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第一章 新しい生活の始まり
016-2
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パニーノを大量に作った。コーヒーや紅茶を飲むように口に出来るスープが良いんじゃないかと言う事になった。
「ラズロさん、スープはポタージュにした方が冷めやすいと思うんです。それと、具を潰そうと思います」
「名案だと思うけど、量が増えたら大変じゃねぇか? 大丈夫か?」
僕の魔力を心配してくれてるみたい。
「味見しながら魔力を回復します」
「おぅ、食っとけ食っとけ」
魔力は睡眠、食事によって回復される。後はポーションと呼ばれる液体を飲む事でも回復するみたい。僕は魔力がそもそもそんなに無いから、少し食べれば回復出来ちゃうんだけど。
キノコのペーストをパンに挟む。それから、人参の酢漬けも一緒に。
スープはじゃがいもとネギのポタージュ。
粒マスタードが出来たら、パンに少し塗るとピリッとした辛味と酸味が加わって美味しいと思う。
ラズロさんはようやく落ち着いてきた粒マスタードを、三日おきに味見しては顔を顰めてる。まだ辛さが強いみたい。
最近、サイモンさんとデボラさんから食材が届く。食材と言っても、お店に並べなくなってきた奴。
食堂には沢山の人が食べに来るし、物によっては保存食に出来る。フルールがとにかくよく食べるから、僕としてはとっても助かってるんだけど。
「サイモンさんとデボラさん、こんなに食材を僕に渡して、大丈夫なんでしょうか?」
結構くれるから心配になってきてしまう。
ラズロさんは苦笑して、問題ねぇよ、と答えた。
「王都で商売やってる奴はな、売り物を廃棄する場合、金を払わなきゃなんねぇんだよ。液体なんかはそのまま流しちまえば分かんねぇだろうけどな、固形物はそうもいかねぇだろ」
ん? それって?
「迷惑なら迷惑って言って止めるぞ?」
「いえ、僕としては助かるんですけど、売り物なのに大丈夫なのかなって思っていたんです」
「アシュリーならそう思うだろうと思ってたけどな。
実際、フルールがよく食うもんなぁ」
「そうなんです」
あ、これはちょっと食べるのが難しそうだな、と思うものでも、フルールはペロリと食べてしまう。
ザックさんからも赤ワインビネガーや白ワインビネガーが定期的に届く。ビネガーを使って結構な量を酢漬けにして氷室に保管してる。
お陰で冬に突入したにも関わらず、野菜が食べられるのはとっても嬉しい。
流石にもらってばっかりは悪いので、ラズロさんに言って酢漬けを渡してもらってるけど。
「アシュリーが迷惑じゃなければな、もらって欲しいって店は他にもあるんだぞ」
「えっ?」
捨てるのにお金かかるなら、そう思う人は結構いるかも知れない。
「オレも一緒にやってるとは言え、オレがやれるのは火や水を使わない部分だけだからな。どうしてもアシュリーに頼らざるを得ないだろ? アシュリーに無理はさせたくないからな」
ラズロさん、優しい……。
「そう言えば、ここって人は増やさないんですか?」
「それがなぁ……」
困ったようにラズロさんが頰を掻く。
「本職で料理人をやってた奴が来たら、アシュリーの料理が食べられなくなるんじゃないか、って皆心配になっててな……」
「それは、そうだと思います。僕は見習いなので」
頷く。
「それを嫌がる奴等がいてな、採用そのものを打ち切ったらしい」
えっ?!
「その代わりと言っちゃなんだけどな、オレらの給金、倍になった」
ハハ、と笑うラズロさん。
「アシュリーにとって迷惑なら、オレから掛け合うけど、どうする?」
うーん……。
「ラズロさんは、大変じゃないですか? 僕の思い付きで振り回してしまってると思うんですけど」
「オレはアシュリーが来てから良い事しかねぇよ」
「本当ですか?」
ラズロさんは笑って、僕の頭をポンポン叩いた。
「嘘なんか吐かねぇよ。元々定職にも就かねぇでフラフラしてた所を、暫定対応として入っただけだったんだがなぁ。アシュリーとこうして色々な料理を作るのは、正直に楽しいぜ」
ホッとして笑った。
「良かったです」
「これからもよろしくな」
「はい」
「ラズロさん、スープはポタージュにした方が冷めやすいと思うんです。それと、具を潰そうと思います」
「名案だと思うけど、量が増えたら大変じゃねぇか? 大丈夫か?」
僕の魔力を心配してくれてるみたい。
「味見しながら魔力を回復します」
「おぅ、食っとけ食っとけ」
魔力は睡眠、食事によって回復される。後はポーションと呼ばれる液体を飲む事でも回復するみたい。僕は魔力がそもそもそんなに無いから、少し食べれば回復出来ちゃうんだけど。
キノコのペーストをパンに挟む。それから、人参の酢漬けも一緒に。
スープはじゃがいもとネギのポタージュ。
粒マスタードが出来たら、パンに少し塗るとピリッとした辛味と酸味が加わって美味しいと思う。
ラズロさんはようやく落ち着いてきた粒マスタードを、三日おきに味見しては顔を顰めてる。まだ辛さが強いみたい。
最近、サイモンさんとデボラさんから食材が届く。食材と言っても、お店に並べなくなってきた奴。
食堂には沢山の人が食べに来るし、物によっては保存食に出来る。フルールがとにかくよく食べるから、僕としてはとっても助かってるんだけど。
「サイモンさんとデボラさん、こんなに食材を僕に渡して、大丈夫なんでしょうか?」
結構くれるから心配になってきてしまう。
ラズロさんは苦笑して、問題ねぇよ、と答えた。
「王都で商売やってる奴はな、売り物を廃棄する場合、金を払わなきゃなんねぇんだよ。液体なんかはそのまま流しちまえば分かんねぇだろうけどな、固形物はそうもいかねぇだろ」
ん? それって?
「迷惑なら迷惑って言って止めるぞ?」
「いえ、僕としては助かるんですけど、売り物なのに大丈夫なのかなって思っていたんです」
「アシュリーならそう思うだろうと思ってたけどな。
実際、フルールがよく食うもんなぁ」
「そうなんです」
あ、これはちょっと食べるのが難しそうだな、と思うものでも、フルールはペロリと食べてしまう。
ザックさんからも赤ワインビネガーや白ワインビネガーが定期的に届く。ビネガーを使って結構な量を酢漬けにして氷室に保管してる。
お陰で冬に突入したにも関わらず、野菜が食べられるのはとっても嬉しい。
流石にもらってばっかりは悪いので、ラズロさんに言って酢漬けを渡してもらってるけど。
「アシュリーが迷惑じゃなければな、もらって欲しいって店は他にもあるんだぞ」
「えっ?」
捨てるのにお金かかるなら、そう思う人は結構いるかも知れない。
「オレも一緒にやってるとは言え、オレがやれるのは火や水を使わない部分だけだからな。どうしてもアシュリーに頼らざるを得ないだろ? アシュリーに無理はさせたくないからな」
ラズロさん、優しい……。
「そう言えば、ここって人は増やさないんですか?」
「それがなぁ……」
困ったようにラズロさんが頰を掻く。
「本職で料理人をやってた奴が来たら、アシュリーの料理が食べられなくなるんじゃないか、って皆心配になっててな……」
「それは、そうだと思います。僕は見習いなので」
頷く。
「それを嫌がる奴等がいてな、採用そのものを打ち切ったらしい」
えっ?!
「その代わりと言っちゃなんだけどな、オレらの給金、倍になった」
ハハ、と笑うラズロさん。
「アシュリーにとって迷惑なら、オレから掛け合うけど、どうする?」
うーん……。
「ラズロさんは、大変じゃないですか? 僕の思い付きで振り回してしまってると思うんですけど」
「オレはアシュリーが来てから良い事しかねぇよ」
「本当ですか?」
ラズロさんは笑って、僕の頭をポンポン叩いた。
「嘘なんか吐かねぇよ。元々定職にも就かねぇでフラフラしてた所を、暫定対応として入っただけだったんだがなぁ。アシュリーとこうして色々な料理を作るのは、正直に楽しいぜ」
ホッとして笑った。
「良かったです」
「これからもよろしくな」
「はい」
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