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第二章 マレビト
030-1
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ダンジョン蜂のジャッロが巣を作って、働き蜂が生まれてから、ダンジョンの中を飛んでいる姿を見るようになった。僕の手のひらぐらいはあるから、飛んでるとすぐに分かる。
ジャッロをテイムしているからなのか、働き蜂は僕に攻撃をしかけて来ない。ただ、パフィに対しては威嚇をしてきたから、パフィは敵じゃないよ、と教えておいた。ジャッロたちダンジョン蜂はとても賢くて、パフィのことが他の蜂たちにも共有されたみたいだった。教えてからはすぐに威嚇されなくなった。凄い。どうやって伝えるんだろう?
ティール様から、離れた場所の魔力をこのダンジョンに飛ばしてくれる術符をもらったのは昨日。
今日はその術符をダンジョンの中に貼りに来た。これを貼り終えたら、メルとコッコをこのダンジョンの中に放す予定。そうすればメルは好きなだけ草が食べられる。
コッコが食べる虫は……いるのかな? いると良いな。
『そろそろあちらの陣営もおまえを認識するだろう』
あちらの陣営と言うのは、第二王子の、ってことだよね。
第一王子の体調はいくらか良くなっているみたい。食事に毒を入れられなくなったからだろうなと思う。
以前より食べる量が増えたって、トキア様が嬉しそうに教えてくれた。
毒を盛れなくなったと言っても、第一王子の身体が弱いのは変わらないから、僕が料理を作ってるのを知ってもまだ問題とは思わないんだろうな。でも、そう言う奴がいるぞ、ってことは知ってる。
パフィの言う通り、ジャッロから女王蜜をもらって、それを第一王子が食べるようになって、元気になってきたら、僕が狙われるのかな?
そう尋ねると、パフィが『まずはダンジョンに入ろうとするだろうな』と言った。
『第一王子の体調を回復させる為のダンジョンを王城の敷地内に作る事は、王から直々に許可を得ている。その情報は当然奴らの知る所でもある。おまえの命を最初に狙うのは安直過ぎるだろう。まずはダンジョンに入り、第一王子の薬の原材料を生成する蜂の巣を破壊しようとする』
僕がいなくなっても、蜂の巣から取れる蜜があったら、第一王子の薬が作れる。だとするなら、まずは蜂の巣を壊したいって思うよね。
『情報は適度に開示してある。
ダンジョンの中で第一王子の薬を作る為、養蜂をしている、とな。
普通にはダンジョンに入れん事と、蜂がダンジョン蜂だと言う事は知らせていないからな。まずはダンジョンに入ろうとして弾かれる事だろうよ』
なるほどなるほど。
『蜜が少しなりとも入手出来るようになったら、ダンジョンへの侵入を許可するよう変更しろ』
「え? でも、そうしたらジャッロたちが危険な目に遭うよ?」
『何の為にダンジョン蜂にしたと思ってる。薬の効能だけではない。その凶暴さに目を付けたのだぞ?
刺されれば死ぬ程の痛みに一昼夜苦しむのだ。それが初めて刺された場合だ。二度目は激しい反応により死ぬだろうな』
ククク、とパフィが笑う。
「し、死んじゃうの……?」
『あっちも殺す気で第一王子に毒を盛っているんだからな、殺されても文句は言えんだろうよ』
何とも言えない気持ちになっていると、マグロのしっぽに足を叩かれた。
『諦めろ。おまえがこの王城に入った時から、全てはこうなる事は避けられぬ事だった。王弟も言っていたろう、奴等に引き返す機会は与えたと。それでも己の欲を諦められぬのであれば、致し方あるまいよ』
命を狙うと言うことは、自分もまた、狙われても仕方ないって、ことなのかな……。
もしパフィの言う通りにしなかったら、僕が狙われるんだろうな。その場合、僕を守る為にパフィだったり、ラズロさんたち、僕に関わる人たちが危険に晒されるのかな。
それも含めて、パフィは言ってるんだろうな。
「怪我は、しないでね、パフィ」
ゆら、とマグロのしっぽが揺れる。
『……おまえは、お人好しだな』
ジャッロをテイムしているからなのか、働き蜂は僕に攻撃をしかけて来ない。ただ、パフィに対しては威嚇をしてきたから、パフィは敵じゃないよ、と教えておいた。ジャッロたちダンジョン蜂はとても賢くて、パフィのことが他の蜂たちにも共有されたみたいだった。教えてからはすぐに威嚇されなくなった。凄い。どうやって伝えるんだろう?
ティール様から、離れた場所の魔力をこのダンジョンに飛ばしてくれる術符をもらったのは昨日。
今日はその術符をダンジョンの中に貼りに来た。これを貼り終えたら、メルとコッコをこのダンジョンの中に放す予定。そうすればメルは好きなだけ草が食べられる。
コッコが食べる虫は……いるのかな? いると良いな。
『そろそろあちらの陣営もおまえを認識するだろう』
あちらの陣営と言うのは、第二王子の、ってことだよね。
第一王子の体調はいくらか良くなっているみたい。食事に毒を入れられなくなったからだろうなと思う。
以前より食べる量が増えたって、トキア様が嬉しそうに教えてくれた。
毒を盛れなくなったと言っても、第一王子の身体が弱いのは変わらないから、僕が料理を作ってるのを知ってもまだ問題とは思わないんだろうな。でも、そう言う奴がいるぞ、ってことは知ってる。
パフィの言う通り、ジャッロから女王蜜をもらって、それを第一王子が食べるようになって、元気になってきたら、僕が狙われるのかな?
そう尋ねると、パフィが『まずはダンジョンに入ろうとするだろうな』と言った。
『第一王子の体調を回復させる為のダンジョンを王城の敷地内に作る事は、王から直々に許可を得ている。その情報は当然奴らの知る所でもある。おまえの命を最初に狙うのは安直過ぎるだろう。まずはダンジョンに入り、第一王子の薬の原材料を生成する蜂の巣を破壊しようとする』
僕がいなくなっても、蜂の巣から取れる蜜があったら、第一王子の薬が作れる。だとするなら、まずは蜂の巣を壊したいって思うよね。
『情報は適度に開示してある。
ダンジョンの中で第一王子の薬を作る為、養蜂をしている、とな。
普通にはダンジョンに入れん事と、蜂がダンジョン蜂だと言う事は知らせていないからな。まずはダンジョンに入ろうとして弾かれる事だろうよ』
なるほどなるほど。
『蜜が少しなりとも入手出来るようになったら、ダンジョンへの侵入を許可するよう変更しろ』
「え? でも、そうしたらジャッロたちが危険な目に遭うよ?」
『何の為にダンジョン蜂にしたと思ってる。薬の効能だけではない。その凶暴さに目を付けたのだぞ?
刺されれば死ぬ程の痛みに一昼夜苦しむのだ。それが初めて刺された場合だ。二度目は激しい反応により死ぬだろうな』
ククク、とパフィが笑う。
「し、死んじゃうの……?」
『あっちも殺す気で第一王子に毒を盛っているんだからな、殺されても文句は言えんだろうよ』
何とも言えない気持ちになっていると、マグロのしっぽに足を叩かれた。
『諦めろ。おまえがこの王城に入った時から、全てはこうなる事は避けられぬ事だった。王弟も言っていたろう、奴等に引き返す機会は与えたと。それでも己の欲を諦められぬのであれば、致し方あるまいよ』
命を狙うと言うことは、自分もまた、狙われても仕方ないって、ことなのかな……。
もしパフィの言う通りにしなかったら、僕が狙われるんだろうな。その場合、僕を守る為にパフィだったり、ラズロさんたち、僕に関わる人たちが危険に晒されるのかな。
それも含めて、パフィは言ってるんだろうな。
「怪我は、しないでね、パフィ」
ゆら、とマグロのしっぽが揺れる。
『……おまえは、お人好しだな』
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