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第2話 玉の輿じゃないかな?
4.父の気持ち
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部屋に戻るとスーツケースを出して身の回りのものを詰めていった。
なにを持って行っていいのかわからないが、足りないものはあとで取りに帰らせてもらえるのだろうか。
そんなことを考えると急に不安になってくる。
みんなの前では玉の輿だとか冗談めかして笑ってみせたが、不安がないわけじゃない。
反対に不安だらけだ。
でも、自分で決めたことだから。
朋香は自分に云い聞かせると、最後に家族の写真を入れてスーツケースを閉めた。
風呂から上がると仏間から話し声が聞こえる。
そっとのぞいてみると明夫が和子の写真に話しかけていた。
「ごめんな、母さん。
俺、朋香を約束通り、幸せにしてやれなかった」
写真の和子は明夫に笑いかけるばかりでなにも話さない。
「でも、朋香が押部社長と結婚するって云ってくれて、ちょっとほっとしてる。
これで工場は救われるって。
みんな、路頭に迷う心配はないって。
……父親として失格だよ」
ずずっ、僅かに鼻をすする音が聞こえた。
どうも明夫は泣いているようだ。
「洋太が怒るのもよくわかる。
朋香が冗談云って強がってるのわかってる。
でも、どうしていいのかわからない。
……わからないんだ」
和子の写真に泣いてる明夫に、そっと襖を閉めた。
明夫の気持ちが痛かった。
翌朝、朋香が起きると既に洋太は家を出ていた。
せめて、最後の弁当くらい持たせたかったのに。
仲直りができないまま、家を出ることになるのかと思うと心が重い。
なにを持って行っていいのかわからないが、足りないものはあとで取りに帰らせてもらえるのだろうか。
そんなことを考えると急に不安になってくる。
みんなの前では玉の輿だとか冗談めかして笑ってみせたが、不安がないわけじゃない。
反対に不安だらけだ。
でも、自分で決めたことだから。
朋香は自分に云い聞かせると、最後に家族の写真を入れてスーツケースを閉めた。
風呂から上がると仏間から話し声が聞こえる。
そっとのぞいてみると明夫が和子の写真に話しかけていた。
「ごめんな、母さん。
俺、朋香を約束通り、幸せにしてやれなかった」
写真の和子は明夫に笑いかけるばかりでなにも話さない。
「でも、朋香が押部社長と結婚するって云ってくれて、ちょっとほっとしてる。
これで工場は救われるって。
みんな、路頭に迷う心配はないって。
……父親として失格だよ」
ずずっ、僅かに鼻をすする音が聞こえた。
どうも明夫は泣いているようだ。
「洋太が怒るのもよくわかる。
朋香が冗談云って強がってるのわかってる。
でも、どうしていいのかわからない。
……わからないんだ」
和子の写真に泣いてる明夫に、そっと襖を閉めた。
明夫の気持ちが痛かった。
翌朝、朋香が起きると既に洋太は家を出ていた。
せめて、最後の弁当くらい持たせたかったのに。
仲直りができないまま、家を出ることになるのかと思うと心が重い。
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