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マドリード国を出て、街道沿いを進んでから1か月が経ったある日のこと。いつも大人しいバブーが牙を剥いて威嚇している。
何かあったのかと眼を凝らしてみると、木立の中に人が倒れていることがわかる。近くには、所在なさげな馬が1頭繋がれたまま。
ん?どうしたのかしら?
近づいて、様子をうかがうが、誰もいない。倒れている人は、身なりの良い恰好をした若い男性で、このあたりを管轄する貴族かもしれない。
水魔法でハンカチを濡らし、顔へ持って行くと、ひどい熱がある。
バブーの力を借りて、馬車に運び入れ、その中で手当てをすることにした。念のため、繋がれていた馬のロープを解き、屋台の後ろに括りつけた。
その馬に水や飼い葉を与え、一服させ、すぐに馬車の中に戻る。
水魔法で冷やしたハンカチを何度も変えたが、一向に熱は下がらない。レオナルドは物珍しさからか、その男性の顔をペチペチと叩いている。
知らない人を叩かないように、と諫めているにも関わらず、なぜか嬉しそうに何度も叩いている。
その衝撃かどうかは、わからないが、その男性が目を覚ました。すると、レオナルドは嬉しそうにキャッキャッと笑いながら、またもやその男性の顔をペチペチと叩く。
「やめなさい!レオナルド」
痛くはないだろうけど、その男性は驚いた顔をして、レオナルドの方をまじまじと見つめている。
それはそうだろうと思うけど、何かしら体調に不具合があり、倒れたと思ったら、気が付くと知らない幼児に顔を叩かれているのだから、誰だって驚く。
「ごめんなさい。木立で倒れられているのを見て、勝手に馬車の中に連れて来てしまいました。お加減いかがですか?もう、熱は下がったみたいですね」
「貴女が助けてくれたのですか?ありがとうございます」
その男性は、この国の人みたいで、用事があり近くの領主を訪ねた帰り、急に体調を崩して、あの木立で倒れてしまったということだった。
ふうん。どっちにしても、毒とか謀略ではなさそうなところがいい。その男性にカラダが温まる小豆粥を食べさせ、馬を解放して、別れようとしたら、急に雨が降り出してきた。
え?さっきまで、晴れていて、雲ひとつなかったのに……。仕方なくどこかで雨宿りをしようと思って屋台に雨除けのカバーをする。
すると、男性が戻ってきて、土魔法を駆使して、小屋らしきものを作ってくれ、そこで雨宿りをすることにしたのだ。
「さっきの変わったスープが美味しかったから、カラダが温まって気分がいい」
男性は、顔を赤らめながら、バレンシアの濡れた体を抱きしめてくる。
バブーは、気を利かせてくれたのか、レオナルドの襟元を咥え、別の部屋へ移動した。
二人は無言で見つめ合ったまま、唇を重ねる。バレンシアにとっては、久しぶりの男のカラダに期待感が止まらない。
その男性は着やせするタイプか、裸体は筋肉で引き締まっていた。そしてアソコも硬く立派なモノがそそり立っていた。
思わず手に取りそうになるのをグっとこらえ、男性の愛撫にカラダを任せる。
グチュグチュと淫猥な水音が響く中、バレンシアは久しぶりの男を堪能した。
「あっ。ああ。あっ。ああ。あっ。ああん」
その後、抜き差しを繰り返し、都合3回ほど愛を交歓して眠りについた。
翌朝、目が覚めると、もう昨日の男性はいなかった。
そりゃそうだよね。レオンハルトだって、ヤリ逃げの置き去りにしたのだから、どこの誰かもわからない男なら、誰でもそうするよね。自分に言い聞かせながらも虚しく着替えをする。
顔を洗うため、水魔法を出し、タオルで顔をぬぐい、簡単に化粧を済ませ、朝食の用意をする。
昨日の痕跡がまだカラダの中心部にあり、ヌメっていたが、今はまだ名残り惜しく始末する気になれない。
レオナルドに離乳食を作るため、屋台のカバーをめくっていると、
「おはよう。よく眠れた?」
昨日の男性が笑顔で、戻ってきてくれた。手には、大量の薪を……拾いに行ってくれていたみたいだった。
何かあったのかと眼を凝らしてみると、木立の中に人が倒れていることがわかる。近くには、所在なさげな馬が1頭繋がれたまま。
ん?どうしたのかしら?
近づいて、様子をうかがうが、誰もいない。倒れている人は、身なりの良い恰好をした若い男性で、このあたりを管轄する貴族かもしれない。
水魔法でハンカチを濡らし、顔へ持って行くと、ひどい熱がある。
バブーの力を借りて、馬車に運び入れ、その中で手当てをすることにした。念のため、繋がれていた馬のロープを解き、屋台の後ろに括りつけた。
その馬に水や飼い葉を与え、一服させ、すぐに馬車の中に戻る。
水魔法で冷やしたハンカチを何度も変えたが、一向に熱は下がらない。レオナルドは物珍しさからか、その男性の顔をペチペチと叩いている。
知らない人を叩かないように、と諫めているにも関わらず、なぜか嬉しそうに何度も叩いている。
その衝撃かどうかは、わからないが、その男性が目を覚ました。すると、レオナルドは嬉しそうにキャッキャッと笑いながら、またもやその男性の顔をペチペチと叩く。
「やめなさい!レオナルド」
痛くはないだろうけど、その男性は驚いた顔をして、レオナルドの方をまじまじと見つめている。
それはそうだろうと思うけど、何かしら体調に不具合があり、倒れたと思ったら、気が付くと知らない幼児に顔を叩かれているのだから、誰だって驚く。
「ごめんなさい。木立で倒れられているのを見て、勝手に馬車の中に連れて来てしまいました。お加減いかがですか?もう、熱は下がったみたいですね」
「貴女が助けてくれたのですか?ありがとうございます」
その男性は、この国の人みたいで、用事があり近くの領主を訪ねた帰り、急に体調を崩して、あの木立で倒れてしまったということだった。
ふうん。どっちにしても、毒とか謀略ではなさそうなところがいい。その男性にカラダが温まる小豆粥を食べさせ、馬を解放して、別れようとしたら、急に雨が降り出してきた。
え?さっきまで、晴れていて、雲ひとつなかったのに……。仕方なくどこかで雨宿りをしようと思って屋台に雨除けのカバーをする。
すると、男性が戻ってきて、土魔法を駆使して、小屋らしきものを作ってくれ、そこで雨宿りをすることにしたのだ。
「さっきの変わったスープが美味しかったから、カラダが温まって気分がいい」
男性は、顔を赤らめながら、バレンシアの濡れた体を抱きしめてくる。
バブーは、気を利かせてくれたのか、レオナルドの襟元を咥え、別の部屋へ移動した。
二人は無言で見つめ合ったまま、唇を重ねる。バレンシアにとっては、久しぶりの男のカラダに期待感が止まらない。
その男性は着やせするタイプか、裸体は筋肉で引き締まっていた。そしてアソコも硬く立派なモノがそそり立っていた。
思わず手に取りそうになるのをグっとこらえ、男性の愛撫にカラダを任せる。
グチュグチュと淫猥な水音が響く中、バレンシアは久しぶりの男を堪能した。
「あっ。ああ。あっ。ああ。あっ。ああん」
その後、抜き差しを繰り返し、都合3回ほど愛を交歓して眠りについた。
翌朝、目が覚めると、もう昨日の男性はいなかった。
そりゃそうだよね。レオンハルトだって、ヤリ逃げの置き去りにしたのだから、どこの誰かもわからない男なら、誰でもそうするよね。自分に言い聞かせながらも虚しく着替えをする。
顔を洗うため、水魔法を出し、タオルで顔をぬぐい、簡単に化粧を済ませ、朝食の用意をする。
昨日の痕跡がまだカラダの中心部にあり、ヌメっていたが、今はまだ名残り惜しく始末する気になれない。
レオナルドに離乳食を作るため、屋台のカバーをめくっていると、
「おはよう。よく眠れた?」
昨日の男性が笑顔で、戻ってきてくれた。手には、大量の薪を……拾いに行ってくれていたみたいだった。
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