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第一章 新しい生活の始まり
020-3
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「あっちでは、魔法は重宝されてるけど、魔術は忌避されてる」
魔術師。前にノエルさんからちょっと教えてもらったけど、詳しくは知らない。
「魔術師は魔力を込めた魔術符や陣を用いて魔法と同じ効果を発現させる者たちの事だ、って以前説明したと思うんだけど、術師の力量が全てなんだよ」
高度な技術を要する、って言ってたもんね。
「上手く制御出来ないと大惨事になったりするし、なにしろ、クロウリーの出身国なんだ」
クロウリーって、僕と同じダンジョンメーカーの?
「膨大な魔力を持ちながら、魔法使いとしてのスキルは持たなかったクロウリーは、同じように魔力を用いる魔術師のスキルを与えられていた。貴族出身でもあり、魔法を重視する国で、クロウリーは冷遇された」
……なんとなく、展開が分かるような気がする。
「貴族特有の高慢な自尊心と膨大な魔力。クロウリーは己を嘲笑った者達に復讐を決意し、魔術を用いて混乱を招いた。結果として国は甚大な被害を受け、以降、あの国では魔術のスキルを持つだけで奴隷に落とされる」
やっぱり、と言う気持ちと、そんな事をするからクロウリーさんも性格がねじ曲がってしまったんだと思う。
懲りない国なのかな……。
「それでね、冬の王との戦いの前線に出されたのは、魔術スキルを持つ奴隷達ばかりだったんだよ」
……酷い。
「僕達の国にも魔術師はいるし、今回の戦いにも参加していた。だから彼らと協力して、冬の王の攻撃を弱める為の術式を展開あらかじめ展開してもらって、魔法使いも騎士団も攻撃に専念出来たんだよ。正直な所、前回よりも冬の王が強かったんだけど、被害は少なく済んだし、時間こそかかったけど、無事に倒せたんだ」
前回は魔法使いの人たちは守りに集中してる風だったもんね。
「僕達の国では、魔術師は魔法使いとは違う意味で有用な人材、と言うのが共通認識なんだけどね。何しろ数が少ないんだ。難しいからね、スキルを持っているだけじゃ駄目なんだよ」
ふむふむ、と頷いていたら、ラズロさんにちょんちょんと肩を叩かれた。料理を始めよう、って事みたい。
確かに、そろそろ次の料理を作り始めた方が良さそう。
簡易調理台の上にはまな板と包丁が置かれてる。素材をノエルさんが水魔法で洗っていく。
「これ、程よい水加減が難しい。良い練習になるよ」と、真剣な顔で言う。
洗い終えた野菜をラズロさんがイモの皮を剥いてひと口大に切っていく。鍋に油を少し注いで、ラズロさんが切ってくれたイモを炒めていく。塩と胡椒も入れる。
イモの表面が焼けたくらいで、メルからもらったミルクを少し注ぎ入れる。っていうか、これ、液体だから重かったんじゃないのかなぁ。
火で温められて、鍋の中のミルクがしゅわしゅわと泡立ち始めた所に、ラズロさんが刻んだチーズを入れていく。
春になったとは言っても、まだ少し寒い。料理の為の火と、鍋から広がる湯気というか、熱のおかげで、少し暖かく感じる。
ノエルさんはちょっと離れた所で焚き火を焚いていた。
クリフさんはフルールを抱っこしてる。ノエルさんの膝の上にはネロがいる。
よく見ると、焚き火の側で何か焼いてる。何だろう?
「あれは、オレが考案した肉巻きだ」
「イモ肉巻き?」
「蒸して潰したイモを串で刺して、その上にチーズと塩胡椒をかけて、薄切りのベーコンで巻いてる。イモは火が通ってるから、ベーコンが焼けて、中まで温まれば食える」
「えっ! 美味しそう!」
「美味いぞ。花見の時しか作んないけどな」
イモのミルク煮を火にかけている間、僕たちは焚き火を囲んでイモ肉巻きを食べた。
中のイモが何故だかもちもちしてる。ラズロさんに聞いたら、粉をつなぎに入れてるんだって。そうしないとバラバラになっちゃうから。なるほどー。
これ、野菜をベーコンでぐるぐる巻いても美味しそうだなー。
魔術師。前にノエルさんからちょっと教えてもらったけど、詳しくは知らない。
「魔術師は魔力を込めた魔術符や陣を用いて魔法と同じ効果を発現させる者たちの事だ、って以前説明したと思うんだけど、術師の力量が全てなんだよ」
高度な技術を要する、って言ってたもんね。
「上手く制御出来ないと大惨事になったりするし、なにしろ、クロウリーの出身国なんだ」
クロウリーって、僕と同じダンジョンメーカーの?
「膨大な魔力を持ちながら、魔法使いとしてのスキルは持たなかったクロウリーは、同じように魔力を用いる魔術師のスキルを与えられていた。貴族出身でもあり、魔法を重視する国で、クロウリーは冷遇された」
……なんとなく、展開が分かるような気がする。
「貴族特有の高慢な自尊心と膨大な魔力。クロウリーは己を嘲笑った者達に復讐を決意し、魔術を用いて混乱を招いた。結果として国は甚大な被害を受け、以降、あの国では魔術のスキルを持つだけで奴隷に落とされる」
やっぱり、と言う気持ちと、そんな事をするからクロウリーさんも性格がねじ曲がってしまったんだと思う。
懲りない国なのかな……。
「それでね、冬の王との戦いの前線に出されたのは、魔術スキルを持つ奴隷達ばかりだったんだよ」
……酷い。
「僕達の国にも魔術師はいるし、今回の戦いにも参加していた。だから彼らと協力して、冬の王の攻撃を弱める為の術式を展開あらかじめ展開してもらって、魔法使いも騎士団も攻撃に専念出来たんだよ。正直な所、前回よりも冬の王が強かったんだけど、被害は少なく済んだし、時間こそかかったけど、無事に倒せたんだ」
前回は魔法使いの人たちは守りに集中してる風だったもんね。
「僕達の国では、魔術師は魔法使いとは違う意味で有用な人材、と言うのが共通認識なんだけどね。何しろ数が少ないんだ。難しいからね、スキルを持っているだけじゃ駄目なんだよ」
ふむふむ、と頷いていたら、ラズロさんにちょんちょんと肩を叩かれた。料理を始めよう、って事みたい。
確かに、そろそろ次の料理を作り始めた方が良さそう。
簡易調理台の上にはまな板と包丁が置かれてる。素材をノエルさんが水魔法で洗っていく。
「これ、程よい水加減が難しい。良い練習になるよ」と、真剣な顔で言う。
洗い終えた野菜をラズロさんがイモの皮を剥いてひと口大に切っていく。鍋に油を少し注いで、ラズロさんが切ってくれたイモを炒めていく。塩と胡椒も入れる。
イモの表面が焼けたくらいで、メルからもらったミルクを少し注ぎ入れる。っていうか、これ、液体だから重かったんじゃないのかなぁ。
火で温められて、鍋の中のミルクがしゅわしゅわと泡立ち始めた所に、ラズロさんが刻んだチーズを入れていく。
春になったとは言っても、まだ少し寒い。料理の為の火と、鍋から広がる湯気というか、熱のおかげで、少し暖かく感じる。
ノエルさんはちょっと離れた所で焚き火を焚いていた。
クリフさんはフルールを抱っこしてる。ノエルさんの膝の上にはネロがいる。
よく見ると、焚き火の側で何か焼いてる。何だろう?
「あれは、オレが考案した肉巻きだ」
「イモ肉巻き?」
「蒸して潰したイモを串で刺して、その上にチーズと塩胡椒をかけて、薄切りのベーコンで巻いてる。イモは火が通ってるから、ベーコンが焼けて、中まで温まれば食える」
「えっ! 美味しそう!」
「美味いぞ。花見の時しか作んないけどな」
イモのミルク煮を火にかけている間、僕たちは焚き火を囲んでイモ肉巻きを食べた。
中のイモが何故だかもちもちしてる。ラズロさんに聞いたら、粉をつなぎに入れてるんだって。そうしないとバラバラになっちゃうから。なるほどー。
これ、野菜をベーコンでぐるぐる巻いても美味しそうだなー。
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