チートが無いのに聖女様~なぜだか囲まれてます~

深郷由希菜

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新しい出会い

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神様からの話をしていた時間はそんなに経っていなかったみたいで、二人は仲間探しをしていた。

と言っても、席に座ってるだけに見えるけど。

・・・結局、何も成果がありませんでした。

「この時間では無かったのでしょうか・・・」

しょんぼりするファルゴットさん。

時間とかそういうのも指示すりゃいーのに。

そして宿に向かおうとしたとき。

「へぇ、勇者や魔法使いと一緒に居るってことは、君が聖女ちゃん?かわいーねー?」

「?!貴殿か!」

二人が私を、正確にはいつの間にか私の首元に右腕を絡めてぴったりと背中にくっついている人物を見る。

声や感じる硬さから男性だとわかるその人は、威圧感たっぷりににらまれても平然としている。
凄い人だなぁ。

「聖女ちゃん、柔らかいねー。俺、聖女ちゃんのためなら相手がどんな強いやつでもシーフとしての役割果たしちゃうよ?」

盗賊シーフ?」

「そう、シーフ。やんなっちゃうよね、いくらって男性ばっかりのチームになんて入りたくないよ俺。やっぱりこう、花がないとさ!」

「え、神様に?」

その発言に驚いたのは私だけじゃなかった。

威圧していたり、(私はわからなかったけど)少しだけ殺気を放っていた2人も顔を見合わせているし、毒気が抜けていた。

「そうそう。俺、夢で神様に勇者と合流しろって言われてたんだけど?見たら女の子一人もいないし?」

そこで背中からやっとぬくもりが消えて、固まっていた私の体は安堵ホッとする。

「てことでどうも、聖女ちゃん?俺はシーフのヴィックス。ヴィーとか呼んでいいよ?」

にこにこと笑う姿は、深めの海のような暗い青の髪に緑のバンダナ、動きやすそうな軽装備に包まれた、高身長の男性だった。

でもとにかく軟派な人だとわかったので、ファルゴットさんとは犬猿になるかもしれない?

瞳も髪と同じ色で、覗き込んだら囚われそうで少し怖かった。

「ねぇねぇ、仲間見つかったし、これからどうするの?聖女ちゃん?」

男性には興味ない、と言わんばかりのスルーっぷりで私に構ってくるヴィックスさん。

・・・さん付けもいらないかなぁ?

「仲良くしてくれると俺嬉しいな?君は将来有望っぽいし?将来の美人さんにはお近づきになりたいものっしょ?」

にっこり笑うその表情は明らかに本心じゃないというか、うさんくさい。

でも、この人が仲間ならこれからずっと一緒かぁ・・・。
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