置き去りにされた転生シンママはご落胤を秘かに育てるも、モトサヤはご容赦のほどを 

青の雀

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番外編:レオナルド

20.

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 しかし、弟たちは羨ましい。

 バルセロナとセントルイスとで、2人奥さんを持てるだなんて。レオナルドには到底かなわない夢なわけで、自分もフレデリックの実子として生まれてきたかったとつくづくレオンハルトを恨む。

 ヘンリーは、結局、3人の令嬢と交際することにして、他の親たちは、レオンハルトに感謝するとともに、「うちの娘にはまだ妹娘がおりますから、ぜひ、今後ともよしなに」と握手を求めて帰って行った。

 ヘンリーと付き合うことになった令嬢の親も、いつでも邸宅へ遊びに来てくださいと言い残し、上機嫌で帰っていく。

 どの親も、3人も弟殿下がいるとわかり、末の娘だったら、ジェームズ様ともつり合いがとれるのではないかと、それぞれ思惑を胸にほくそ笑んでいるようだった。

 本当っ。捕らぬ狸の皮算用をしているとしか思えないが、それでも希望があったと喜んで帰るのを見届け、弟たちを領地へ送り届ける。

 今日のことも一応、両親へ報告してから、公爵邸に戻る。夏休みには、セントルイスへ帰国して、思う存分ジェーンとイチャつくつもりでいる。

 そういえば、ヘンリーがバルセロナの令嬢3人と交際する話をしたら、気になることを言っていたことを思い出す。

「それなら避妊薬を用意しとかなければ……ね」

「え!?そんなものあるのですか?」

「もちろん、あるわよ。でないと母さん、もう13人ぐらい?んー。もっとかも?子供を産んでいる計算になるわ」

 どんだけお盛んなんだよ!そんな話、息子の前でするな!と言いたい。でも、その薬があれば、ジェーンとあんなこと、こんなことができると思えば、期待に胸が膨らむ。

 そして、待ちに待った夏休みがやってくる。

 弟たちは領地経営の勉強を優先して、セントルイスに帰ろうとはしない。

 勉強熱心というか、何というかはわからない。とにかく先日行われた妃選定会は、弟たちにとってもいい影響を及ぼしたことは確かで、時々、弟たちと会うと、「あの時の〇〇のお姉さんは綺麗だったね」という話がチラホラ聞こえてくる。

 ヘンリーに至っては、母バレンシアから秘密の避妊薬をもらったそうで、もう3人の令嬢を味見したとか?なんだとぉ!?レオナルドより先に女体を味わったなどと……どうだった?とは、死んでも聞けない。

 それでセントルイスに行き、勢い込んで結婚話をしたら、ジェーンは浮かない顔をしている。

「どうした?」

「結婚は、まだ早いと反対されております」

「じゃあせめて、今夜は一緒にいようよ」と誘っても
「今、生理中で……」

 ノリが悪い。

 なんだぁ、こんなことなら、あの妃選定会で適当なスペアを見繕っとけばよかったと後悔する。

 でも、下手に遊ぶと、レオンハルトの二の舞になりかねない。本当っ。呪われた血筋だよ。

 何か憂さ晴らしができるところはないかと探してみたが見つからない。

 仕方なく、セレナーデ家に帰るも、バルセロナのことはよくわからないから、街に遊びに行きたいと言えば、漏れなくあの個師団長がついてくる。

 あーあ。どこかでパァっと気晴らしできるところはないかなぁとひとり呟いていると、バブーが心当たりがあると言ってくれた。

 まさか!?ジャングルに連れて行かれるのでは?と戦々恐々気味で聞いてみると、近いけど違うという。

 近いってなんだよぉ!?

 でも、せっかくの夏休みなのだから、思い切ってバブーと冒険に出てみるのも悪くはない。

 それでバブーの背中に跨り、亜空間に当面の着替えや洗面道具などを入れ、出発することにした。

 何かあればすぐ、転移の魔法で戻って来たらいいと思って。

 着いたところははるか空高く、一面に地平線を見渡したかと思ったら、さらに上昇を続けるバブー。だんだん不安になってくるが、今更引き返してとは言えない。

 バブーの背中にしがみつきながら、目を開けるとそこはまさにパラダイス。裸の美女が出迎えてくれて、誤ってカノジョたちのおっぱいに触っても気にする様子は一切ない。

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