夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い

青の雀

文字の大きさ
23 / 32

23.

しおりを挟む
 それから1か月間は、アンソロジー国の至る所を案内しえ貰う。

 アンソロジー国は、王妃陛下の生まれ故郷で、アトランティス国の同盟国になっているところ。

 地方ごとにそれぞれ、違う風土があるところも見どころの一つとなっている。

 工業の圏の中には、鍛冶屋の街に織物の街、ガラス細工の街などがある。
 商業の圏には、工業県から完成した製品が、売買されるところで、なかなか華やかな街並みとなっている。
 港町は、魚介類の出荷と、交易品の検閲の多面お倉庫群がある。古い倉庫を利用して、カフェなどが建ち並んでいる。
 そのほかには海の街、山の街、温泉の街などがある。

 それら、一つ一つの圏および街をアレクサンドラ王子が専属ガイドとなり、ティアラベルローゼに付き添ってくださるから、わかりやすく、とても豪華で有意義な旅ができる。

 あっという間に一か月を経とうとしている頃、すっかり二人は恋人同士になり、愛を育んでいる。

 すでに、アレクサンドラ王子殿下から、結婚の申し込みをされて、ティアラベルローゼが承諾している。

 内々に、アトランティス王家とマーシャル国とのあいさつも済まし、晴れて二人は、珍しいながらも、恋愛結婚の婚約者となったのだ。

 内々のことなので、アトランティスの他の王尾zく、特にクリストファーとマクシミリアンに対して、秘匿される格好となったのだ。

 婚約者同士が、離れ離れに暮らすのは、いかがなものかと王妃陛下から国王陛下に進言があり、急遽、ティアラベルローゼの転校が決まる。

 しばらくの間は、アンソロジー王家が用意してくれた別宮を聖女様に貸与するという条件で、ティアラベルローゼの新しい住居が決まる。

 マーシャル国、第二の大使館は、こうして手に入ることになった。

 当分の間は、連絡事務所のような形で存在し、成婚後に、マーシャル国に下げ渡すことが条件に盛り込まれる。

 アトランティスに次いで、アンソロジー国にまで拠点を持てたティアラベルローゼは、ご機嫌で、マーシャルの王家もホクホク顔をしている。

「ティアラベルローゼよ。さすが我が娘よ。アトランティスの王子を捕まえるなど、大したものだ。これでマーシャルも安泰そのもの」
「たまたま、好きになった相手がアトランティスの王子様だっただけですわ」





-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-





 アトランティスの王都にある学園では、大騒ぎになっている。

「どういうことだ!ティアラベルローゼがいないのは、アトランティス、貴様らがティアラベルローゼを隠したのだろう!」

 怒り心頭になっているのは、アンドリュー。それを必死に宥めているマクシミリアン。

「いや、俺も全くの初耳で、ティアラベルローゼがどこへ転向したのか、なぜ転校したのか、本当に知らないんだ」
「そんな都合がいいわけあるか?」
「いや本当に、知らないのだ」
「貴様のところの第2王子が、どこかへつれさったのだろう。どこだ?第2王子の留学先を教えろ!」
「いや、それは……」

 中生の兄貴の留学先は、さすがに知っていても教えられない。これは国家の重要機密事項で、同級生といえども、それを教えるわけにはいかない。

 本当に中生の兄アレキサンドラは、ティアラベルローゼと一緒にいるのかもわからない上に、重要機密事項を漏らしたとあれば、もう王位継承権どころの話ではなくなる。

 とにかくマクシミリアンは、知らぬ存ぜぬを貫き通し、長兄のクリストファーが放課後学園に顔を見せるまで、しらを切りとおすことにした。

 クリストファーも学園にティアラベルローゼがいなくなったことを知らなかった。そこで初めて、3人の王子は顔を見合わせ、今後の対策を話し合う。

 いくら話し合おうとしても、肝心の情報が不足していて、話し合いは難航する。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

結婚して5年、冷たい夫に離縁を申し立てたらみんなに止められています。

真田どんぐり
恋愛
ー5年前、ストレイ伯爵家の美しい令嬢、アルヴィラ・ストレイはアレンベル侯爵家の侯爵、ダリウス・アレンベルと結婚してアルヴィラ・アレンベルへとなった。 親同士に決められた政略結婚だったが、アルヴィラは旦那様とちゃんと愛し合ってやっていこうと決意していたのに……。 そんな決意を打ち砕くかのように旦那様の態度はずっと冷たかった。 (しかも私にだけ!!) 社交界に行っても、使用人の前でもどんな時でも冷たい態度を取られた私は周りの噂の恰好の的。 最初こそ我慢していたが、ある日、偶然旦那様とその幼馴染の不倫疑惑を耳にする。 (((こんな仕打ち、あんまりよーー!!))) 旦那様の態度にとうとう耐えられなくなった私は、ついに離縁を決意したーーーー。

初夜に大暴言を吐かれた伯爵夫人は、微笑みと共に我が道を行く ―旦那様、今更擦り寄られても困ります―

望月 或
恋愛
「お前の噂を聞いたぞ。毎夜町に出て男を求め、毎回違う男と朝までふしだらな行為に明け暮れているそうだな? その上糸目を付けず服や装飾品を買い漁り、多大な借金を背負っているとか……。そんな醜悪な女が俺の妻だとは非常に不愉快極まりない! 今後俺に話し掛けるな! 俺に一切関与するな! 同じ空気を吸ってるだけでとんでもなく不快だ……!!」 【王命】で決められた婚姻をし、ハイド・ランジニカ伯爵とオリービア・フレイグラント子爵令嬢の初夜は、彼のその暴言で始まった。 そして、それに返したオリービアの一言は、 「あらあら、まぁ」 の六文字だった。  屋敷に住まわせている、ハイドの愛人と噂されるユーカリや、その取巻きの使用人達の嫌がらせも何のその、オリービアは微笑みを絶やさず自分の道を突き進んでいく。 ユーカリだけを信じ心酔していたハイドだったが、オリービアが屋敷に来てから徐々に変化が表れ始めて…… ※作者独自の世界観満載です。違和感を感じたら、「あぁ、こういう世界なんだな」と思って頂けたら有難いです……。

三回目の人生も「君を愛することはない」と言われたので、今度は私も拒否します

冬野月子
恋愛
「君を愛することは、決してない」 結婚式を挙げたその夜、夫は私にそう告げた。 私には過去二回、別の人生を生きた記憶がある。 そうして毎回同じように言われてきた。 逃げた一回目、我慢した二回目。いずれも上手くいかなかった。 だから今回は。

私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました

放浪人
恋愛
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。 だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。 「彼女は可哀想なんだ」 「この子を跡取りにする」 そして人前で、平然と言い放つ。 ――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」 その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。 「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」

「お幸せに」と微笑んだ悪役令嬢は、二度と戻らなかった。

パリパリかぷちーの
恋愛
王太子から婚約破棄を告げられたその日、 クラリーチェ=ヴァレンティナは微笑んでこう言った。 「どうか、お幸せに」──そして姿を消した。 完璧すぎる令嬢。誰にも本心を明かさなかった彼女が、 “何も持たずに”去ったその先にあったものとは。 これは誰かのために生きることをやめ、 「私自身の幸せ」を選びなおした、 ひとりの元・悪役令嬢の再生と静かな愛の物語。

七年目の裏切り 〜赴任先の夫から届く愛の手紙は、愛人の代筆でした〜

恋せよ恋
恋愛
「君は僕の最愛だ。もう二度と、君を危険に晒したくない」 命懸けの出産後、涙を流して私を抱きしめた夫ジュリアン。 その言葉通り、彼は「私を大切にするため」に夜の営みを断った。 私は、女としての寂しさを「愛されている誇り」に変え、 隣国へ赴任した夫を信じて二人の子供と家を守り続けていた。 毎週届く、情熱的な愛の手紙。タイプライターで綴られた その愛の言葉を、私は宝物のように抱きしめていた。 ……しかし、その手紙は「裏切り」だった。 夫が異国の地で、愛人と肌を重ねながら綴らせていた「偽りの愛」。 身分を隠して夫の赴任先の隣国へと向かった私が見たのは……。 果たして、貞淑な妻・メラニアが選んだ結論は……。 子供たちのため結婚生活の継続か、それとも……。 🔶登場人物・設定は筆者の創作によるものです。 🔶不快に感じられる表現がありましたらお詫び申し上げます。 🔶誤字脱字・文の調整は、投稿後にも随時行います。 🔶今後もこの世界観で物語を続けてまいります。 🔶 『エール📣』『いいね❤️』励みになります!

つまらない妃と呼ばれた日

柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。 舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。 さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。 リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。 ――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。

挙式後すぐに離婚届を手渡された私は、この結婚は予め捨てられることが確定していた事実を知らされました

結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
【結婚した日に、「君にこれを預けておく」と離婚届を手渡されました】 今日、私は子供の頃からずっと大好きだった人と結婚した。しかし、式の後に絶望的な事を彼に言われた。 「ごめん、本当は君とは結婚したくなかったんだ。これを預けておくから、その気になったら提出してくれ」 そう言って手渡されたのは何と離婚届けだった。 そしてどこまでも冷たい態度の夫の行動に傷つけられていく私。 けれどその裏には私の知らない、ある深い事情が隠されていた。 その真意を知った時、私は―。 ※暫く鬱展開が続きます ※他サイトでも投稿中

処理中です...