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第一章 新しい生活の始まり
003-4
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「おはよう、ラズロ、アシュリー」
扉が開いてノエルさんが入って来た。
「アシュリー、お願い、僕にも何か食べさせてー」
ちらりとラズロさんを見る。
「食材は好きなの使っていいぞ」
「はい、分かりました」
まだ鍋に少し残っていたノグの実のスープに水を少し足す。これだけだとあんまりだよね。
食材を見ると、パンとチーズがあった。
スープの味を見て、スライスしたパンをスープの中に入れてから、チーズを上に散らばらせて、火魔法で一瞬だけ加熱して、チーズを溶かす。
スープ皿に移して、スプーンと一緒に持って行くと、ノエルさんが笑顔になった。
「アシュリー、ありがとう! 昨日、報告書をまとめてたから帰れてなくて、おなかが空いてたんだよー」
ノエルさんはチーズをスプーンでつつく。
「アシュリー、これなに? チーズに似てるけど」
「チーズです。とけてる方が食べやすいかと思って」
「さっきの火魔法はこれかー」
そう言ってスープを口にする。
「んー、美味しい! チーズがとろりとして、パンがスープを吸ってて。チーズをこんな風に食べたの初めてだよ」
ラズロさんがノエルさんからスプーンを奪うと、ひと口飲む。
「美味いな。
アシュリー、明日からはオレ達の分でも気にせず食材使っていいからな?」
「あ、はい」
そうなのか、いけないのかと思ってた。
ノエルさんはラズロさんからスプーンを取り戻すと、スープを食べ始める。
「おなかが温まるし、ホッとする味で、美味しい」
ぺろりとスープを平らげたノエルさんは、ふぅ、とため息を吐いた。
「あとは温かいお風呂に入れたら言う事なしなんだけど……寮のお風呂は週末じゃないと入れないからなぁ……」
しょんぼりした顔のノエルさん。
「あのー、ノエルさん」
「ん?」
「王都では、公共のお風呂はないんですか?」
ラズロさんとノエルさんが同時に「公共の風呂?」と聞き返してきた。
僕は頷く。
「僕のいた村は、昔疫病が流行った事があって、それから清潔に保つ為にお風呂に入る事になってたんです。
でも、水も薪も沢山使うので、村の魔女が大きなお風呂に水魔法と火魔法を使ってお風呂を入れてました」
ぽかんとする二人。
「村の真ん中を通る川に風車をいくつも用意して、小麦を引いたり、洗濯をしたり、清潔を保つ事に熱心な村だったんです」
「だからか、アシュリーの村は、全然臭くなかった。
みんな普通の村人とは思えないぐらいに小綺麗で、凄い不思議だったんだ」
「王都なんかより、よっぽど清潔な村だな」
ラズロさんの言葉にノエルさんが頷く。
昨日は盥を借りてお湯を張って、布で身体を拭いたんだけど、これが毎日とかはちょっと耐えられない。
「ノエル、裏庭に小屋を建ててもいいか?」
「小屋? 何に使う小屋?」
「アシュリーの風呂。ついでにオレも入らせてもらう」
「?!」
「あ、それいいね。僕も入りたい。
後でちょっと許可取ってくるから、待ってて」
「あ、それから、アシュリーが牛を飼いたいらしいから、それの許可も頼む。
上手くいけば、新鮮なミルクが手に入って料理の幅が広がる」
ノエルさんが良い笑顔で、いいね! と答える。
あわわわわわ、なんか僕、余計な事を言っちゃったような気がするんだけど、大丈夫かな……。
扉が開いてノエルさんが入って来た。
「アシュリー、お願い、僕にも何か食べさせてー」
ちらりとラズロさんを見る。
「食材は好きなの使っていいぞ」
「はい、分かりました」
まだ鍋に少し残っていたノグの実のスープに水を少し足す。これだけだとあんまりだよね。
食材を見ると、パンとチーズがあった。
スープの味を見て、スライスしたパンをスープの中に入れてから、チーズを上に散らばらせて、火魔法で一瞬だけ加熱して、チーズを溶かす。
スープ皿に移して、スプーンと一緒に持って行くと、ノエルさんが笑顔になった。
「アシュリー、ありがとう! 昨日、報告書をまとめてたから帰れてなくて、おなかが空いてたんだよー」
ノエルさんはチーズをスプーンでつつく。
「アシュリー、これなに? チーズに似てるけど」
「チーズです。とけてる方が食べやすいかと思って」
「さっきの火魔法はこれかー」
そう言ってスープを口にする。
「んー、美味しい! チーズがとろりとして、パンがスープを吸ってて。チーズをこんな風に食べたの初めてだよ」
ラズロさんがノエルさんからスプーンを奪うと、ひと口飲む。
「美味いな。
アシュリー、明日からはオレ達の分でも気にせず食材使っていいからな?」
「あ、はい」
そうなのか、いけないのかと思ってた。
ノエルさんはラズロさんからスプーンを取り戻すと、スープを食べ始める。
「おなかが温まるし、ホッとする味で、美味しい」
ぺろりとスープを平らげたノエルさんは、ふぅ、とため息を吐いた。
「あとは温かいお風呂に入れたら言う事なしなんだけど……寮のお風呂は週末じゃないと入れないからなぁ……」
しょんぼりした顔のノエルさん。
「あのー、ノエルさん」
「ん?」
「王都では、公共のお風呂はないんですか?」
ラズロさんとノエルさんが同時に「公共の風呂?」と聞き返してきた。
僕は頷く。
「僕のいた村は、昔疫病が流行った事があって、それから清潔に保つ為にお風呂に入る事になってたんです。
でも、水も薪も沢山使うので、村の魔女が大きなお風呂に水魔法と火魔法を使ってお風呂を入れてました」
ぽかんとする二人。
「村の真ん中を通る川に風車をいくつも用意して、小麦を引いたり、洗濯をしたり、清潔を保つ事に熱心な村だったんです」
「だからか、アシュリーの村は、全然臭くなかった。
みんな普通の村人とは思えないぐらいに小綺麗で、凄い不思議だったんだ」
「王都なんかより、よっぽど清潔な村だな」
ラズロさんの言葉にノエルさんが頷く。
昨日は盥を借りてお湯を張って、布で身体を拭いたんだけど、これが毎日とかはちょっと耐えられない。
「ノエル、裏庭に小屋を建ててもいいか?」
「小屋? 何に使う小屋?」
「アシュリーの風呂。ついでにオレも入らせてもらう」
「?!」
「あ、それいいね。僕も入りたい。
後でちょっと許可取ってくるから、待ってて」
「あ、それから、アシュリーが牛を飼いたいらしいから、それの許可も頼む。
上手くいけば、新鮮なミルクが手に入って料理の幅が広がる」
ノエルさんが良い笑顔で、いいね! と答える。
あわわわわわ、なんか僕、余計な事を言っちゃったような気がするんだけど、大丈夫かな……。
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