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来世:タータン国宿屋の女将として
75.養女の話
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ケビンが宿屋に来て半年が経った頃、ロバート様が今日は重大な話があると、宿に見えたのだ。
「お話とは?」
「実は、もうすでに聞き及んでいることかもしれないが、国王陛下御夫妻がアイリーン殿とアフロディーテ殿に、養女になってもらいたいと仰せなのだ」
「げ!」
「半年前の行幸で、この宿のもてなしを高く評価されていて、特にアイリーン殿とアフロディーテ殿の心づくしが嬉しかったと仰せで、できたら、二人とも、それがかなわぬのなら、どちらか一方と養女にしたいと仰せなのだ」
「せっかくの思し召しを断ることは、大変不敬であると承知しておりますが、今世は、ゆるりとした生活がしたく、まことに申し訳ございませんが、ご辞退申し上げたく……よろしくお計らいくださいませ」
「は?今世とは?この話は、アイリーン殿にとっても、悪いお話ではございません。陛下はこうも仰せになられております。もし宿屋の経営がしたいのなら、王家の所有する保養地か別荘地もしくは離宮で、その宿屋を移築して、そこで経営してもよいとまで、滅多になれる地位ではございませんので、即答しないでじっくりと考えていただきたいのです」
「アイリーンは王女になればいいと思うわよ?慣れているし、ピッタリだと思うけど?」
「アフロディーテ、今までとは事情が違うのよ。王女という地位は、なかなか大変なのよ。だから今世は、ゆっくりしたいのよ」
「あ、あの……ひとつよろしいでしょうか?先ほどから今世を連発されておられますが……今世と言われるからは、前世も来世もあるということなのでしょうか?」
「ええ。あるわよ」
「あ、あの、あまり、そのあたりのことは詳しくないのですが……、お二方はもしかして、転生者でいらっしゃるのですか?」
「転生者ってわけではないと思うけど……?少し違う感じかな?わたくしたちは、この世に使命を持って存在しているというかなんというか……」
「……」
「とにかく、王女殿下にでもなった日には、自由に恋愛もできないったら、ありゃしないから今世ばかりは、っ絶対にイヤよ」
「ちょっと……アイリーン、その言い方からすると、今世では、もう目ぼしい男に目を付けたって言いたそうね?」
「え!?うん。ちょっと気になっている男性はいることはいるけど、相手がわたくしなどを相手にしてくれるかどうかがわからないわけよ」
「さっさとコクって、押し倒せばいいじゃない?」
「今世は、平民だからね、そういうわけにもいかないのよ」
「え!ということは、今世のほの字のお相手は、お貴族様ってこと?誰?教えなさいよ」
ロバートは自分の存在を忘れ去られ、すっかり女子トークにハマっている二人に視線を投げかけるも、いっこうに存在すら気づかれていない。
はぁー。いつもなら、俺が女子の視線を受ける方なのに……。好意を抱いているアフロディーテからは、無視されるし、俺はいつから、こんなにモテなくなってしまったのだろう。
今日は、もう遅いので、それになぜか心が折れたような感覚は気のせいではないと思う。
それで、宿に泊めてくれと申し出ると、1泊金貨33枚で最上階のスイートに泊めてもらえることになったのだ。
階段を上がっている最中に聞こえてきた双子姉妹の漏れ聞こえてくる会話が、聞いたこともないような言葉で理解できなかったことは別としても、ケビンの奴、いつもこんな二人に囲まれていて、幸せだと思った。
「金貨33枚って、エグくない?」
「持てる者からぼったくるのが商売の極意ってもんよ。空き室の稼働率が上がって、嬉しいわ」
「はあ。前々々世の賜物って奴ですか」
あれからスイートルームの中で家具をひとつ増やした。それは冷蔵庫で、時々一人になりたいとき、アイリーンは、このスイートで寝ている。
ナショナル製の冷蔵庫の中には、ビールやマティーニ、ワイン、焼酎にブランデー、ウイスキーまで入れて、その日の気分に合わせて、ちびちびと飲んでいる。
「冷蔵庫の中のお飲み物はご自由に飲んでいただいても、構いませんわ」
それだけ言って、スイートを後にした。
「お話とは?」
「実は、もうすでに聞き及んでいることかもしれないが、国王陛下御夫妻がアイリーン殿とアフロディーテ殿に、養女になってもらいたいと仰せなのだ」
「げ!」
「半年前の行幸で、この宿のもてなしを高く評価されていて、特にアイリーン殿とアフロディーテ殿の心づくしが嬉しかったと仰せで、できたら、二人とも、それがかなわぬのなら、どちらか一方と養女にしたいと仰せなのだ」
「せっかくの思し召しを断ることは、大変不敬であると承知しておりますが、今世は、ゆるりとした生活がしたく、まことに申し訳ございませんが、ご辞退申し上げたく……よろしくお計らいくださいませ」
「は?今世とは?この話は、アイリーン殿にとっても、悪いお話ではございません。陛下はこうも仰せになられております。もし宿屋の経営がしたいのなら、王家の所有する保養地か別荘地もしくは離宮で、その宿屋を移築して、そこで経営してもよいとまで、滅多になれる地位ではございませんので、即答しないでじっくりと考えていただきたいのです」
「アイリーンは王女になればいいと思うわよ?慣れているし、ピッタリだと思うけど?」
「アフロディーテ、今までとは事情が違うのよ。王女という地位は、なかなか大変なのよ。だから今世は、ゆっくりしたいのよ」
「あ、あの……ひとつよろしいでしょうか?先ほどから今世を連発されておられますが……今世と言われるからは、前世も来世もあるということなのでしょうか?」
「ええ。あるわよ」
「あ、あの、あまり、そのあたりのことは詳しくないのですが……、お二方はもしかして、転生者でいらっしゃるのですか?」
「転生者ってわけではないと思うけど……?少し違う感じかな?わたくしたちは、この世に使命を持って存在しているというかなんというか……」
「……」
「とにかく、王女殿下にでもなった日には、自由に恋愛もできないったら、ありゃしないから今世ばかりは、っ絶対にイヤよ」
「ちょっと……アイリーン、その言い方からすると、今世では、もう目ぼしい男に目を付けたって言いたそうね?」
「え!?うん。ちょっと気になっている男性はいることはいるけど、相手がわたくしなどを相手にしてくれるかどうかがわからないわけよ」
「さっさとコクって、押し倒せばいいじゃない?」
「今世は、平民だからね、そういうわけにもいかないのよ」
「え!ということは、今世のほの字のお相手は、お貴族様ってこと?誰?教えなさいよ」
ロバートは自分の存在を忘れ去られ、すっかり女子トークにハマっている二人に視線を投げかけるも、いっこうに存在すら気づかれていない。
はぁー。いつもなら、俺が女子の視線を受ける方なのに……。好意を抱いているアフロディーテからは、無視されるし、俺はいつから、こんなにモテなくなってしまったのだろう。
今日は、もう遅いので、それになぜか心が折れたような感覚は気のせいではないと思う。
それで、宿に泊めてくれと申し出ると、1泊金貨33枚で最上階のスイートに泊めてもらえることになったのだ。
階段を上がっている最中に聞こえてきた双子姉妹の漏れ聞こえてくる会話が、聞いたこともないような言葉で理解できなかったことは別としても、ケビンの奴、いつもこんな二人に囲まれていて、幸せだと思った。
「金貨33枚って、エグくない?」
「持てる者からぼったくるのが商売の極意ってもんよ。空き室の稼働率が上がって、嬉しいわ」
「はあ。前々々世の賜物って奴ですか」
あれからスイートルームの中で家具をひとつ増やした。それは冷蔵庫で、時々一人になりたいとき、アイリーンは、このスイートで寝ている。
ナショナル製の冷蔵庫の中には、ビールやマティーニ、ワイン、焼酎にブランデー、ウイスキーまで入れて、その日の気分に合わせて、ちびちびと飲んでいる。
「冷蔵庫の中のお飲み物はご自由に飲んでいただいても、構いませんわ」
それだけ言って、スイートを後にした。
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