前代未聞のダンジョンメーカー

黛 ちまた

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第三章 ダンジョンメーカーのお仕事

046-5

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 アダの根を洗って、千切りにしたものを干しておく。
 乾いたらすり潰して粉にする。結構な量があるから、手でやるには多いし、風魔法で粗方細かくして、後は手ですり潰す感じかな。

「よぉし、出かけるぞー」

 ぐるぐると腕を回しているラズロさん。随分と機嫌が良いみたいだ。

「アシュリーが帰って来たからなー、心置きなく宵鍋に行けるぜー!」

 あぁ、そう言う事。

「風呂はな、魔女様が入れてくれたから問題なかったし、料理もナインが手伝ってくれていたんだがなぁ、夜食用意したりと色々やってるとなぁ、行き時を失っちまうんだよ」

「そうだったんですね、ごめんなさい」

 いやいや、と首を横に振って僕の頭をラズロさんが軽く撫でる。

「違う、感謝してんだよ。
もうすっかりアシュリーは城の一員だって皆で話してたんだぜ? それからあまりにアシュリーに頼りすぎだから、自分たちで出来る事はしないとな、って話になった」

 僕がしている事は食事と風呂ぐらいだけど、必要だと思ってもらえるのはやっぱり嬉しい。

「俺なんかアシュリーに洗濯もしてもらってるからな、本当困った。あぁ、俺も魔法使えるようになんねぇかなぁ。遅咲きのスキルとか言ってさ」

 戯けたようにラズロさんが言う。
 こんな風に言っても、器用なラズロさんは問題なくやれていただろうと思う。
 ラズロさんの優しさが、嬉しい。

「腹がいっぱいになっても美味いもんは美味いけどな、空腹の時に食ったら何倍も美味いだろ!」

 僕たちは目当ての屋台までやって来た。
 この屋台の串焼きの肉は、何度も食べたくなってしまう。独特のタレが肉によく染み込んでいて、脂身と肉が程よくて、口に入れるとじゅわりと肉汁が溢れる。

「よっ、お二人さん。今日は新メニューがあるぜー」

 屋台のおじさんに話かけられた。

「新メニュー? この白い奴か?」

 そうだ、さすがお目が高いねぇ、とおじさんが笑う。

「貝の身をいくつも串に刺して塩を振って焼いたもんだ。美味いから食ってってくれよ」

「美味そうだ! 二つくれ」

「あいよっ」

 貝の串焼きを受け取って、さっそく口に入れる。
 肉のように噛んでも肉汁のようなものは出ないけど、コリコリしてる。噛めば噛む程甘みと、塩味がして、美味しい。

「どうだい、美味いだろ」

 おじさんに声をかけられて、口に貝が入ってたので、頷いた。

「これは美味いな。飲みたくなっちまう」

「日が暮れたら行って来いよ」

 そうするわ、と答えて他の屋台に向かう。

「貝の串焼き、美味しかったですね」

「あれは美味いな。貝のまま焼くのもいいが、あれもまた美味い。ギルドに海が出来たからな、前より鮮魚が手に入りやすくなったとは聞いていたが、貝も良いもんだな」

「また食べたいです」

「おうよ。
さぁて、次は何を食」
「アシュリー! ただいまああああああ!!」

 突然横から突撃された。
 倒れそうになったのを慌ててラズロさんが支えてくれて助かった……。

「れ、レンレンさん……」
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