御手洗くんの紛うことなき現代社会での滑稽な非日常について。

されど電波おやぢは妄想を騙る

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Act.20 閑話 実は幼い少女は一部始終を見ていた! 緊急特番。実録、UMAは貴方の身近に存在する!

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 街は騒然としていた――当然だった。

 得体の知れない人為らざるモノが、行き交う人々を惨殺している状況なのだから。


 この時、野次馬が半狂乱で騒ぎ出した。


 勇敢な大人が数人、無謀にも人為らざるモノに挑む。


 ――結果は言うまでもなく。


 聴き取れない妙な咆哮をあげる人為らざるモノは、半狂乱になって逃げ惑う野次馬を捕まえると、次々に惨殺していった。


 そして――。


 ある幼い子供に人為らざるモノの矛先が向いた――。


 子供の親だろうか……我が子を助けようと手を掴み、必死に人為らざるモノから距離を取って逃げようとする。


 だがしかし――。


 両親の上半身と下半身が二つに分かれ、そのあと直ぐに斬り刻まれることとなった――。


 無残にも繋いだままの手だけが、幼い少女の小さな手に握られ――残っていた。


 そんな凄惨な場面を、まるで絵空事、或いは他人事のように見ていたモノが居た。



 たった今、両親を殺された少女だった――。


 ◇◇◇


 最初はナニかの特撮かな~って思って見ていたの。

 取っても怖い怪人さんが周りのヒトを襲っていて、逃げ惑っていたから。


 だって、普通は有り得ないもん。


 私と一緒に居たパパとママが、急に手を痛いくらいに握って走り出したのにはビックリしたけど。


 そしたら――


 私の目の前で――。
 パパとママが――。


 突然――。


 居なくなっちゃったの――。



 私の手を握る、
 パパとママの手だけ残して――。



 ナニが起きたのか解らなくて必死に走りながらパパとママを探すけど、やっぱり居なくなってた。

 そんな時にランドセルを背負った男の子が目に入ったけど、怪人さんにナニかされて直ぐに道路に倒れちゃった。

 そのあと、私の髪の毛が急に引っ張られて後ろ向きに倒れたの。

 道路に寝っ転がって上を見てると、さっきの怪人さんが私を覗き込むの。

 中にヒトが入った着ぐるみだとばかり思ってたんだ、私――。


 でも間近で見ると……違ってた。


 下から見上げた怪人さんは身体の中が透けて丸見えだったし、ナニかが蠢いていて気持ち悪い。

 四つの怖い目を真っ赤に光らせて、垂らした涎が私の頬っぺたに落ちた。

 そこでやっと解ったんだ、私。



 本モノのバケモノだったんだって――。



 さっきまでパパとママと手を繋いでいたのに、その残った手をバケモノは奪い取って投げ捨てた。

 それからパパとママの残った手の代わりに、バケモノの手が私を掴んで吊り下げたの。

 私は初めて悲鳴を上げたよ?
 でも、周りに誰も居なくなってた――。



 怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い!



 その感情しかなくて、誰か助けてと声を上げた――。


 でも誰も来てくれなかったの……。


 パパとママもバケモノに殺された――。
 私も殺されるんだ……。


 そう諦めた時に助けに来てくれた!


 私は知らないヒトだけど、何処かのアイドルさん?
 凄い格好良い芸能人みたいなお兄ちゃんが、私の前に現れてくれた!


 助けてと声を出したかったけど、何故か出なかった――。

 なんとか叫ぼうとしている内に、道路に放り投げられたんだ。


 そのあとで直ぐに、お兄ちゃんがお腹を斬られて殴り飛ばされてた。

 私も逃げようと捥がこうとしたけど、何故か動けなくなってて。

 なんとか目だけ動かして、格好良いお兄ちゃんの方を見たの――。



 不思議だった――。


 お兄ちゃんの後ろに、紅い竜と白い騎士さんが見えたんだもん。


 なんだかお兄ちゃんも紅と白の煙みたいなので包まれてて――他人事みたいに綺麗だなとか思って見ちゃってた。


 そしたら――。


 お兄ちゃんが鞄の中から凄い剣みたいなのを出してきて、一瞬でバケモノを退治しちゃった――。


 バケモノを退治しちゃったら、背後に居た紅い竜さんと白い騎士さんは、オバケみたいにすーっと消えちゃった。


 お兄ちゃんを囲んでいた煙りみたいなのが、お兄ちゃんのお腹に集まっていったのが見えた。


 きっとお兄ちゃんを護ってたんだね。
 

 私は助かったんだって思ったら、目の前が急に真っ暗になって……。

 それからママと同じ感じがする優しい良い香りがして、ふわりと浮く感じがしたと思ったら――、


 病院に居た。


 お医者さんが心配そうに見てくれて、看護婦さんが頑張ったねって声を掛けてくれた。



 でも、パパとママの姿はなかった……。



 怖くて哀しくて、わけも解らず泣いて暴れた私は、看護婦さんに抑えつけられて、また急に眠くなって――。



「お兄ちゃん……助けて――」


 と、心の中で呟いたあと――。



 ――――――――――
 閑話、終わり。本編は、つづく。
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