前代未聞のダンジョンメーカー

黛 ちまた

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第一章 新しい生活の始まり

008-3

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 濯ぎを終えた洗濯物を、ラズロさんが用意してくれたロープに引っ掛けて干す。
 白くなった洗濯物が並んで風に揺れるのを見るのは気持ち良い。
 今日は天気も良いし、良く乾きそう。

「アシュリー、茄子を薄く切ったけど、これ、どうすんだ?」

「茄子でキノコを巻いて、ひき肉とソースをかけて食べるんですよ。茄子で巻いてあるとキノコもバラバラになりにくくて食べやすいですし」

 ソースはパンを付けて食べると美味しいし。
 玉ねぎとベーコンのスープも付ける予定。

「おー、美味そうだな!」

 ラズロさんが安売りしてたからと沢山キノコを買って来てくれたんだけど、キノコは結構悪くなるのが早いんだよね。だから美味しいうちに食べちゃいたい。

 厨房に戻った僕は、毒キノコが混じってないかを確認する。

「なにやってんだ?」

「一応、毒キノコが混じってないかの確認をしておこうかと思って」

「アシュリーは毒キノコ見極められんのか?」

 山育ちですから、と答えて山盛りのキノコを選り分けていく。念の為見ておいて良かった。少し危険なのが混じってた。

「毒キノコは捨てるしかねぇんだよな?」

「僕は薬に詳しくないのでアレなんですけど、僕の村にいた魔女は毒キノコを乾燥させて薬にしてました」

「毒薬?!」

 強張った顔でラズロさんが言うから、おかしくなって笑ってしまう。

「使い方で薬になるみたいです。例えばこれ」

 ひと房のキノコを持ち上げる。
 傘の部分が真っ白くて大きい。パッと見、よく食べるキノコに似てる。

「このキノコ、クラヤミタケって言うんですけど、暗い場所で光るんですよ。これ自体には毒はないんですけど、いくら煮ても焼いても美味しくないんです。でも、乾燥させて粉にすると腹痛の薬に混ぜたりするんだそうです」

「ほぉー?」

 怪訝な顔でキノコを手に取って見つめる。

「アシュリーはその魔女から薬は教えてもらわなかったのか?」

 どうしてだろう?
 二日酔いに効く薬を作ってもらえただろ、と言ってラズロさんはにやりと笑った。
 父さんもそうだったけど、飲み過ぎると翌日辛いのに、どうしてあんなに飲むんだろう? いつも母さんに怒られていたのに、それでも止めないんだもの、不思議でならないんだよね。僕も大人になったらあぁなるのかなぁ?

「二日酔いに効くものなら作れますよ?」

「マジか?!」

「父さんがよく二日酔いになっていたので、簡単なのは魔女に教わってます。薬ではないですけど」

 ラズロさんに抱きしめられた。
 ……そんなに……?

「でも、飲み過ぎ注意ですよ?」

 僕の言葉はラズロさんには届いてないっぽい。楽しそうに鼻歌を歌いながら片付け始めたし。
 うーん……余計な事を言ったかなぁ……。

「二日酔いに効くとは言っても、緩和させるだけですよ? 完全に治すものではないですよ?」

「おー、わーってるよ!」

 ……アレは分かってないっぽい。もー……。

 ため息を吐きながら、毒キノコをまとめておく。これだけあったら魔女が喜びそうだな、と思いながら。
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