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第10話 私の帰る場所
4.対決……?
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高速を降りて急発進と急ブレーキに寿命が縮む思いをしながら辿り着いたのは……アウトレットモールだった。
「庶民はこういうところが好きでしょ?」
にやりと笑う侑岐に、どう返事をしていいのかわからない。
「ちょっとこれ、着てみなさいよ」
「は?」
店に入り服を選ぶと、困惑している朋香とともに侑岐は試着室に押し込んだ。
ドアの外では店員が侑岐に振り回されているようだ。
着ろと云われて渋々着替え、試着室のドアを開けるとつかつかと侑岐が寄ってくる。
「んー、もうちょっと丈が短い方がいいわねー。
じゃあ、次はこっち」
「はあ」
再び押しつけられた服を手に試着室のドアを閉める。
視界の隅に見えたのは、何枚も洋服の掛かったラックと、疲労困憊気味な店員。
「着替えた?」
「えっ、あっ」
まだ返事もしないうちに侑岐にドアを開けられた。
なめるように上から下まで朋香を見ると、唇をきれいな三日月型にしてにっこりと笑う。
「それ、いいわね。
そのまま、着ていっちゃいなさい。
……店員!
これをもらうわ!
あと、そのラックの服、全部包んどいて!
……朋香、次、行くわよ!」
「あ、あの!」
朋香の手を掴むと、侑岐は強引に歩き出した。
そのあと、アウトレットモール内の店を何軒も梯子させられた。
朋香を着せかえ人形にしてバンバン買い物をするあたり、侑岐と尚一郎は似ている。
「私ね。
別に、尚一郎が誰と結婚しようとかまわないの。
アメリカに恋人がいるし」
「え、えっと……」
休憩で入ったコーヒーショップ。
すました顔をしてカップを口に運ぶ侑岐に困惑した。
左手に嵌められていた指環は、いつの間にか外されている。
「それに、達之助おじいさまが怒り狂ってるの見るの、面白いし」
「は、はぁ……」
あれが面白いとは、侑岐がどういう感覚をしているのか、理解できない。
「……でもそれで、女の子が不幸になるのは、許せないのよ……」
ずっと高飛車な態度をとっていた侑岐だが、ふと目を伏せてはぁーっ小さく息を吐き出した。
その姿は憂いに帯びていて、朋香の心を不安にさせる。
それに、先ほどから侑岐がなにを云っているのか気になった。
もしかして以前、尚一郎に関わって不幸になった女性がいるのだろうか。
「尚一郎を説得したけど無駄だった。
だから、あなたを説得しようと思ったんだけど、無駄だったわね」
ふふっ、淋しそうに侑岐が笑う。
最初は、達之助側の嫌な人間だと思っていた。
けれど本当は、誰よりも自分のことを考えてくれているんじゃないだろうか。
「でも、覚えてて。
達之助おじいさまは残酷な方よ。
あなたが思っているよりもずっと、ずっと。
少しでも無理だと思ったら、迷わず尚一郎と別れなさい。
じゃないとあなたが……」
するり、侑岐の手が朋香の頬を撫で、じっと見つめてくる。
不安げに揺れる瞳が憂いを帯び、女の朋香でも魅了されてしまいそうなほど、美しい。
「侑岐!
朋香をどうする気だ!」
足音荒く近づいてきた男が、朋香の頬にふれていた侑岐の手を掴む。
その手の持ち主をたどって視線を上げると、息を切らせた尚一郎が立っていた。
「残念。
ナイト登場ね」
ぱちんと朋香に向かっていたずらっぽくウィンクをすると、侑岐は完全に開き直って尚一郎の手を振り払った。
「どうするもなにも。
女同士でショッピングを楽しんでただけだけど?
ねえ、朋香?」
「あっ、はい」
そうなのだ、なにをされるのかあんなに怯えたのに、結局やっていたことはショッピング。
「尚一郎こそ、どうしてこんなところにいるの?
まさか、朋香をストーカーしてたなんて云わないわよね?」
嘲るように侑岐に笑われ、尚一郎が言葉を詰まらせる。
「は、花岡が朋香が侑岐に連れていかれた、って。
それで、心配で」
……はぁーっ、思わず、朋香の口からため息が落ちた。
実家に帰っても、シークレットサービスに監視させてたなんて。
「へー、仕事は?
さっきから携帯、震えっぱなしみたいだけど?
出なくていいの?」
「うっ」
渋々、尚一郎が通話ボタンをタップした途端。
『尚一郎!
おまえ、どこでなにしてる!』
携帯の向こうから怒鳴り声が響きわたる。
「崇之、そんな大声出さなくても聞こえてるから……。
……Ja(うん)……Ja…….Weil(だから)……Estshuldigung(ごめんなさい)」
ピッ、通話を終えると尚一郎はがっくりとうなだれ、朋香に抱きついてきた。
「崇之に怒られた……。
仕事、放り出してきたから……」
崇之というのは秘書の犬飼のことだ。
仕事中に突然、社長が姿を消せばさぞかし犬飼は慌てたことだろう。
短期間とはいえ社長である明夫の秘書をしていた朋香としては、その心中を察し、犬飼に同情していた。
「尚一郎の会社って、社長が怠けててもやっていけるのねー。
うらやましいわー」
挑発するかのように見下す侑岐に、尚一郎のなにかがぶちっと切れた音がした気がした。
「それもこれも侑岐が朋香を勝手に連れ出したりするからだろ!
買い物だろうがなんだろうが、君ごときが朋香とともにするなんて、許されるとでも思っているのかい!?
Tomoka alles meins! 」
「ふーん、『朋香は僕だけのもの』ねー」
がるるるっ、侑岐から遠ざけるかのように朋香を抱きしめ、まるで犬みたいに尚一郎は威嚇しているが。
「あのー、おふたりとも」
「なに?」
「なんだい?」
同時に発せられた台詞に侑岐と尚一郎がまた睨み合い、はぁっと小さく、朋香はため息をついた。
「そろそろやめないですか?
その、……視線が」
恥ずかしそうに俯いた朋香に、ふたりが顔を見合わせる。
侑岐だけでも目立っていたのに尚一郎も加わると、映画かテレビの撮影なのかとそれでなくても視線が集まるうえに、こんなに騒いでいると完全に注目の的。
「ごめん、朋香。
そろそろ帰ろうか。
侑岐なんか無視して」
「ごめんなさいね、朋香。
場所を変えてゆっくりお話ししましょう?
尚一郎なんて無視して」
同時に口を開いたふたりがまた睨み合う。
もしかして、尚一郎と侑岐は似たもの同士なんじゃなかろうか。
「だから朋香は僕のものだって云っただろう?」
「エー、だって私、もっと朋香とお話ししたいしー。
それに、あの話の返事、しなくていいの?」
「うっ」
意味深に笑う侑岐に、尚一郎が黙った。
完全に弄ばれている気がするのは気のせいだろうか。
尚一郎は一呼吸おいてはぁーっと諦めたかのように大きなため息を落とした。
「わかった、場所を変えて話をしよう。
ここじゃ目立ちすぎるから」
「……そうね」
……とうとう三人の周りには、携帯片手の人垣ができていた。
「庶民はこういうところが好きでしょ?」
にやりと笑う侑岐に、どう返事をしていいのかわからない。
「ちょっとこれ、着てみなさいよ」
「は?」
店に入り服を選ぶと、困惑している朋香とともに侑岐は試着室に押し込んだ。
ドアの外では店員が侑岐に振り回されているようだ。
着ろと云われて渋々着替え、試着室のドアを開けるとつかつかと侑岐が寄ってくる。
「んー、もうちょっと丈が短い方がいいわねー。
じゃあ、次はこっち」
「はあ」
再び押しつけられた服を手に試着室のドアを閉める。
視界の隅に見えたのは、何枚も洋服の掛かったラックと、疲労困憊気味な店員。
「着替えた?」
「えっ、あっ」
まだ返事もしないうちに侑岐にドアを開けられた。
なめるように上から下まで朋香を見ると、唇をきれいな三日月型にしてにっこりと笑う。
「それ、いいわね。
そのまま、着ていっちゃいなさい。
……店員!
これをもらうわ!
あと、そのラックの服、全部包んどいて!
……朋香、次、行くわよ!」
「あ、あの!」
朋香の手を掴むと、侑岐は強引に歩き出した。
そのあと、アウトレットモール内の店を何軒も梯子させられた。
朋香を着せかえ人形にしてバンバン買い物をするあたり、侑岐と尚一郎は似ている。
「私ね。
別に、尚一郎が誰と結婚しようとかまわないの。
アメリカに恋人がいるし」
「え、えっと……」
休憩で入ったコーヒーショップ。
すました顔をしてカップを口に運ぶ侑岐に困惑した。
左手に嵌められていた指環は、いつの間にか外されている。
「それに、達之助おじいさまが怒り狂ってるの見るの、面白いし」
「は、はぁ……」
あれが面白いとは、侑岐がどういう感覚をしているのか、理解できない。
「……でもそれで、女の子が不幸になるのは、許せないのよ……」
ずっと高飛車な態度をとっていた侑岐だが、ふと目を伏せてはぁーっ小さく息を吐き出した。
その姿は憂いに帯びていて、朋香の心を不安にさせる。
それに、先ほどから侑岐がなにを云っているのか気になった。
もしかして以前、尚一郎に関わって不幸になった女性がいるのだろうか。
「尚一郎を説得したけど無駄だった。
だから、あなたを説得しようと思ったんだけど、無駄だったわね」
ふふっ、淋しそうに侑岐が笑う。
最初は、達之助側の嫌な人間だと思っていた。
けれど本当は、誰よりも自分のことを考えてくれているんじゃないだろうか。
「でも、覚えてて。
達之助おじいさまは残酷な方よ。
あなたが思っているよりもずっと、ずっと。
少しでも無理だと思ったら、迷わず尚一郎と別れなさい。
じゃないとあなたが……」
するり、侑岐の手が朋香の頬を撫で、じっと見つめてくる。
不安げに揺れる瞳が憂いを帯び、女の朋香でも魅了されてしまいそうなほど、美しい。
「侑岐!
朋香をどうする気だ!」
足音荒く近づいてきた男が、朋香の頬にふれていた侑岐の手を掴む。
その手の持ち主をたどって視線を上げると、息を切らせた尚一郎が立っていた。
「残念。
ナイト登場ね」
ぱちんと朋香に向かっていたずらっぽくウィンクをすると、侑岐は完全に開き直って尚一郎の手を振り払った。
「どうするもなにも。
女同士でショッピングを楽しんでただけだけど?
ねえ、朋香?」
「あっ、はい」
そうなのだ、なにをされるのかあんなに怯えたのに、結局やっていたことはショッピング。
「尚一郎こそ、どうしてこんなところにいるの?
まさか、朋香をストーカーしてたなんて云わないわよね?」
嘲るように侑岐に笑われ、尚一郎が言葉を詰まらせる。
「は、花岡が朋香が侑岐に連れていかれた、って。
それで、心配で」
……はぁーっ、思わず、朋香の口からため息が落ちた。
実家に帰っても、シークレットサービスに監視させてたなんて。
「へー、仕事は?
さっきから携帯、震えっぱなしみたいだけど?
出なくていいの?」
「うっ」
渋々、尚一郎が通話ボタンをタップした途端。
『尚一郎!
おまえ、どこでなにしてる!』
携帯の向こうから怒鳴り声が響きわたる。
「崇之、そんな大声出さなくても聞こえてるから……。
……Ja(うん)……Ja…….Weil(だから)……Estshuldigung(ごめんなさい)」
ピッ、通話を終えると尚一郎はがっくりとうなだれ、朋香に抱きついてきた。
「崇之に怒られた……。
仕事、放り出してきたから……」
崇之というのは秘書の犬飼のことだ。
仕事中に突然、社長が姿を消せばさぞかし犬飼は慌てたことだろう。
短期間とはいえ社長である明夫の秘書をしていた朋香としては、その心中を察し、犬飼に同情していた。
「尚一郎の会社って、社長が怠けててもやっていけるのねー。
うらやましいわー」
挑発するかのように見下す侑岐に、尚一郎のなにかがぶちっと切れた音がした気がした。
「それもこれも侑岐が朋香を勝手に連れ出したりするからだろ!
買い物だろうがなんだろうが、君ごときが朋香とともにするなんて、許されるとでも思っているのかい!?
Tomoka alles meins! 」
「ふーん、『朋香は僕だけのもの』ねー」
がるるるっ、侑岐から遠ざけるかのように朋香を抱きしめ、まるで犬みたいに尚一郎は威嚇しているが。
「あのー、おふたりとも」
「なに?」
「なんだい?」
同時に発せられた台詞に侑岐と尚一郎がまた睨み合い、はぁっと小さく、朋香はため息をついた。
「そろそろやめないですか?
その、……視線が」
恥ずかしそうに俯いた朋香に、ふたりが顔を見合わせる。
侑岐だけでも目立っていたのに尚一郎も加わると、映画かテレビの撮影なのかとそれでなくても視線が集まるうえに、こんなに騒いでいると完全に注目の的。
「ごめん、朋香。
そろそろ帰ろうか。
侑岐なんか無視して」
「ごめんなさいね、朋香。
場所を変えてゆっくりお話ししましょう?
尚一郎なんて無視して」
同時に口を開いたふたりがまた睨み合う。
もしかして、尚一郎と侑岐は似たもの同士なんじゃなかろうか。
「だから朋香は僕のものだって云っただろう?」
「エー、だって私、もっと朋香とお話ししたいしー。
それに、あの話の返事、しなくていいの?」
「うっ」
意味深に笑う侑岐に、尚一郎が黙った。
完全に弄ばれている気がするのは気のせいだろうか。
尚一郎は一呼吸おいてはぁーっと諦めたかのように大きなため息を落とした。
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