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第一章 新しい生活の始まり
002-2
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道中、食べられそうな獣がいたら捕まえる、と二人は言っていたんだけど、僕ですら感じるその殺気の所為か、獲物は全然獲れそうになかった。
「すまない…」
クリフさんがしょんぼりした様子で干し肉をかじろうとした時、草の陰から何かが飛び出して来て、コッコを狙った。
さすが騎士というのか、瞬間的にクリフさんの短剣がコッコを狙った影に刺さった。
コッコは無事だ。
「チネクだな。これなら食べれそうだ。ところでアシュリー、解体は出来るか?」
チネクと言うのは森などに生息するそんなに大きくない獣で、すばしっこいけど、肉に臭みはなく、美味しい。
罠を仕掛けても頭が良くて、餌だけ取られて逃げられる事が殆ど。
「あ、はい。実家でやってたので」
コッコが狙われないようにノエルさんに抱いてもらってる間に、チネクを捌いていく。
その様子をクリフさんが見てる。見られてると緊張するんだけどな…。
「動きに無駄がない、血抜きも完璧だ。凄いな、アシュリーは」
父が狩人な為、日常的に動物を捌く事になれてるんだよね。
「血の臭いで他の獣が来たら、お願いします」
僕が言うと、クリフさんは頷いて無論だ、と力強い返事をくれた。
さっきも一瞬で仕留めてたしね。さすが騎士団の副団長。
捌いて肉の部分を水魔法でキレイに洗ってから、塩を揉み込む。
脂身の部分はあまりなかったけど、取っておいて、焼く時に使う事にした。
「あ! コッコ! ちょっと待って!」
腕からコッコが逃げ出したようで、ノエルさんが慌てて追いかける。
僕も捌くのが落ち着いたから、水魔法で手を洗って、コッコ追跡に加わる。
コッコは地中に埋もれた何かを必死に掘り起こそうと、嘴で突いてる。
何があるんだろう? ミミズ? コッコも食事の時間?
掘るのをノエルさんと一緒に手伝っていると、土の中からノグの実が出てきた。
生だとちょっと匂いが強いけど、火を通すと匂いも緩和されて美味しいんだよね。
ノグの実を3つ程手に入れて、携帯用のまな板でノグの実をざく切りにする。
小さめの鍋にノグの実を入れ、水と塩を入れて火魔法で煮ていく。ノグの実のお陰で美味しいスープが出来そう。
十五分ぐらい置いて肉に塩味を染み込ませた後、フライパンで焼き、クリフさんとノエルさんにチネクステーキを食べてもらった。
自分だけのお皿しかなかったので、回して食べる。スープを入れるカップも同様に。
二人は肉をひと口食べると、言葉を発する事なく、黙々と食べた。
「美味しい……!」
僕もひと口食べる。
うん、やっぱりチネクの肉は美味しい。まさかこんな形でチネクが食べられるなんて、幸せ!
「アシュリーの料理は、塩味だけなのに美味しいな。」
クリフさんの言葉にノエルさんも頷く。
「そうですか?」
「うん、調理人に向いてるんじゃないかな。僕、食べに行くね?」
「オレも行く」
空腹と、久々の食事という二重の効果で、二人の中で僕の料理が美味しい物というイメージが付いてしまったような気がする!
「すまない…」
クリフさんがしょんぼりした様子で干し肉をかじろうとした時、草の陰から何かが飛び出して来て、コッコを狙った。
さすが騎士というのか、瞬間的にクリフさんの短剣がコッコを狙った影に刺さった。
コッコは無事だ。
「チネクだな。これなら食べれそうだ。ところでアシュリー、解体は出来るか?」
チネクと言うのは森などに生息するそんなに大きくない獣で、すばしっこいけど、肉に臭みはなく、美味しい。
罠を仕掛けても頭が良くて、餌だけ取られて逃げられる事が殆ど。
「あ、はい。実家でやってたので」
コッコが狙われないようにノエルさんに抱いてもらってる間に、チネクを捌いていく。
その様子をクリフさんが見てる。見られてると緊張するんだけどな…。
「動きに無駄がない、血抜きも完璧だ。凄いな、アシュリーは」
父が狩人な為、日常的に動物を捌く事になれてるんだよね。
「血の臭いで他の獣が来たら、お願いします」
僕が言うと、クリフさんは頷いて無論だ、と力強い返事をくれた。
さっきも一瞬で仕留めてたしね。さすが騎士団の副団長。
捌いて肉の部分を水魔法でキレイに洗ってから、塩を揉み込む。
脂身の部分はあまりなかったけど、取っておいて、焼く時に使う事にした。
「あ! コッコ! ちょっと待って!」
腕からコッコが逃げ出したようで、ノエルさんが慌てて追いかける。
僕も捌くのが落ち着いたから、水魔法で手を洗って、コッコ追跡に加わる。
コッコは地中に埋もれた何かを必死に掘り起こそうと、嘴で突いてる。
何があるんだろう? ミミズ? コッコも食事の時間?
掘るのをノエルさんと一緒に手伝っていると、土の中からノグの実が出てきた。
生だとちょっと匂いが強いけど、火を通すと匂いも緩和されて美味しいんだよね。
ノグの実を3つ程手に入れて、携帯用のまな板でノグの実をざく切りにする。
小さめの鍋にノグの実を入れ、水と塩を入れて火魔法で煮ていく。ノグの実のお陰で美味しいスープが出来そう。
十五分ぐらい置いて肉に塩味を染み込ませた後、フライパンで焼き、クリフさんとノエルさんにチネクステーキを食べてもらった。
自分だけのお皿しかなかったので、回して食べる。スープを入れるカップも同様に。
二人は肉をひと口食べると、言葉を発する事なく、黙々と食べた。
「美味しい……!」
僕もひと口食べる。
うん、やっぱりチネクの肉は美味しい。まさかこんな形でチネクが食べられるなんて、幸せ!
「アシュリーの料理は、塩味だけなのに美味しいな。」
クリフさんの言葉にノエルさんも頷く。
「そうですか?」
「うん、調理人に向いてるんじゃないかな。僕、食べに行くね?」
「オレも行く」
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