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その頃、国を捨てた侯爵令嬢美女3人組は、それぞれの馬車でサウスシー国に到着していたのである。海に面した南側の国境を越えた国である。
立派な馬車に飛び切りの美女が3人、入国してきたからちょっとした騒ぎになっていたのである。
3人が馬車から降り、王都の街を歩けば、振り返る人、その場でプロポーズする人、話しかける人、3人の行く先々で混乱が起きている。
「どこから来られたのですか?」
「王子様の(結婚相手を探すための)舞踏会に来られたのですか?」
「お仕事で来られたのですか?」
「いつまでいらっしゃいますか?」
「それにしても、お三人とも、お美しい。」
3人のあまりに美しい令嬢のために、王宮から招待状が届き、しばらくサウスシー国に滞在している間は、王宮に住めることになったのである。
そして、あまりの美貌のために、国王陛下と謁見できることになります。謁見の間に通された3人の令嬢。
「「「はじめまして、わたくし達は、隣国のセントラルランドから参りました。侯爵の娘です。故あって、こちらの国にお邪魔することになりました。どうぞ、御贔屓にお引き立てのほど、よろしくお願いします。」」」
「おお!3人が3人とも侯爵家の令嬢だったとは。いつまでもゆるりといたせ。あ!そうそう、今週の金曜日の夜に我が国の王子の婚約者を決める舞踏会が行われるが、美しいご令嬢には、ぜひ参加していただきたいが、いかがであろうか?」
「「「王子様は、お一方でございますか?」」」
「うむ。なかなか嫁さんを決められない不甲斐ない王子で困っておるわい。」
3人の令嬢は顔を見合わせて、
「「「せっかくでは、ございますがお相手になられる方がお三方なら考えますが、お一方では禍根を残すことにもなりかねませんから、それまでに失礼仕ります。」」」
「そうか、残念だな。」
3人は、それぞれの与えられた部屋へ引き上げていくことにする。それぞれ着替えて、エルメスティーヌの部屋に集まり、お茶会をする。
もっぱらおしゃべりの内容は、妹談義である。いかに自分の妹が酷かったかを言い合っているのだが、どれもこれも似たようなものばかりで、3人とも最後はため息をついている。
「それより、これからどうする?」
「せっかく海が見たくてこの国に来たのに、王子様が一人しかいないなんてね。」
「ねえ、いっそのことここから船に乗って世界一周なんてどう?」
「「いいね!」」
「馬車って、船に乗せられるの?」
「載せられるのもあるはずよ。」
こうして3人は、船で出かけることにしたのだが、パスポートを取得するために冒険者ギルドで登録することになったのである。
美女3人が冒険者ギルドへ行くと、普段ならガラの悪い冒険者が絡んでくるのであるが、あまりの美しさに登録する前からパーティに勧誘される始末である。
どうせなら、ややこしいところとパーティを組むぐらいなら、3人で組みましょうよ。薬草採取ぐらいしかできないだろうけどね。などと言いながら、カウンターのお姉さんが持ってきてくださった水晶玉に順番に手をかざすことにしたら、
なんと!3人とも聖女判定されてしまったのである。顔が綺麗だったら、心まで綺麗なのか。
一度に3人の聖女覚醒は、サウスシー国でも異例のことで、再び国王陛下と謁見することになったのである。
すぐさまセントラルランド国とそれぞれの出身の侯爵家に連絡が行くことになるので、追手がかかるのも時間の問題になる。
「惜しいの。これだけの美女揃いで侯爵令嬢で、冒険者で聖女様が我が国に留まってもらいたいものだが、王子が一人しかいないから、惜しいの。」
御者とともに、船に乗ることが許されて、これから世界への冒険が始まる。
「ねえ、聖女様って魔法が使えるんじゃないの?」
「ええ?何か聞いたことがあるような?ないような?」
「聖魔法で魔物をやっつけるみたいな?」
「あはは、わたくしには、無理でございますわ。」
「「わたくしも」」
そんなこと話していたら、御者の一人が異空間収納のことを教えてくれて、聖女様ならできるはずだとか言われて、その気になってやってみたら、見事3台の馬車が収納できましたわ。
あと転移魔法や治癒魔法のことも教えていただいたけど。ねえ。必要があればするかもしれないけど、今はいらない。
とにかく、今は妹から逃れるためにセントラルランド国から逃げてきただけだから。ついでに、誰かイイ人がいれば、という婚活目的でもあるのだが、今は3人で行動するのが何より楽しい。自分と同じ立場の人だったから、話がツーカーですぐ伝わる。
今まで、妹のことで悩んで誰にも相談できなかったのが、いっぺんに2人も同じ立場の人ができて、「妹が、こんなことしたのよ。」と話しても、「あるある」という期待していた返事がすぐ返ってくる。
少しは、ストレス解消になってちょうどいいのだ。誰かに聞いてもらえるだけでずいぶんと気が楽になるのである。
そして、3人とその御者3人の計6人で船に乗り、いつまでもおしゃべりは続くのである。
立派な馬車に飛び切りの美女が3人、入国してきたからちょっとした騒ぎになっていたのである。
3人が馬車から降り、王都の街を歩けば、振り返る人、その場でプロポーズする人、話しかける人、3人の行く先々で混乱が起きている。
「どこから来られたのですか?」
「王子様の(結婚相手を探すための)舞踏会に来られたのですか?」
「お仕事で来られたのですか?」
「いつまでいらっしゃいますか?」
「それにしても、お三人とも、お美しい。」
3人のあまりに美しい令嬢のために、王宮から招待状が届き、しばらくサウスシー国に滞在している間は、王宮に住めることになったのである。
そして、あまりの美貌のために、国王陛下と謁見できることになります。謁見の間に通された3人の令嬢。
「「「はじめまして、わたくし達は、隣国のセントラルランドから参りました。侯爵の娘です。故あって、こちらの国にお邪魔することになりました。どうぞ、御贔屓にお引き立てのほど、よろしくお願いします。」」」
「おお!3人が3人とも侯爵家の令嬢だったとは。いつまでもゆるりといたせ。あ!そうそう、今週の金曜日の夜に我が国の王子の婚約者を決める舞踏会が行われるが、美しいご令嬢には、ぜひ参加していただきたいが、いかがであろうか?」
「「「王子様は、お一方でございますか?」」」
「うむ。なかなか嫁さんを決められない不甲斐ない王子で困っておるわい。」
3人の令嬢は顔を見合わせて、
「「「せっかくでは、ございますがお相手になられる方がお三方なら考えますが、お一方では禍根を残すことにもなりかねませんから、それまでに失礼仕ります。」」」
「そうか、残念だな。」
3人は、それぞれの与えられた部屋へ引き上げていくことにする。それぞれ着替えて、エルメスティーヌの部屋に集まり、お茶会をする。
もっぱらおしゃべりの内容は、妹談義である。いかに自分の妹が酷かったかを言い合っているのだが、どれもこれも似たようなものばかりで、3人とも最後はため息をついている。
「それより、これからどうする?」
「せっかく海が見たくてこの国に来たのに、王子様が一人しかいないなんてね。」
「ねえ、いっそのことここから船に乗って世界一周なんてどう?」
「「いいね!」」
「馬車って、船に乗せられるの?」
「載せられるのもあるはずよ。」
こうして3人は、船で出かけることにしたのだが、パスポートを取得するために冒険者ギルドで登録することになったのである。
美女3人が冒険者ギルドへ行くと、普段ならガラの悪い冒険者が絡んでくるのであるが、あまりの美しさに登録する前からパーティに勧誘される始末である。
どうせなら、ややこしいところとパーティを組むぐらいなら、3人で組みましょうよ。薬草採取ぐらいしかできないだろうけどね。などと言いながら、カウンターのお姉さんが持ってきてくださった水晶玉に順番に手をかざすことにしたら、
なんと!3人とも聖女判定されてしまったのである。顔が綺麗だったら、心まで綺麗なのか。
一度に3人の聖女覚醒は、サウスシー国でも異例のことで、再び国王陛下と謁見することになったのである。
すぐさまセントラルランド国とそれぞれの出身の侯爵家に連絡が行くことになるので、追手がかかるのも時間の問題になる。
「惜しいの。これだけの美女揃いで侯爵令嬢で、冒険者で聖女様が我が国に留まってもらいたいものだが、王子が一人しかいないから、惜しいの。」
御者とともに、船に乗ることが許されて、これから世界への冒険が始まる。
「ねえ、聖女様って魔法が使えるんじゃないの?」
「ええ?何か聞いたことがあるような?ないような?」
「聖魔法で魔物をやっつけるみたいな?」
「あはは、わたくしには、無理でございますわ。」
「「わたくしも」」
そんなこと話していたら、御者の一人が異空間収納のことを教えてくれて、聖女様ならできるはずだとか言われて、その気になってやってみたら、見事3台の馬車が収納できましたわ。
あと転移魔法や治癒魔法のことも教えていただいたけど。ねえ。必要があればするかもしれないけど、今はいらない。
とにかく、今は妹から逃れるためにセントラルランド国から逃げてきただけだから。ついでに、誰かイイ人がいれば、という婚活目的でもあるのだが、今は3人で行動するのが何より楽しい。自分と同じ立場の人だったから、話がツーカーですぐ伝わる。
今まで、妹のことで悩んで誰にも相談できなかったのが、いっぺんに2人も同じ立場の人ができて、「妹が、こんなことしたのよ。」と話しても、「あるある」という期待していた返事がすぐ返ってくる。
少しは、ストレス解消になってちょうどいいのだ。誰かに聞いてもらえるだけでずいぶんと気が楽になるのである。
そして、3人とその御者3人の計6人で船に乗り、いつまでもおしゃべりは続くのである。
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