異世界遺跡巡り ~ロマンを求めて異世界冒険~

小狸日

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747脱出

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誰も一言も話すことなく、現実に戻って来た。
レオとアルは自分達が人間によって作られた存在だとしりショックを抑えきれない。
他の人達も、この事実にどうして良いのか分からずにいた。
俺はアースの表面に浮き出た勇者の顔に話しかける。

「先程、最後と言っていましたが、この後何が起きるのですか?」
「アブラムが行おうとした魔力暴走を止める。」
「魔力暴走が起きると、人間と獣人はどうなるのですか?」

勇者の話では、
一部の人間は魔獣となるが多くは保有魔力が上がり考えるだけで魔法を発動できるようになる。
獣人は知性を失い、魔獣化する。
もはや異次元との境界が開くのを阻止する事は出来ないので、その放出される魔力を宇宙へと逃がそうとしているらしい。
但し、大量の魔力を動かす為にはノアに向けて引き寄せるしかなく、そうなれば全ての機能が失われてしまう。
当然、アースも例外ではない。

「アブラムとムーサはどうなるのですか?」
「彼等の事情が有ったとしても、見過ごすことは出来ない。このまま我々とここに留まる。
 もう、彼等は魔法を使う事も動く事も出来ない。」

俺は倒れたままのアブラムとそれに覆いかぶさるムーサを見て立ち上がる。
精神世界に連れて行かれている間に体の疲れだけでなく、魔力も元に戻してくれたみたいだ。

「グリム。申し訳ないけど、約束を破る。」

彼等を許す気は無いが、嫌な気持ちだ。
何故、欲とエゴにまみれた者が人の上に立つのだろうか?
何故、人々はその様な人間が自分達の上に立つことを許すのだろうか?
何故、そんな人間を推すような人々が居るのだろうか?
これ以上過去の亡霊に振り回されてたまるか。

俺はアブラムとムーサーに向けて呪いを発動させた。
呪いは成功し、アブラムとムーサーは穏やかな表情になる。

「無詠唱で精神の封印を行ったのか。其方は何者だ?」
「俺はこの世界の部外者です。」

精神の封印・・・俺がオリジナルに掛けられた呪い。
肉体と精神を分離し、アブラムとムーサーーを夢の世界に誘った。
俺には彼等がやって来たことと、生き抜いた地獄を比べる事は出来ないが、この位は許されても良いだろう。

後はここから脱出するだけだ。

「このノアは何時まで持ちますか?」
「後2時間ほどでガイヤの門が開く。そうなれば10分と持たないだろう。早く地上へ戻ると良い。」

俺は消えようとする勇者の顔に話しかける。

「待って下さい。アスクを元の人間に戻せないでしょうか?」
「安心しろ。多少時間は掛かるが、アスクは人間に戻る。彼女の事を頼む。」
「彼女?」

俺の反応に勇者の顔が微笑むと、アースの中に消え鈍い音が響き始めた。

「皆、地上へ戻るぞ。急ぐんじゃ。」

グリムに言われ全員で下へと階段を駆け下り、転移ゲートまで戻って来た。しかし起動しない。
地上のとは違い、こちらはもっと細かく状況が表示されている。

「エネルギーが足りていない。とにかく皆はゲートに入って。」

俺は転移ゲートを開く為のエネルギー供給ラインを探しだすと、ケーブルを切断して魔力を流し込んだ。
しかし俺一人では足らない・・・その時、浩司、グリム、アスク、そしてヤマトが魔力を流し込んでくれる。
直ぐにゲートが開ける状態になったが、手を離すと起動させるための魔力が抜けてしまう。

「無理にコネクタを外したからか。皆は先に戻ってくれ。俺は後から追いかける。」
「拓ちゃんが残るのなら、俺も残るに決まっているだろ。」
「儂も残る。弟子に助けられるなんて師匠として格好がつかん。それに、魔力を流し続けなければ装置は安全に動作しなさそうじゃ。」
「そうですね。このまま魔力を供給し続けましょう。」

浩司、グリム、アスクはそのまま魔力を流し続け、

『本当に、後先を考えない主を持つと苦労が絶えないにゃ。』

ヤマトまで魔力を供給し続ける。
サリナ姫がこちらに来ようとするが、エチゴによって止められていた。

「エチゴさん、後の事はお願いします。」

エチゴさんは頷いて、ゲートを開いた。
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