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第7話 雪が溶けるときっと花が咲く
6.そんな君が愛おしい
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ゆっくりと髪を撫でる手に目を開けると、尚一郎が帰ってきていた。
「……尚一郎さん」
「ごめんね、朋香。
すぐに帰ってこれなくて」
尚一郎の手が、そっと眉尻の傷にふれると、涙がまたこみ上がってくる。
もう瞼が腫れるほど、散々泣いたというのに。
「これくらいのことでって、崇之に叱られて……朋香?」
「尚一郎さん、尚一郎さん……」
尚一郎に抱き付くと、涙がとうとうぽろりと落ちた。
わんわん泣いている朋香に、尚一郎は困惑している。
「私、どうしたらよかったのかな。
雪也がこのままじゃ死んじゃうってわかってて、尚一郎さんと別れるって云えなかった。
私、雪也を殺したも同じだよ。
私、私……」
「朋香……」
ぎゅっと尚一郎に抱きしめられると、少しだけ安心できた。
泣きじゃくる朋香に、尚一郎はただ黙っている。
泣いて、泣いて、泣き疲れてぼーっとなったあたまで、尚一郎にもたれ掛かる。
尚一郎は膝の上に朋香を抱き抱えると、ちゅっ、ちゅっとゆっくり、あやすかのように、つむじに、額に、瞼に、口付けを落とし続けた。
「朋香が気にすることはないんだよ。
全部、あの男の責任だ」
「でも、私が、尚一郎さんと別れさえすれば、雪也は」
尚一郎のいう通り、為替取引で失敗したうえにドツボにはまったのは雪也の責任だ。
けれど、自分は雪也を死なせずにすむ方法を知っていて、それを実行できないことは、朋香を苦しめる。
「やっぱり朋香は僕が思ってた通りの人間だね。
そういうところ、好きだよ」
嬉しそうにふふっと笑うと、ちゅっと唇に口付けを落とされた。
「朋香はもうひとつ、あの男を救う手段があるのに全然気付いてない。
Ich liebe solchen Sie sehr viel(そんな君が愛おしい)」
尚一郎はうっとりと朋香の髪を撫でると、いつもよりも少しだけ長く、口付けしてくる。
しかし、朋香には尚一郎がなにを云っているのかまったく理解できないでいた。
「朋香を苦しめる奴は絶対に許さない。
あの男も、CEOも」
「尚一郎、さん?」
一瞬、尚一郎が冷たい顔をした気がした。
けれど、すぐににっこりと笑って朋香の顔を見る。
「朋香はなにも心配しなくていいよ。
全部僕が片づけてあげる。
だから、安心していまは眠って」
「……はい」
瞼に落ちた口付けに目を閉じると、今日は気持ちが処理しきれないことがあったせいか、すぐに眠気が襲ってきた。
ふれ続ける、尚一郎の唇が心地いい。
「……Dieses Mal, absolut schutzen」
決意するかのように呟かれた言葉は、よく聞き取れないうえに意味がわからなかった。
聞き返そうにも穏やかに眠りへと包まれていく。
そのまま、朋香は安心してゆっくりと夢の世界に入っていった。
「……尚一郎さん」
「ごめんね、朋香。
すぐに帰ってこれなくて」
尚一郎の手が、そっと眉尻の傷にふれると、涙がまたこみ上がってくる。
もう瞼が腫れるほど、散々泣いたというのに。
「これくらいのことでって、崇之に叱られて……朋香?」
「尚一郎さん、尚一郎さん……」
尚一郎に抱き付くと、涙がとうとうぽろりと落ちた。
わんわん泣いている朋香に、尚一郎は困惑している。
「私、どうしたらよかったのかな。
雪也がこのままじゃ死んじゃうってわかってて、尚一郎さんと別れるって云えなかった。
私、雪也を殺したも同じだよ。
私、私……」
「朋香……」
ぎゅっと尚一郎に抱きしめられると、少しだけ安心できた。
泣きじゃくる朋香に、尚一郎はただ黙っている。
泣いて、泣いて、泣き疲れてぼーっとなったあたまで、尚一郎にもたれ掛かる。
尚一郎は膝の上に朋香を抱き抱えると、ちゅっ、ちゅっとゆっくり、あやすかのように、つむじに、額に、瞼に、口付けを落とし続けた。
「朋香が気にすることはないんだよ。
全部、あの男の責任だ」
「でも、私が、尚一郎さんと別れさえすれば、雪也は」
尚一郎のいう通り、為替取引で失敗したうえにドツボにはまったのは雪也の責任だ。
けれど、自分は雪也を死なせずにすむ方法を知っていて、それを実行できないことは、朋香を苦しめる。
「やっぱり朋香は僕が思ってた通りの人間だね。
そういうところ、好きだよ」
嬉しそうにふふっと笑うと、ちゅっと唇に口付けを落とされた。
「朋香はもうひとつ、あの男を救う手段があるのに全然気付いてない。
Ich liebe solchen Sie sehr viel(そんな君が愛おしい)」
尚一郎はうっとりと朋香の髪を撫でると、いつもよりも少しだけ長く、口付けしてくる。
しかし、朋香には尚一郎がなにを云っているのかまったく理解できないでいた。
「朋香を苦しめる奴は絶対に許さない。
あの男も、CEOも」
「尚一郎、さん?」
一瞬、尚一郎が冷たい顔をした気がした。
けれど、すぐににっこりと笑って朋香の顔を見る。
「朋香はなにも心配しなくていいよ。
全部僕が片づけてあげる。
だから、安心していまは眠って」
「……はい」
瞼に落ちた口付けに目を閉じると、今日は気持ちが処理しきれないことがあったせいか、すぐに眠気が襲ってきた。
ふれ続ける、尚一郎の唇が心地いい。
「……Dieses Mal, absolut schutzen」
決意するかのように呟かれた言葉は、よく聞き取れないうえに意味がわからなかった。
聞き返そうにも穏やかに眠りへと包まれていく。
そのまま、朋香は安心してゆっくりと夢の世界に入っていった。
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