異世界遺跡巡り ~ロマンを求めて異世界冒険~

小狸日

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744アース

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最上階に踏み入れた途端、雷が俺達を襲った。
直ぐに俺がシールドで防いだが、恐ろしい程の強さだ。

部屋はドーム状になっていて、中央には湖の底で見た巨大な黒い四角い物体が設置されていた。
黒い物体は脈打つように動き、まるで生きている様にも見える。
その前にはアブラムとナターシャ・・・いや、ムーサーが立っていた。

「あのガラスを破るとはね。まさか、グリムの魂の分体が有ったとは考えもしなかったよ。
 少々、君には知識を与え過ぎたみたいだ。」

俺と浩司が2人に対して攻撃を仕掛けたが、シールドで防がれてしまう。

「アブラム。ここが全てが始まりし場所だとしたら、勇者様達は何処にいる。」

今まで黙っていた、リッチ・・・アスクが叫ぶ。

「目の前に居るじゃないか。これが勇者、聖女、魔人だよ。
 正確には古代文明時代の優秀な知識の塊と言えば良いのかな。」
「・・・」
「ガイヤの門が開いた時、古代人は自分達の知識や技術を守るために優秀な学者や技術者の魂をこのアースと呼ばれる疑似生命体に取り込んだ。
 そしてノアと呼ばれるこの球体に乗せて空へと打ち上げた。
 勇者、天使、魔人は滅びそうにな人類を救うため、その中の魂を肉体に宿らせ地上で活動させるべき作られた存在。
 今はここにある魂の一部だ。」
「勇者様、聖女様、魔人様・・・」
「話しかけても無駄だよ。今、このアースは私が支配している。
 ここに取り込まれた魂が表に出て来ることはない。
 しかし、勇者達もお前達も簡単に騙されるのだな。余りにも簡単過ぎて笑うのを堪えるのが大変だったぞ。」
「どういう意味だ。」

アブラムとムーサーは人間が安全に暮らせるようになると、人々に言霊を使い勇者に対する反感を煽っていた。
そして、勇者を崇めていた神官に対しては魔道具を使用させ神殿ごと滅亡させるように仕向けていた。
結果としてアスクはリッチに神官達はアンデットになったのだが、神殿に閉じ込める事が出来た。

居場所を無くした勇者達はこの世界を離れ、全てが始まりし場所へ戻るしか無くなった。
アブラムとムーサーは、ついにここへ来てアースを乗っ取り古代の知識、技術の一部を得た。
古代の知識、技術は各々の魂に記録されているため、アースを乗っ取ても全てを引き出すことは出来なかった。

「何故そんな事を。勇者様達は我々の為に動いてくれていたんだぞ。」
「我々?そう、人間だけでなく実験生物なんかの為にもな。
 アスクも聖女が魔法を教えるまでの世界を忘れたわけではないだろう。何故、実験生物まで助ける。」
「この世界をどうするつもりだ。」
「人間だけの王国を作る。その為の方法を私は手に入れた。」
「何をするつもりだ。」
「ガイヤの門を再び開く。人間は更なる進化を遂げ、新たなる時代が開かれる。
 わざわざここまで来たのだ。特等席で世界が変わるのを見ているが良い。」

アブラムの話が終わると共に、俺と浩司は魔法で攻撃を行ったが、いつの間にか見えない壁で囲まれていた。
そして、俺達の攻撃は跳ね返され、グリムがシールドを張らなければ全員が倒れていた。
直ぐにガラやレオ、アルが武器で攻撃を仕掛けたが、壁にヒビを入れることも出来ない。
アブラムはアースと呼んでいた黒い物体に背をもたらせると、その体はアースに沈むようにして取り込まれた。

「拓。儂が壁を壊す。全員をシールドで囲め。」

グリムが四角い物体を取り付け攻撃を加えたが、壁は壊れず俺が張ったシールドに強力な衝撃が走るだけだった。

「無駄よ。そのエネルギーシールドはさっきのとは違うわ。大人しくしているのね。」

ムーサーはそう言うと声高く笑う。

「グリム、リッチ・・・いやアスク、皆の事を頼む。」

俺はジャバの町で手に入れた賢者が持っていた魔道具を取り出した。
賢者は扱いきれず、魔力柱となってしまったが、この壁がエネルギーシールドと言うのならこれで破壊する事が出来るはず。
俺は魔道具を起動させると、強力な力に流されそうになるが全身の力を込め踏みとどまる。
魔道具を介してシールドの魔力の流れが見える。
俺がシールドの魔力の流れを断ち切る様に操作しようとすると、更に力の流れが強くなる。
ここままでは、流れに飲み込まれてしまう・・・その時、俺の背中を大きな手が支えてくれた。

「拓ちゃん、もう一息だ。頑張れ。」

浩司が声を掛けてくれる。俺と浩司は力の流れに逆らい、ついに魔力の流れを断ち切った。
シールドが消えると同時に、ムーサーから強力な攻撃が放たれた。
魔法ではなく、純粋な魔力の塊・・・
俺と浩司は反応できず、目の前に迫る攻撃がスローモーションの様に見える。
ここまでかと思った時、俺の目の前に影が現れ攻撃を防いでいた。

「ムーサー。貴方達の思い通りにはさせない」

アスクがシールドを張り俺達の前に立ち塞がっていた。
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