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昔、昔、ある大陸にブルゴーニュという王国があり、その国の王妃が不妊で、なかなか子宝に恵まれず困っておりました。
こうのとりが王妃のところには、なかなか来てくれず、側妃に先を越されてばかり、3人の側妃のところには、それぞれ第1王子、第2王子、第3王子まで生まれている。
そのため、王妃の生家の筆頭公爵家を中心とする派閥が、側妃派閥と対立を深めるようになりつつあった。
あたかも高位貴族派と下位貴族派との争いに発展し、王宮で代理戦争としての顔を持つようになってくる。
国王と王妃は、政略での結婚ではなく、互いに思いあっての恋愛結婚で、国王は、王妃を慰め、「次こそは」の思いを募らせる。
そんな時、ようやく懐妊が分かった国王夫妻はまさに幸せの絶頂にいた。
美しい月夜に生まれた王女は、名をベルーナとされ、宝石のように大切に扱われていた。
下位貴族派に買収された侍女は、眠っているベルーナを秘かに王宮の外に連れ出す。そこで待っていた男にベルーナを引き渡し、侍女は何食わぬ顔で王宮に戻る。
男は、馬で僻地まで行き、人目のつかない場所で王女を殺すつもりでいた。王女の細い首を締め上げるつもりで、親指と人差し指を広げるものの、ベルーナと目が合い、にっこりと微笑む姿は、神々しく。男はベルーナを殺すことを断念する。
どうせ自分が殺さなくても、ここに捨て置けば、野犬に食い殺されるだろうと、その場にベルーナを残し去っていく。
そこへたまたま通りがかった冒険者男女がベルーナを見つけ、立派なおくるみを着ていたことに不審がるが、ベルーナは、若い男女が見ても、とても愛らしい女の子だったので、若い男女はそのままベルーナを抱き上げ、自分たちの子供として育てる決心をする。
冒険者男女は、危険な任務の最中、将来を誓い合った仲だった。それを機に、正式に籍を入れ、ベルーナを実子として、冒険者ギルドに届け出た。
男の名前はマディソン、女の名はエミリア。子供の名前は、おくるみに刺繍が施されていたベルーナをそのまま用いた。
こうのとりが王妃のところには、なかなか来てくれず、側妃に先を越されてばかり、3人の側妃のところには、それぞれ第1王子、第2王子、第3王子まで生まれている。
そのため、王妃の生家の筆頭公爵家を中心とする派閥が、側妃派閥と対立を深めるようになりつつあった。
あたかも高位貴族派と下位貴族派との争いに発展し、王宮で代理戦争としての顔を持つようになってくる。
国王と王妃は、政略での結婚ではなく、互いに思いあっての恋愛結婚で、国王は、王妃を慰め、「次こそは」の思いを募らせる。
そんな時、ようやく懐妊が分かった国王夫妻はまさに幸せの絶頂にいた。
美しい月夜に生まれた王女は、名をベルーナとされ、宝石のように大切に扱われていた。
下位貴族派に買収された侍女は、眠っているベルーナを秘かに王宮の外に連れ出す。そこで待っていた男にベルーナを引き渡し、侍女は何食わぬ顔で王宮に戻る。
男は、馬で僻地まで行き、人目のつかない場所で王女を殺すつもりでいた。王女の細い首を締め上げるつもりで、親指と人差し指を広げるものの、ベルーナと目が合い、にっこりと微笑む姿は、神々しく。男はベルーナを殺すことを断念する。
どうせ自分が殺さなくても、ここに捨て置けば、野犬に食い殺されるだろうと、その場にベルーナを残し去っていく。
そこへたまたま通りがかった冒険者男女がベルーナを見つけ、立派なおくるみを着ていたことに不審がるが、ベルーナは、若い男女が見ても、とても愛らしい女の子だったので、若い男女はそのままベルーナを抱き上げ、自分たちの子供として育てる決心をする。
冒険者男女は、危険な任務の最中、将来を誓い合った仲だった。それを機に、正式に籍を入れ、ベルーナを実子として、冒険者ギルドに届け出た。
男の名前はマディソン、女の名はエミリア。子供の名前は、おくるみに刺繍が施されていたベルーナをそのまま用いた。
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