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王宮で今宵も華やかなパーティが始まる。それぞれ、パートナーや婚約者にエスコートされながら会場入りするが、この物語の主人公たちは、婚約者がいながらエスコートしてもらえない。
ある覚悟を持って、令嬢たちは、今宵のパーティに挑むのである。
「侯爵令嬢クラリス、貴様との婚約は破棄して、妹のレイナと婚約する。」と宣言されてしまった。
しかも腕には、レイナをぶら下げている。ロレッド様は侯爵家の嫡男、つい3か月ほど前に婚約したばかりだ。
「なぜでございますか?」
「それは、貴様がレイナを虐めていたからではないか?レイナから相談を受けている間にレイナのことが哀れに思い、好きになってしまったのだ。」
「そうですか、それでは妹レイナのことは宜しく頼みますわね。」
-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
「侯爵令嬢ダイアナ、貴様とは今この時をもって、婚約を破棄するものとする。かわりに貴様の妹リリアーヌと婚約する。」
高らかに宣言された元婚約者の侯爵令息イマリオ様の腕に勝ち誇った顔をしている妹リリアーヌがいる。
「そうですか、わたくしは、今日限りリリアーヌの姉を辞めます。お好きになさってくださって結構ですわ。」
焦ったのは、リリアーヌ
「お姉さま、私の姉を辞めるとは、どういうことですか?」
「言葉通りですよ、リリアーヌ嬢、あなたとは姉妹の縁を切ります。わたくしのことは、もう姉とは呼ばないでくださいませ。今まで数々のリリアーヌ嬢の尻拭いも、もう今日で終わります。清々したわ。すっとした。さようなら、リリアーヌ嬢。」
「ま、待って、お姉さま、私が悪かったですわ。イマリオ様はお姉さまに返します。」
まるで自分の婚約者をモノ扱いするリリアーヌに他の貴族もイマリオ様はビックリなさっているご様子。
「いいえ、結構です。もう、婚約破棄は成立していますもの。あなたは、いつもそう、わたくしの持っているものすべてを欲しがるだけ、手に入ったら、もういらないでは、世間は通りませんよ。せいぜいイマリオ様に愛想を尽かされないように、お励みくださいませ。それでは、皆さま、ごきげんよう。」
それから一度も振り返らず、その場を後にする。
-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
王宮にて、婚約者である筆頭公爵令息のエドワール・サルトルにエスコートもしてもらえない。
「侯爵令嬢エルメスティーヌ・エラノール、貴様とは、今日をもって婚約破棄することを宣言する。」
エドワール様の腕には、妹のルルアーヌがぶら下がっている。そういうことか!すべてを察した。
妹は、わたくしのものをなんでも欲しがる、ドレスでもアクセサリーでも、宝石でも今度は婚約者を欲しがったのか、さもありなんと目を伏せたが、一応、理由を聞いてみた。
「なぜでございますか?」
「貴様は妹のルルアーヌを虐めていたそうだな、そんな性悪女とは、ごめんだ。悪いが、婚約を破棄させてもらおう。」
ほう、わたくしの代わりにルルアーヌを所望されなかったのね。それでは、ルルアーヌからは、もう用済みとして捨てられるだけね。
「いじめなどしておりませんが、婚約破棄の件、謹んでお受けいたしますわ。では、ごめんあそばせ。」
カーテシーをして、優雅に立ち去る。
「お姉さま!次は、どなたと婚約されますの?わたくし、またご相談に乗っていただきたいことがございますの!」と言いながら、エドワール様の腕からするりと抜け、追いかけてこようとした。
おそらくだが、ルルアーヌは、行儀が悪い。それをサルトル家の侍女たちから叱責を受けたのであろう。エルメスティーヌの次の婚約者に、そのことを相談したいのだ。
「もう、あなたの姉は、今日限りで辞めます。そして、家も出ます。さようなら。」
「ええっ!ごめんなさい!もう、お姉さまのものは欲しがりませんから、……嘘もつきませんし……。なんなら、エドワール様もお返しします。ですから……。」
エドワール様は、ルルアーヌの今の発言を聞いて、騙されていたことがわかりショックを受けている。
周りにいた貴族たちから失笑が漏れている。ルルアーヌの「姉のものはなんでも欲しがる」は、かなり有名な話である。婚約破棄のたびに違約金と賠償金を支払わされているのだから。
「ダメです。あなたはいつもそう言うけど、今までで何度目ですか?もう100回以上はいつも反省しているフリをする。もう、わたくしも我慢の限界です。あなたにこれ以上、付き合ってられません。失礼。」
「いやぁぁぁぁぁぁ~待ってぇぇぇぇぇぇ~お姉さまぁぁぁぁぁ~!」
-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
馬車の乗り場まで来たとき、クラリス、ダイアナ、エルメスティーヌの3人は顔を見合わせて、
「みなさん、派手にやっていましたわね。」
「まさか、ウチ以外でも妹のことで苦労していた人がいたとは……。」
「わたくしたち、気が合うと思いませんか?」
3人の令嬢は頷き合い、仲良くなるのです。
「これからどうなさいますの?」
「わたくしは、もう妹とは縁を切り、この国を捨てるつもりで馬車の中にスーツケースを載せてきましたわよ。」
「「あら、わたくしもですわ。」」
「わたくし達、本当に気が合いましてね。」
「では、参りましょうか?」
「とりあえず、国境を目指しましょうか。」
三人の令嬢は、それぞれの馬車に乗り、王宮を出たところ、それぞれの妹が
「「「お姉さま~待ってください~!」」」
追いかけてくるが、三人が三人とも全員無視している。
そして、その後を追う三人の元婚約者たちも、唖然として馬車の行方を見ている。
ある覚悟を持って、令嬢たちは、今宵のパーティに挑むのである。
「侯爵令嬢クラリス、貴様との婚約は破棄して、妹のレイナと婚約する。」と宣言されてしまった。
しかも腕には、レイナをぶら下げている。ロレッド様は侯爵家の嫡男、つい3か月ほど前に婚約したばかりだ。
「なぜでございますか?」
「それは、貴様がレイナを虐めていたからではないか?レイナから相談を受けている間にレイナのことが哀れに思い、好きになってしまったのだ。」
「そうですか、それでは妹レイナのことは宜しく頼みますわね。」
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「侯爵令嬢ダイアナ、貴様とは今この時をもって、婚約を破棄するものとする。かわりに貴様の妹リリアーヌと婚約する。」
高らかに宣言された元婚約者の侯爵令息イマリオ様の腕に勝ち誇った顔をしている妹リリアーヌがいる。
「そうですか、わたくしは、今日限りリリアーヌの姉を辞めます。お好きになさってくださって結構ですわ。」
焦ったのは、リリアーヌ
「お姉さま、私の姉を辞めるとは、どういうことですか?」
「言葉通りですよ、リリアーヌ嬢、あなたとは姉妹の縁を切ります。わたくしのことは、もう姉とは呼ばないでくださいませ。今まで数々のリリアーヌ嬢の尻拭いも、もう今日で終わります。清々したわ。すっとした。さようなら、リリアーヌ嬢。」
「ま、待って、お姉さま、私が悪かったですわ。イマリオ様はお姉さまに返します。」
まるで自分の婚約者をモノ扱いするリリアーヌに他の貴族もイマリオ様はビックリなさっているご様子。
「いいえ、結構です。もう、婚約破棄は成立していますもの。あなたは、いつもそう、わたくしの持っているものすべてを欲しがるだけ、手に入ったら、もういらないでは、世間は通りませんよ。せいぜいイマリオ様に愛想を尽かされないように、お励みくださいませ。それでは、皆さま、ごきげんよう。」
それから一度も振り返らず、その場を後にする。
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王宮にて、婚約者である筆頭公爵令息のエドワール・サルトルにエスコートもしてもらえない。
「侯爵令嬢エルメスティーヌ・エラノール、貴様とは、今日をもって婚約破棄することを宣言する。」
エドワール様の腕には、妹のルルアーヌがぶら下がっている。そういうことか!すべてを察した。
妹は、わたくしのものをなんでも欲しがる、ドレスでもアクセサリーでも、宝石でも今度は婚約者を欲しがったのか、さもありなんと目を伏せたが、一応、理由を聞いてみた。
「なぜでございますか?」
「貴様は妹のルルアーヌを虐めていたそうだな、そんな性悪女とは、ごめんだ。悪いが、婚約を破棄させてもらおう。」
ほう、わたくしの代わりにルルアーヌを所望されなかったのね。それでは、ルルアーヌからは、もう用済みとして捨てられるだけね。
「いじめなどしておりませんが、婚約破棄の件、謹んでお受けいたしますわ。では、ごめんあそばせ。」
カーテシーをして、優雅に立ち去る。
「お姉さま!次は、どなたと婚約されますの?わたくし、またご相談に乗っていただきたいことがございますの!」と言いながら、エドワール様の腕からするりと抜け、追いかけてこようとした。
おそらくだが、ルルアーヌは、行儀が悪い。それをサルトル家の侍女たちから叱責を受けたのであろう。エルメスティーヌの次の婚約者に、そのことを相談したいのだ。
「もう、あなたの姉は、今日限りで辞めます。そして、家も出ます。さようなら。」
「ええっ!ごめんなさい!もう、お姉さまのものは欲しがりませんから、……嘘もつきませんし……。なんなら、エドワール様もお返しします。ですから……。」
エドワール様は、ルルアーヌの今の発言を聞いて、騙されていたことがわかりショックを受けている。
周りにいた貴族たちから失笑が漏れている。ルルアーヌの「姉のものはなんでも欲しがる」は、かなり有名な話である。婚約破棄のたびに違約金と賠償金を支払わされているのだから。
「ダメです。あなたはいつもそう言うけど、今までで何度目ですか?もう100回以上はいつも反省しているフリをする。もう、わたくしも我慢の限界です。あなたにこれ以上、付き合ってられません。失礼。」
「いやぁぁぁぁぁぁ~待ってぇぇぇぇぇぇ~お姉さまぁぁぁぁぁ~!」
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馬車の乗り場まで来たとき、クラリス、ダイアナ、エルメスティーヌの3人は顔を見合わせて、
「みなさん、派手にやっていましたわね。」
「まさか、ウチ以外でも妹のことで苦労していた人がいたとは……。」
「わたくしたち、気が合うと思いませんか?」
3人の令嬢は頷き合い、仲良くなるのです。
「これからどうなさいますの?」
「わたくしは、もう妹とは縁を切り、この国を捨てるつもりで馬車の中にスーツケースを載せてきましたわよ。」
「「あら、わたくしもですわ。」」
「わたくし達、本当に気が合いましてね。」
「では、参りましょうか?」
「とりあえず、国境を目指しましょうか。」
三人の令嬢は、それぞれの馬車に乗り、王宮を出たところ、それぞれの妹が
「「「お姉さま~待ってください~!」」」
追いかけてくるが、三人が三人とも全員無視している。
そして、その後を追う三人の元婚約者たちも、唖然として馬車の行方を見ている。
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