求婚されても困ります!~One Night Mistake~

霧内杳/眼鏡のさきっぽ

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第3章 友情婚と恋愛婚

6.ダブルタキシード

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GWは特に出掛けることもなく、楠木さんの部屋でアニメを観ながらだらだら過ごした。
いや、天神行かない? とは提案されたのだ。
でも私の反応が微妙だったから、楠木さんは速攻で却下した。

でもさすがに福岡に転勤してきて初めての長い休み、私の出不精に付き合わせているのも悪く、筥崎宮はこざきぐうへ行った。

「ここ、挙式から披露宴までできるんだ。
へぇー」

案内看板を楠木さんは興味津々に見ている。
さらに、ちょうど本日挙式の方々がいるとなれば。

「麻里恵の白無垢姿……」

想像しているのか、だらしなく彼の顔が崩れる。

「いや、ウェディングドレスも見たい……」

楽しそうなところ大変申し訳ないが。
私はスカートという奴がどうも苦手なのだ。
高校を卒業し、あれから解放されてどれだけ喜んだか!
あ、スカートが苦手だからといって、自分の性認識が男だとかいうことはない。
女だという自覚もかなり、希薄ではあるけれど。

「……ウェディングドレスとか絶対、着ませんからね」

私の声で、楠木さんが真顔に戻った。
止まっていた足を進め、本殿へ向かう。

「別に無理に着ろとは言わないぞ。
それにいまは探せば、ユニセックスなウェディングスーツを提案しているところもあるからな。
……でも」

言葉を切ったかと思ったら、また彼の顔が崩れた。

「麻里恵とダブルタキシードも……いい」

「……!」

なぜか非常に恥ずかしくなって、楠木さんの背中をバンバン叩いていた。

「そんなに恥ずかしがることないだろ!」

「だから!
私は楠木さんと結婚しないので、着ないという意味で!」

……嘘。
ふたつの意味を込めていた。
でも、楠木さんが私にドレスを強要しないとは思わなかった。
しかも、別の提案まで。

「ほら。
神様にちゃんとお願いしないとな」

賽銭箱の前に到着し、お賽銭を入れる。
柏手を打ったあと、楠木さんの大きな声が響き渡った。

「麻里恵と絶対、結婚できますように!」

「えっ、あっ、……楠木さんが結婚を諦めてくれますように」

慌てて、自分のお願いを小さく口にする。

「僕のほうが声が大きかったから、勝ちだな」

楠木さんは得意げににやりと笑ったけれど、……そういう問題なのか?
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