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時はさかのぼり、アリエールがハーバムルト国に着いたその日の夜、アムステルダム公爵が早馬を飛ばし、息せき切って国王陛下と面談する。
「夜分、恐れ入ります。実は、私の姪で聖女フルーチェ様のひ孫の聖女が隣国から、魔法修行のため、今日、入国したばかりなのです。」
「何⁉ それは真か?我が国にも聖女様が来られたということか?」
「はい。しかも隣国の王太子と婚約破棄して、自殺未遂を起こしたらしいです。」
「なんと……!それでは、聖女様には今、誰も婚約者がおられぬということだな。」
国王陛下は、起ちあがり、側近にグレゴリー殿下を呼んでくるように耳打ちする。
「それで、なぜ?自殺未遂まで起こされたのだろうか?それほどまでに隣国の婚約者を愛していたというのか?」
「いえ、義弟の紹介状によると、学園で男爵令嬢に唆され、聖女アリエールにあらぬ冤罪の疑いをかけられたそうです。自殺未遂を起こしたのは、それだけが原因ではなく、その前に婚約者から乱暴されたので、純潔を穢され婚約破棄されたことで絶望したのではないか、とありました。」
「何!お輿入れ前の聖女様を乱暴するとは!……あい、わかった。それでは我が国が聖女様をいただいても、文句がないということだな。」
そこへグレゴリーが、きちんと着替えて王の間へやってくる。
「父上、何用でございますか?こんな夜更けに。」
「聞いて驚くなよ。隣国の聖女アリエール様が、我が国に来られた。」
「え!本当でございますか?」
「しかも誰とも婚約されていない身で。完ぺきにお妃教育が終わられている聖女様がだ。」
「もしかして、私と婚約させようとしているのでは?まだ、エリーナを失ってから……まだそんなこと考えられません。」
「まぁそう先走るな。お前、魔法大学に籍を置いてるだろ?」
「我が国は、聖女様がいらっしゃらないので、国防のため、皆が少しずつ魔力を蓄え操れるように努力しています。」
「明日、聖女様を魔法大学へお連れする。お前は偶然を装って、聖女様をモノにしろ。ただし、くれぐれも聖女様を怖がらせるような真似や、一線を越えることがあってはならない。慎重に聖女様のお心を掴めるように努力しろ。事を急ぐでないぞ。」
アムステルダム公爵は、息子のレオナルドに案内させるとして、息子にはこのことを伏せる。そして、アリエールの容姿を事細かく、グレゴリー殿下に伝授する。
翌日、正門前で挙動不審な女がいるが、聞いていたアリエールの容姿と……似てる?まぁ、何でもいいっか。とりあえずダメ元で、声をかけて見たら、速攻無視!聖女様が金眼の俺を無視するわけがない。
なんだやっぱり人違いかと思ったら、レオが大慌てで来る。
そしたら、やっぱり聖女様だという。
親父に言われた通り、交際は順調で、ある時たまらないぐらい愛おしくなって、ついキスをしてみた。
それからは、聖女様が何か期待されているような視線を向けてくるので、自制するだけで精いっぱいになったけど。ついに、その時がきてしまって、焦るわ。困るわの、大わらわ。急遽、指だけで満足させたけど、あの後も何度も誘ってこられる。
グレゴリーは、アリエールが誘ってこられるたびに、どんな拷問だと、心の中で叫んでいる。
エリーナとは、こんなことなかったのに。
-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
いよいよグレゴリー王太子殿下と聖女アリエール様の結婚式の発表が国民に公示された。
この取り合わせが、政略結婚ではなく、純粋な恋愛結婚だとわかり、国民の間では大変な熱狂ぶりである。
「王子様と聖女様が偶然の出会いをされたなんて、素敵すぎる。」
「聖女様のひいお婆様は、フルーチェ聖女様だそうよ。」
「隣国の王位継承権者で、聖女様で公爵令嬢なんて、恵まれすぎてるわね。」
「この前、こっそり実物を見たんだけど、すごい美人でビックリしたわ。」
「うらやましいわ。早く結婚式が来ないかしらね。楽しみだわ。」
「夜分、恐れ入ります。実は、私の姪で聖女フルーチェ様のひ孫の聖女が隣国から、魔法修行のため、今日、入国したばかりなのです。」
「何⁉ それは真か?我が国にも聖女様が来られたということか?」
「はい。しかも隣国の王太子と婚約破棄して、自殺未遂を起こしたらしいです。」
「なんと……!それでは、聖女様には今、誰も婚約者がおられぬということだな。」
国王陛下は、起ちあがり、側近にグレゴリー殿下を呼んでくるように耳打ちする。
「それで、なぜ?自殺未遂まで起こされたのだろうか?それほどまでに隣国の婚約者を愛していたというのか?」
「いえ、義弟の紹介状によると、学園で男爵令嬢に唆され、聖女アリエールにあらぬ冤罪の疑いをかけられたそうです。自殺未遂を起こしたのは、それだけが原因ではなく、その前に婚約者から乱暴されたので、純潔を穢され婚約破棄されたことで絶望したのではないか、とありました。」
「何!お輿入れ前の聖女様を乱暴するとは!……あい、わかった。それでは我が国が聖女様をいただいても、文句がないということだな。」
そこへグレゴリーが、きちんと着替えて王の間へやってくる。
「父上、何用でございますか?こんな夜更けに。」
「聞いて驚くなよ。隣国の聖女アリエール様が、我が国に来られた。」
「え!本当でございますか?」
「しかも誰とも婚約されていない身で。完ぺきにお妃教育が終わられている聖女様がだ。」
「もしかして、私と婚約させようとしているのでは?まだ、エリーナを失ってから……まだそんなこと考えられません。」
「まぁそう先走るな。お前、魔法大学に籍を置いてるだろ?」
「我が国は、聖女様がいらっしゃらないので、国防のため、皆が少しずつ魔力を蓄え操れるように努力しています。」
「明日、聖女様を魔法大学へお連れする。お前は偶然を装って、聖女様をモノにしろ。ただし、くれぐれも聖女様を怖がらせるような真似や、一線を越えることがあってはならない。慎重に聖女様のお心を掴めるように努力しろ。事を急ぐでないぞ。」
アムステルダム公爵は、息子のレオナルドに案内させるとして、息子にはこのことを伏せる。そして、アリエールの容姿を事細かく、グレゴリー殿下に伝授する。
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なんだやっぱり人違いかと思ったら、レオが大慌てで来る。
そしたら、やっぱり聖女様だという。
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それからは、聖女様が何か期待されているような視線を向けてくるので、自制するだけで精いっぱいになったけど。ついに、その時がきてしまって、焦るわ。困るわの、大わらわ。急遽、指だけで満足させたけど、あの後も何度も誘ってこられる。
グレゴリーは、アリエールが誘ってこられるたびに、どんな拷問だと、心の中で叫んでいる。
エリーナとは、こんなことなかったのに。
-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
いよいよグレゴリー王太子殿下と聖女アリエール様の結婚式の発表が国民に公示された。
この取り合わせが、政略結婚ではなく、純粋な恋愛結婚だとわかり、国民の間では大変な熱狂ぶりである。
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「隣国の王位継承権者で、聖女様で公爵令嬢なんて、恵まれすぎてるわね。」
「この前、こっそり実物を見たんだけど、すごい美人でビックリしたわ。」
「うらやましいわ。早く結婚式が来ないかしらね。楽しみだわ。」
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