置き去りにされた転生シンママはご落胤を秘かに育てるも、モトサヤはご容赦のほどを 

青の雀

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番外編:レオナルド

23.

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 毎日、鍛錬を続けたおかげで、名実共に逞しく強い王太子殿下となっていく。

 あれから3年の月日が経ち、王立学園を首席で卒業した。弟のヘンリーも同じ学園の1年生として通学している。

 バレンシアとフレデリック夫妻の間には王女が2人いる。バレンシアがレオナルドのことをセクシーだと褒めちぎり、フレデリックが一時焼きもちを焼いていた時期もあったが、落ち着いたようなので、避妊薬を取り上げ、子作りに励んだ結果、見事恥かきっ子が双子で生まれるに至った。

 ミルフィーユとマドレーヌと名付けられ、彼女たちのおかげで、再びバレンシアはお菓子作りに精を出すようになっていく。

 気が付けば、6人の子持ちのオバサンになってしまっている!そのうち2人は成人したけど、今からお菓子を作れば食べてくれるだろうか?

 手始めに前世、作っていた和菓子と言っても、餅菓子だけど、餅粉、小豆を久しぶりに異世界通販で買い、水に浸して仕込んでいく。

 懐かしいわぁ。餅菓子を食べるとどんなに気持ちが落ち込んでいても元気になれる。そして健康になれる。だからわたくしには、お菓子作りの資格を持っているのですもの。

 腕まくりをして、エプロンをつけて、片栗粉を用意して、丸める丸める。

 豆餅とおはぎと鶯餅を今日の気分で作り上げていく。それを城の中で販売していくことにした。タダで配ったら、ありがたみが薄れる。

 もちろん家族や双子ちゃんの乳母にはタダであげる。

 余ったら、バルセロナにも持って行ってあげようと思っていたのに、完売してしまった。また、追加で作ろう。



-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-



 その頃、バルセロナでは、やはりレオナルドが噂の真ん中にいた。

 天界から天女様を側妃として連れてきたものの王城での部屋割りで揉めている。レオナルドは、ひとつのフロアにすべての側妃の部屋を配したい。

 ちょっと多く天女様を連れて来すぎたか?

 当の天女様は一人一部屋でなくてもいいという。

 一人の天女様がレオナルドの前に歩み出て、大きな阿古屋貝のお化けのようなものを見せる。

「この貝のベッドさえあれば、わたくしたちは何不自由なく暮らせます。ですから一人一部屋でなくてもいいのです。この会はただのベッドだけではありません。これに乗り自由に天界へ行き来できるのです。もし、お部屋が足りないのであれば、聖人様が必要な時にいつでも、この城のハーレムに馳せ参じます」

「俺が欲しいと思うときは、いつでも来てくれるのか?」

「左様でございます」

「それなら、ひとつの部屋に、その貝を何個も置けるように広い部屋を作るべきだな」

 レオナルドの指示で間仕切りはすべて取り払われる。床は床そのものがベッドになるようにフカフカのマットが幾重にも敷かれる。

 結婚式はしない代わりに、初夜は一般公開されることが決まった。誰でも我こそは、王子を産みたいと思っている20歳未満の未婚の女性で、生娘ではないことが条件とされ、貴族、平民などの身分にかかわらず参加することができる。

 生娘が除外された理由は、痛がるし、怖がるし、抵抗されるかもしれない女性を気遣いながら初夜を迎えたくないというレオナルドの本音が見え隠れしている。

 王子を産んだ女性は正妃として格上げが予定されている。栄耀栄華は思いのままになる。ただし、ハーレムの中にすでに孕んでいる者は結界によりはじき出される。生まれてきた王子が金髪金眼でないものも同様とする。

 要するに天女様を含めて、金髪金眼の王子を産んだものが正妃なる王妃となるのだ。それに身分は問わない。生娘は、ごめん被りたいという条件まであるので、現在、婚約者がいる令嬢でも、平民でも、いくらでも応募できる。

 事前応募でなくても、当日ハーレムの様子を見ながらでも参加できる。ということから、その日は朝早くから、お弁当持参でハーレム見物の若い女性が絶えない。


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