後追いした先の異世界で、溺愛されているのですが。2

雪 いつき

文字の大きさ
116 / 185

*ただの壁

しおりを挟む

 勝ったのはオスカーだ。ウィリアムは悔しそうに暖人はるとの背後に回った。
 今のじゃんけんは、どちらが主導権を握るかの勝負だった。

「ハルト」

 オスカーは満足そうに暖人の頬に触れ、重ねるだけのキスをする。そのまま首筋、鎖骨へと唇を触れさせ、焦らす事なく胸元へと辿り着いた。

「ふぁっ、ん、んぅっ」

 尖りに舌が触れ、オスカーの髪に指を絡めて抱き込む。少し固めの髪が肌を擽る。その刺激も緩い快感に変わった。

「は……あっ、あぅっ、んっあぁっ」

 軽く歯を立てられ、先端を舌で弄られる。ぞくぞくと駆け上がる快感にたまらずに背を仰け反らせた。

 ウィリアムの舌もだが、オスカーの舌も危険。感じさせる為にダイレクトに刺激を与えられ、強く吸われると軽く達してしまった。


 焦らさずに感じさせるのも有りか。涼佑りょうすけはジッと暖人を注視する。
 見ているだけもなかなか。ウィリアムも涼佑側とは逆方向から覗き込み、暖人の感じる顔を堪能していた。

「あっ、オスカーさんっそこだめっ……あっ、あんっ」

 肌にキスをしながら背骨の上を撫でるオスカーに、いやいやと首を振る。前に触れられた時よりも感じてしまう。

「ハルトはそこも感じるのか」
「キスするより撫でる方がいいんだ」

 ウィリアムと涼佑はつい声に出してしまい、暖人はびくりと跳ねる。

(見られてるんだったっ……)

 咄嗟にグッとオスカーの肩を押した。

「ハルト。あれはただの壁だ」
「か、壁……」
「主張が激しいだけの、ただの壁だ。こっちに集中しろ」

 主張が激しい壁。暖人はつい笑ってしまい、オスカーはそっと目を細めて暖人の目元にキスをした。
 柔らかな黒髪を撫でながら、暖人越しにウィリアムに視線を投げる。見ているだけならベッドを下りて壁になれ、とばかりに。

 壁になる気など更々ない。ウィリアムは暖人の項にキスをして、膝立ちにさせた。
 腕で腰をしっかりと抱き、脚の間に触れる。そこはもうしっとりと濡れ、早く欲しいと訴えるようにウィリアムの指先を締め付けた。


「可愛いな……」

 早くナカに、と誘い込むような動き。あまりに素直で愛らしい。指を一本押し込むと、きゅうきゅうと甘く締め付けてくる。

「ふ……ぅ、ぁ……」

 すぐに二本に増やされ、暖人は身を震わせた。オスカーの肩を掴み俯くと、その顔を上げられ唇を塞がれる。
 ちゅ、ちゅ、と音を立て触れる甘いキスと、ゆったりとナカを解す指の動き。甘い刺激に頭がふわふわして、甘えるような喘ぎを零した。

 徐々に舌を絡めるキスに変わり、ナカの指も動きを変える。

「んゃっ……、やぁっ掻き混ぜちゃだめっ……」

 長い指が器用に動き、感じる場所を指先で押しながらナカを掻き回す。

(ウィルさんの指も危険っ……)

 オスカーほど感じる場所探知機ではないものの、緩急の付け方が絶妙だ。
 優しく丁寧なのに、感じるところは容赦なく突かれる。そのうちに抜き挿しする動きも加わり、がくがくと膝が震えた。

「やだっ、音がっ……」

 わざとぐちゃぐちゃと粘着質な音を響かせ、時折指を抜いてちゅぽちゅぽと音を立てる。聴覚からも犯されているようで、ふるふると首を振った。
 それでもしっかりと腰を抱かれ、身動きが取れない。いつの間にかキスは止み、オスカーに見つめられていた。


「ハルト」

 くい、と顎を掴み下を向かされる。視界にはオスカーの手。その男らしい手が、見せつけるようにゆっくりと肌を撫でた。
 腰から脇腹、薄い腹を撫で、その上へ。

「あ……やだ、今はだめ……」

 その意図を察し、暖人は緩く首を振った。
 オスカーの手は一度下へと下がり、もう片手も腹を撫で始め、また上へと上がってくる。

「だめ、だめです……」

 ふるふると震える暖人の目の前で、オスカーの両手はへと近付き……。

「ひぃんッ……!」

 両の尖りを摘み上げられ、ぴゅく、と先端から白濁が吹き出す。
 同時にナカの指が前立腺を挟むようにして突き上げ、二人の指だけであっさりと射精してしまった。

「はぁっ、あっ、あ……!」

 それでもどちらも動きは止まらず、視線の先ではぷっくりと立ち上がった粒が指先で弾かれている。
 節張った男らしい指が器用に動き、小さなそれを執拗に弾いては転がし、摘み上げた。

 ナカの指が抜かれ、無意識に息を吐く。だが。

「え……、ッ――……!?」

 熱いものが触れた、と思うと同時に、指とは比べものにならない圧迫感が襲った。

「ッ……、っは……あっ、ウィルさんっ……」

 一気に奥まで突き挿れられたそれは、一度動きを止める。背後から腕が伸び、両手できつく抱き締められた。


 我慢の利かない奴だ、とオスカーは呆れる。公正な勝負で決めたというのに。

「ハルト……」

 ウィリアムは切なげに名を呼び、項に痕を残す。それから首筋、肩へと。
 いつもならこんな時でも決めた事を守るくらいの理性はあるのに、どうしたのだろう。

 オスカーは、視線で涼佑を示した。主導権はオスカーに取られ、暖人にとって特別な涼佑が見ている。そのうちの何かがウィリアムの不安材料になったのだろう。

 オスカーは仕方ないという顔をして、暖人のしたいようにしろと言うように暖人の頭を撫でた。

「……ウィルさん、いいですよ。……動いて」

 きゅうっとナカを締め付けると、ぴくりとウィリアムの手が動く。

「ハルト……」

 囁くように呼ぶ声。するりと腕が解けて。

「ッ……!!」

 強く腰を掴まれたかと思うと、突然衝撃が襲った。

「ッ、ァ……、うあっ、あぁっ!」

 激しく腰を打ち付けられ、目の前のオスカーに縋り付く。ぎゅっと目を閉じ、衝撃に耐えた。

(奥っ……これ、だめっ……)

 最初からいきなり奥ばかりを突かれ、チカチカと目の前に星が散る。ずっと達しているような感覚が襲い、生理的な涙がぼろぼろと零れた。

 それでも、その更に奥までは入らない。理性を飛ばしても大事にしてくれている。そう思うと、腹の奥の方がじわりと熱くなった。

 体だけじゃなく、心も気持ちいい。
 こんなにも、欲しがってくれる。
 嬉しい。嬉しい、……けれど。


「うぁっ、ウィルさっ……だめ、だめぇっ……」

 後ろから遠慮なしに突かれ、頭を振りながら悦がる。嬉しいけれど、この快楽は許容量を越えていた。

「あっ、だめっ、イっちゃ……ッ」

 あっさりと追い上げられ勢い良く放った熱が、暖人とオスカーの腹をしっとりと濡らす。

「ハルト、可愛い……」

 びくびくと震える華奢な体を抱き締め、うっとりと呟いた。

「ハルト……ハルト、愛しているよ……」
「ひぁッ、ぁ、ァッ」

 達したばかりの体を、止まる事なく揺す振られる。他への刺激はなく、ただナカだけの快感。
 それが全身に広がり、身を捩りたくてもウィリアムにしっかりと抱き込まれて出来なかった。
 快感を逃がす事も出来ず、ずっと気持ちが良くてはくはくと口を喘がせる。

 だが、腰を掴まれるより、こうして抱き締められている方が落ち着く。
 初めてウィリアムと外でした日。あの南の森の中でも、ずっとこの体温を感じていた。ずっと、嬉しかった。

「ぁ……だ、め……あ、あぅ……」

(気持ちいい……よすぎて、だめ……)

 がくがくと震え、暖人自身から、ぷしゃあと透明な液体が吹き出した。
 ウィリアムも呻き声を上げる。ナカで固いものがビクリと震える感覚に、今日は早かったと暖人は頭のどこかで思いながらも、意識はふわふわと溶けていった。

しおりを挟む
感想 13

あなたにおすすめの小説

公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜

上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。 体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。 両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。 せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない? しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……? どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに? 偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも? ……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない?? ――― 病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。 ※別名義で連載していた作品になります。 (名義を統合しこちらに移動することになりました)

冤罪で堕とされた最強騎士、狂信的な男たちに包囲される

マンスーン
BL
​王国最強の聖騎士団長から一転、冤罪で生存率0%の懲罰部隊へと叩き落とされたレオン。 泥にまみれてもなお気高く、圧倒的な強さを振るう彼に、狂った執着を抱く男たちが集結する。

この世界は僕に甘すぎる 〜ちんまい僕(もふもふぬいぐるみ付き)が溺愛される物語〜

COCO
BL
「ミミルがいないの……?」 涙目でそうつぶやいた僕を見て、 騎士団も、魔法団も、王宮も──全員が本気を出した。 前世は政治家の家に生まれたけど、 愛されるどころか、身体目当ての大人ばかり。 最後はストーカーの担任に殺された。 でも今世では…… 「ルカは、僕らの宝物だよ」 目を覚ました僕は、 最強の父と美しい母に全力で愛されていた。 全員190cm超えの“男しかいない世界”で、 小柄で可愛い僕(とウサギのぬいぐるみ)は、今日も溺愛されてます。 魔法全属性持ち? 知識チート? でも一番すごいのは── 「ルカ様、可愛すぎて息ができません……!!」 これは、世界一ちんまい天使が、世界一愛されるお話。

幼馴染がいじめるのは俺だ!

むすめっすめ
BL
幼馴染が俺の事いじめてたのは、好きな子いじめちゃうやつだと思ってたのに... 「好きな奴に言われたんだ...幼馴染いじめるのとかガキみてーだって...」 「はっ...ぁ??」 好きな奴って俺じゃないの___!? ただのいじめっ子×勘違いいじめられっ子 ーーーーーー 主人公 いじめられっ子 小鳥遊洸人 タカナシ ヒロト 小学生の頃から幼馴染の神宮寺 千透星にいじめられている。 姉の助言(?)から千透星が自分のこといじめるのは小学生特有の“好きな子いじめちゃうヤツ“だと思い込むようになり、そんな千透星を、可愛いじゃん...?と思っていた。 高校で初めて千透星に好きな人が出来たことを知ったことから、 脳破壊。 千透星への恋心を自覚する。 幼馴染 いじめっ子 神宮寺 千透星 ジングウジ チトセ 小学生の頃から幼馴染の小鳥遊 洸人をいじめている。 美形であり、陰キャの洸人とは違い周りに人が集まりやすい。(洸人は千透星がわざと自分の周りに集まらないように牽制していると勘違いしている) 転校生の須藤千尋が初恋である

伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい

マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。 最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡) 世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。

逃げた弟のかわりに溺愛アルファに差し出されました。初夜で抱かれたら身代わりがばれてしまいます💦

雪代鞠絵/15分で萌えるBL小説
BL
逃げた弟の身代わりとなり、 隣国の国王である溺愛アルファに嫁いだオメガ。 しかし実は、我儘で結婚から逃げ出した双子の弟の身代わりなのです… オメガだからと王宮で冷遇されていたので、身代わり結婚にも拒否権が なかたのでした。 本当の花嫁じゃない。 だから何としても初夜は回避しなければと思うのですが、 だんだん王様に惹かれてしまい、苦しくなる…という お話です。よろしくお願いします<(_ _)>

帝に囲われていることなど知らない俺は今日も一人草を刈る。

志子
BL
ノリと勢いで書いたBL転生中華ファンタジー。 美形×平凡。 乱文失礼します。誤字脱字あったらすみません。 崖から落ちて顔に大傷を負い高熱で三日三晩魘された俺は前世を思い出した。どうやら農村の子どもに転生したようだ。 転生小説のようにチート能力で無双したり、前世の知識を使ってバンバン改革を起こしたり……なんてことはない。 そんな平々凡々の俺は今、帝の花園と呼ばれる後宮で下っ端として働いてる。 え? 男の俺が後宮に? って思ったろ? 実はこの後宮、ちょーーと変わっていて…‥。

記憶を無くしたら家族に愛されました

レン
BL
リオンは第三王子で横暴で傲慢で侍女や執事が少しでも気に入らなかったら物を投げたり怒鳴ったりする。家族の前でも態度はあまり変わらない… 家族からも煩わしく思われたていて嫌われていた… そんなある日階段から落ちて意識をなくした…数日後目を覚ましたらリオンの様子がいつもと違くて…

処理中です...