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第一章
第八話 余暇の過ごし方って性格がでるよね
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戦闘準備を整えてから彼らを尾行し続けたところ、彼らは同じ市内にある避難所の一つを守る自警団であることが判明した。
普段は気配察知に集中している超感覚を聴力に集中したのは初めてだったが、結構使える。
また、気配を探るよりも有効範囲が広いようだが、遠くであればあるほど精度は落ちるので、実質的に使える範囲は気配察知よりも狭い。
「まぁ、今は役に立っているんだけど」
彼らの会話を盗み聞いたことで彼らが獲得した能力についても分かった。
リーダーの青年が持つ炎を発する能力が魅力的だ。
炎を生み出せるなんて魔法みたいで、まさにファンタジー感がある能力で夢がある。
凡人としてはつい安易に憧れてしまうが、会話の前後から読み解くに使い勝手の良い能力ではないようだ。
はっきりとは分からなかったが、炎の能力を使ったら腹が減るということから、おそらくカロリーを消費するのだろう。
「ダイエット女子にとっても夢のある能力じゃないか」
俺は肉体強化によって解決したが、誰もがムキムキに強化されるわけではないようなので需要がありそうだ。
「……超人を捕らえて殺害権を売ることによる能力の売買もできそうだな」
ふとそんなことを思いつきはしたが、社会経済が崩壊した今では売買で得られる金銭や対価よりも、殺害で得られる能力のほうが遥かに価値があるのでナシだな。
やはり凡人には天才のように画期的なアイディアは閃かないらしい。
昼食代わりに家から持参してきた乾物を食べながら尾行を続ける。
会話が聞こえる三十メートル前後の距離を維持しつつも、近くにモンスターがいた場合はそちらへと移動して瞬殺していく。
久しぶりにマンションの敷地外へと出掛けているので、この機会を活用するべきだろう。
歩く蕾のような植物モンスターを持ってきた剣鉈で斬り掛かったが、剣鉈の刃を葉っぱのような手で受け止められたので、即座に鉤爪状に変化させた金属腕を振り下ろしてやった。
この攻撃も同じように別の葉っぱで受け止めようとしていたが、金属腕による鉤爪攻撃は葉ごと植物モンスターを切り裂いてみせた。
「剣鉈よりも攻撃力は上か。良い能力を手に入れたよな、ホントに」
元の腕に戻すと、植物モンスターの葉っぱを強引に全て引きちぎり、それらを束ねて折り畳むと革ジャンの内ポケットに押し込んだ。
内ポケットの位置は心臓と重なるため、この異様に頑丈な葉っぱは急所の守りに使えるだろう。
家に帰ったら衣服に縫い付けるつもりだ。
変質した世界で以前の世界の武器や防具が有効とは限らないし、いつまでも調達できるわけではない。
そんな懸念を解決するための、モンスターの素材を使った武器や防具のDIY動画をネットで見つけていた。
DIYと銘打った動画タイトルには疑問を覚えたが、面白そうだったのでイイねとブックマーク登録は行なっている。
武器防具作りは暇潰しにも使えるので、今後は使えそうなモンスター素材は積極的に回収して回ろうと思う。
いずれは海外に出現したというドラゴンとかの大物モンスターの素材を使った武器とかも作ってみたいところだ。
やがて、自警団員達はとある大型店舗へと到着した。
先日傲慢警官達から拳銃を手に入れたところだ。
気配を探ると、先日よりも人の数が減っているが超人の数は増えていた。
おそらく警官達が、というよりも拳銃による攻撃手段がなくなったことによって、自分達で武器を手に取って戦わざるを得なくなった結果だろう。
あのままでも銃弾が無くなり次第こうなっていただろうが、早期に超人化に乗り出せたのだから我ながら良いことをしたものだ。
「おっ、交渉するつもりか?」
自警団員達が大型店舗の者達と交渉を始めていた。
簡単に言えば、ここの物資を持って自分達のところの避難所に合流しようと提案しているようだ。
なんとも平和的な提案だが大型店舗の者達は拒否した。
これは自分達の物だから渡せないとのこと。
今気付いたが、俺が手を斬り落とした傲慢警官達の姿が見当たらない。
モンスターに殺されたか他の者達に排除されたのだろう。
数は減っても質が上がった彼らが、自警団側に都合の良い提案を呑むわけがないのは当然だ。
一触即発の兆しが見えたので、戦場となる大型店舗前の駐車場が見える位置へと静かに移動する。
こんなことならポップコーンと炭酸飲料も持ってくるんだった。
仕方なく乾物を噛み千切りながら開演するを待つ。
大型店舗側の強化具合と状況次第では参戦することも考慮するとしよう。
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