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第三章 ダンジョンメーカーのお仕事
036-2
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ミルクコーヒーを飲み終えた殿下は、ではな、と言って立ち上がると、ネロの背中をひと撫でして食堂を出て行った。
殿下の後ろ姿を、驚いた顔のまま見送ったリンさんは、恐る恐るといった様子でカウンターに座った。
「……アシュリー、今の……」
「はい、セルリアン殿下ですよ」
「アシュリーってばいつから殿下と仲良くなったの?!」
仲良く……なったのかな?
「前に比べて体力がついたので、色々散歩なさっているうちにここにたどり着いたんじゃないでしょうか」
「冷静過ぎない?」
「びっくりしましたよ? ただ、リンさんが来る前に気持ちが落ち着いていただけで」
驚いたのは驚いた。少しだけだったけど。
「そうだよね?! はー、びっくりしたー! 心の臓が止まるかと思ったよー!」
それは驚きすぎなのでは?と思ったけれど、言わずにミルクコーヒーで良いかと尋ねる。
「勿論! ミルクたっぷりでお願いね!」
「はい」
リンさん用にミルクコーヒーを淹れている間、あった事を話し出す。
「第二殿下の伯父一派が一層されたのは、城務めの平民としては嬉しいんだよね。あの人達いばりくさってて、ほんっと嫌な感じだったから」
ギド殿下派閥の人の多くは上級官だったみたいで、こっちの食堂に来ることはほとんどないから、僕はよく知らない。ただ、話に聞く派閥の人たちは、偉そうにしていたり、失敗を押しつけてきたりと、困った人たちみたいだったから、その点は良かったんだろうな。
「たださ、そんな人達でも、いないと困る事があってね」
「仕事ですか?」
「そう! 金払いもあんまり良くなかったとは聞くけど、無職よりは良いからね」
働く場所がないと、食べていけないもんね。
「しかも、国庫の使い込みも判明して! 一族に弁済させても全然足らないの!!」
「それは困りますね……」
そうなると、セルリアン殿下や他の偉い人たちも、何かを始めるにしても困るよね。
いつものようにリンさんはミルクコーヒーをいっきに飲み干して食堂を出て行った。
新しい仕事って言っても、みんながみんな希望の仕事につける訳ではないんだろうし、悩ましいよね。
僕に何か手伝えることがあると良いんだけど、それも難しそう。
ジャッロたちの蜂蜜は貴重で、大金になるからどうかなと思ったんだけど、それはその時のお金にはなっても、仕事にならないから、難しいよね。
「戻ったぞー」
ラズロさんが戻って来た。
「おかえりなさい、ラズロさん」
「やべーなー」
戻って来て早々に、ラズロさんが険しい顔をしてやべーやべーと連呼する。
「どうしたんですか?」
「町中、職にあぶれた奴であふれてんだよ、既に」
「そうなんですか?」
あぁ、と答えてラズロさんは、手際良く買ってきた食材を片付け始めた。
「しかも腹の立つことに、北の国からいつも仕入れてたもんが一切入らなくなってんだよ。
アイツら、本当にどうしようもねぇな!」
話を聞いてるうちにため息が出てきてしまう。
『何も心配する必要などない』
パフィが窓の桟に座っていた。
『あちらから関係を絶ち切ってくれたのだから、ありがたーく受け止めておけば良い。残念ですとでもフリで答えても良かろう』
「何か他に方法を思い付いているってこと?」
『この国はアシュリーに感謝すべきだな』
え? 僕?
『優秀な魔術師が二人もいるのだ。使わない手はあるまい』
そう言ってにやり、と笑う黒猫姿のパフィ。
僕と、ティール様と、ナインさん?
殿下の後ろ姿を、驚いた顔のまま見送ったリンさんは、恐る恐るといった様子でカウンターに座った。
「……アシュリー、今の……」
「はい、セルリアン殿下ですよ」
「アシュリーってばいつから殿下と仲良くなったの?!」
仲良く……なったのかな?
「前に比べて体力がついたので、色々散歩なさっているうちにここにたどり着いたんじゃないでしょうか」
「冷静過ぎない?」
「びっくりしましたよ? ただ、リンさんが来る前に気持ちが落ち着いていただけで」
驚いたのは驚いた。少しだけだったけど。
「そうだよね?! はー、びっくりしたー! 心の臓が止まるかと思ったよー!」
それは驚きすぎなのでは?と思ったけれど、言わずにミルクコーヒーで良いかと尋ねる。
「勿論! ミルクたっぷりでお願いね!」
「はい」
リンさん用にミルクコーヒーを淹れている間、あった事を話し出す。
「第二殿下の伯父一派が一層されたのは、城務めの平民としては嬉しいんだよね。あの人達いばりくさってて、ほんっと嫌な感じだったから」
ギド殿下派閥の人の多くは上級官だったみたいで、こっちの食堂に来ることはほとんどないから、僕はよく知らない。ただ、話に聞く派閥の人たちは、偉そうにしていたり、失敗を押しつけてきたりと、困った人たちみたいだったから、その点は良かったんだろうな。
「たださ、そんな人達でも、いないと困る事があってね」
「仕事ですか?」
「そう! 金払いもあんまり良くなかったとは聞くけど、無職よりは良いからね」
働く場所がないと、食べていけないもんね。
「しかも、国庫の使い込みも判明して! 一族に弁済させても全然足らないの!!」
「それは困りますね……」
そうなると、セルリアン殿下や他の偉い人たちも、何かを始めるにしても困るよね。
いつものようにリンさんはミルクコーヒーをいっきに飲み干して食堂を出て行った。
新しい仕事って言っても、みんながみんな希望の仕事につける訳ではないんだろうし、悩ましいよね。
僕に何か手伝えることがあると良いんだけど、それも難しそう。
ジャッロたちの蜂蜜は貴重で、大金になるからどうかなと思ったんだけど、それはその時のお金にはなっても、仕事にならないから、難しいよね。
「戻ったぞー」
ラズロさんが戻って来た。
「おかえりなさい、ラズロさん」
「やべーなー」
戻って来て早々に、ラズロさんが険しい顔をしてやべーやべーと連呼する。
「どうしたんですか?」
「町中、職にあぶれた奴であふれてんだよ、既に」
「そうなんですか?」
あぁ、と答えてラズロさんは、手際良く買ってきた食材を片付け始めた。
「しかも腹の立つことに、北の国からいつも仕入れてたもんが一切入らなくなってんだよ。
アイツら、本当にどうしようもねぇな!」
話を聞いてるうちにため息が出てきてしまう。
『何も心配する必要などない』
パフィが窓の桟に座っていた。
『あちらから関係を絶ち切ってくれたのだから、ありがたーく受け止めておけば良い。残念ですとでもフリで答えても良かろう』
「何か他に方法を思い付いているってこと?」
『この国はアシュリーに感謝すべきだな』
え? 僕?
『優秀な魔術師が二人もいるのだ。使わない手はあるまい』
そう言ってにやり、と笑う黒猫姿のパフィ。
僕と、ティール様と、ナインさん?
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