じゃ。
 拓、この儂の指導を受けたんじゃ。もっと壁を作り続けられるじゃろう。
 どうせなら、村の外枠を作り上げるんじゃ。』

自分を越えると言われグリムは少し頭に来たみたいで、その捌け口が俺に向かって来た。

「村の外枠が出来上がるまでテントを張るか。」

浩司がグリムの提案に乗ってしまった為、
テントを張る場所の確保が、村全体の壁作りを行う事になってしまった。
浩司に魔力を蓄えるガリウム鉱石で出来た腕輪を使って供給してもらい、俺はへトヘトになりながらも壁を作り続けた。

村の壁を作る位置を示す為、シュミト公爵が風魔法で地面に線を引いているのだが
どう見ても、当初計画していた村の規模より巨大になっている。

「拓さんなら、この広さくらい問題ないですよ。」

カイが俺をキラキラした目で見るので、
文句の一つも言わず頑張ったと自分を褒めてやりたかった。



その間、皆は周辺の魔獣退治や、開拓する村の図面の描き直し
土魔法の使えるフェリックスさんは畑にする場所の土地を耕していた。
シュミト公爵なら大丈夫だろうと、アルまでが土魔法を使いだし
それを見たシュミト公爵は驚きを越えて笑い出してしまった。

後は家を建てれば十分に村になる状態まで作りあげた。



サリナ姫とシュミト公爵、ニックさんが誘導して、獣人達が自分達のテントと食料を持って移動を開始した。

「お母さん、僕達大丈夫なの。」
「大丈夫よ。これから皆で村を作るのよ。頑張ろうね。」
「うん、僕、いっぱい働くね。」

皆が、期待と不安で一杯だ。
歩いていると、徐々に見えてくる長く続く岩の壁。

「シュミト公爵、もしかしてあの壁は。」

諦めた感じで、ニックさんが訪ねると

「いや、私も驚いた。彼等と居ると、常識が完全に破壊されるな。
 春までに簡単な柵を作ればいいと思っていたんだが、誰も見た事の無い町作りが始まるぞ。」

村の開拓ではなく町作りと言うシュミト公爵に、ニックさんが溜息を吐いていた。

「ニック殿、何か有れば私が表に出るので安心して欲しい。
 こんな愉快な事は、普通では巡り合えない。
 さぁ、サリナ姫。皆に景気の良い声を掛けて頂けないでしょうか。」

シュミト公爵に促され、サリナ姫が立ち上がり獣人達に話しかける。

「皆さん、あの壁の中が私達の目的地です。
 これから開拓が始まります。大変ですが頑張りましょう。」

サリナ姫が話すと、獣人達の中から歓声が上がった。
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