異世界遺跡巡り ~ロマンを求めて異世界冒険~

小狸日

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アスクが膝を付いて崩れると、直ぐにガラ、レオ、アルが前に出てムーサーに攻撃を仕掛けようとするが強力な力にはじき返された。
そしてアースの黒い面が波打ち、アブラムの顔が盛り上がる。

「大人しく、そこから世界が変わる様子を眺めているが良い。」

強力な重力が俺達に掛かり、全員が膝を付いてしまう。
そうしている間にも、アースという黒い物体は脈打ち、唸り声の様な音を出し始めた。

『拓、浩司、アスク殿。儂に魔力を流してくれ。アスク殿は魔力同調を頼む。』

俺達はグリムの手を掴み、魔力を流し込む。
アスクもグリムを掴むが、ムーサーの攻撃から俺達を庇う為にシールドを張ったが防ぎきれずに怪我をしていた。
それでも魔力同調を行いグリムに魔力を送る。

「行くぞ。」

グリムはそう言うと、結界で俺達を押さえつけていた重力を押し返す。
直ぐにムーサーが攻撃を仕掛けてきたが、レオ、アルの2人で受け止める。

「拓、浩司、こいつは任せろ。サリナ様とエチゴさんはグリムとアスクを」

レオに言われ、俺と浩司、ガラそしてヤマトはアースに向かって走る。
しかしアースからは唸り声の様な音がするだけでアブラムからの攻撃は来ない。

「レイアロー」「ファイヤーランス」『ライトニングにゃ』

走りながら攻撃を加えると、耳を塞ぐほどの音になる。
そしてアースの表面にアブラムの顔が現れる。
しかし、次の瞬間 もう一つの顔が前へ出て来ようとする。

「何故だ、何故邪魔をする。勇者よ、このまま眠っていろ。」
「そうはいかない。この様な事は許される事でない。」
「何を言っている。こんな世界を作ったのはお前達、古の魔導士だろう。」

2つの顔が言い争っていたが、勇者と呼ばれた顔が消えアブラムの顔だけが残る。
浩司は残った魔力でアブラムの顔に向けてファイヤーランスを叩きこんだ。

「何故だ、何故人間の世界を作るのを邪魔する。ムーサー、お前もあの地獄を知っているだろ。何故実験動物の肩を持つ。」
「アブラム、もう止めよう。どうやって生まれようと、もう彼等は実験動物ではない。我々と同じ様に生きている。」
「私は受け入れない。全てを抹殺し、人間は新たな進化を遂げる。」

アブラムの顔がアースの中に沈んでいく。

「逃がすか。ファイヤーランス。」

浩司が力を振り絞り攻撃を行うがアースを傷つける事も出来なかった。

「シールドか。」

そこにガラが飛び出す。
その手にはブライから受け取った剣が鈍い光を発していた。

「ならば、これでどうだ。」

ガラの剣がシールドを切り裂き、アブラムの顔に突き立てられた。
突き立てた剣を伝わり、青い液体が流れ出る。

「おのれ虫けらが。この私を傷つけただと。先にお前達を始末してやる。」

強力な純粋なエネルギーの塊が俺達を襲い、吹き飛ばされた。
更に雷が襲って来たが、それはシールドに阻まれる。
俺が後ろを見ると、エチゴさんがこちらに向かってシールドを展開してくれていた。
アブラムは更に怒りの形相になり攻撃を仕掛けて来ようとしたが、アースに再び勇者の顔が浮かび上がり魔力が発散された。

「もう、止めるんだ。お前の野望は失敗に終わったんだ。」
「諦めてたまるか。あの悪夢を無くすには、これしかない。」

勇者とアブラムの顔がせめぎ合う。
そこへヤマトの放った雷がアブラムの顔を襲うと、アブラムの顔は消えアースからアブラムの子供の体が排出された。

「アブラム様。」

ムーサーはレオ達との戦いでボロボロになりながらも、アブラムの元へと駆け寄ると俺達から隠すように自分の体で覆う。

その時、俺と浩司、ガラそしてアブラムとムーサーは真っ白な空間にいた。
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