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第一章
第四十五話 答えは其処にあるものだ
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世界変革から五ヶ月が経過しようとしている、夏真っ盛りなそんなある日。
臨時政府直轄の超人部隊と再会を約束した日が、遂にやってきた。
「無事に話が進むといいデスネ」
「ホントになー。どうなることやら…….」
出来るだけ多くの実益が得られるように頑張るつもりだが、何せ俺は交渉の素人だからなぁ。
そもそもの話、どういう感じの交渉になるのかも分からないため、甘く見られないように武力だけは上げ続けてきた。
万が一にも向こうが此方を罠にかけるなど、敵対することになっても反撃し生き延びられるように力を上げ続けたという理由もある。
この国の生存者全体の戦闘力の最小値と最大値が分かれば楽なんだが、そんな都合の良い情報が現段階で分かるはずがないからな……。
「今の俺達の強さがどれほどか分かると交渉もしやすいんだけどな」
「強気に出るか、下手に出るかですカ?」
「有り体に言えばそうなるが、まぁ直接会えば気配で分かるだろう」
俺みたいに〈気配希薄〉が使える場合は意味がなくなるが、その時はその時だ。
朝早くから装甲機動車を走らせ、待ち合わせ場所である超人部隊と初めて会った旧自宅近くへと向かう。
この待ち合わせ場所は怪物トカゲと戦った場所でもある。
以前、デカウサギを狩りにいった際に近くを通った時には怪物トカゲの死体は骨だけになっていた。
他のモンスターに食われたようだが、骨はそのままだったため今も変わらず其処にあるだろう。
「この辺りを通るのはデカウサギ狩り以来ですケド、モンスターだけじゃなくて人の気配もしまセンネ?」
「ゲートが出現して掃き出されない限りモンスターも有限だからな。食用モンスターを探して生存者達も移動したんだろう」
「まるで遊牧民みたいデス」
「内容的には狩猟民族だけどな」
「確かにそうですネ」
現自宅がある地域のゾンビとスケルトン達の数も減っていたのと合わせると、もしかして最近は新規のゲートが出現していないのかもしれないな。
定期的に出現し続ける黄色ゲートを除けば、青色と赤色のゲートは最初に出現した際にモンスターを掃き出すと消滅してしまう。
黄色ゲートの目撃情報の少なさから出現率も察せられる。
黄色ゲートが掃き出すモンスターが食用可の場所、無闇に黄色ゲートのボスモンスターを倒してしまうと、食用モンスターの存在で解消されつつあった食料不足の問題が再び深刻化しそうだ。
「……まぁ、後の祭りか」
「何がデス?」
「いや、せっかく食える牛系モンスターを掃き出す黄色ゲートがあったのに、ボスを倒してゲートを消してしまったなぁ、と思ってな」
「んー、黄色ゲートを維持するならボスモンスターはそのまま生かしとく必要がありますよネ?」
「そうなるだろうな」
「あの黒ミノタウルスを放置して牛肉の定期調達は無理だと思いマスヨ?」
「……確かに無理だな」
結局のところ、黄色ゲートを維持するにはボスモンスターが雑魚であり、生かしたまま隔離する何かしらの手段がなければ無理というわけか。
だから、黒ミノタウルスを倒して牛肉ゲートを消滅させた俺は何も悪くナイ……。
「っと、到着だ。まだ来ていないみたいだな」
装甲機動車を停車させて車から降りる。
其処には真夏の暑さによる腐敗も重なったことで僅かに残っていた肉も腐り落ち、完全に骨だけになった怪物トカゲの死体があった。
周辺の気配を探るが、待ち合わせの時間まで時間があるからか、超人部隊はまだ来ていないようだ。
「コレが怪物トカゲですカ? 話には聞いてましたケド、本当に大きいデスネ」
「今なら分かるが、この怪物トカゲは時期的に赤色ゲートのボスモンスターだったんだろうな」
「アーティファクトは……」
「出現していない。たぶんな」
ネット上ではアーティファクトの出現率は低いと言われているが、参戦人数が多ければ多いほど出現率が低くなるとかの条件がありそうだ。
ソフィアと出会う前に戦った怪物トカゲを除くと、俺達は計三体のボスモンスターに遭遇している。
遭遇時こそ二人で相対したが、実際の戦闘ではボスモンスターとは単独で戦い勝利していた。
参戦人数が多かった怪物トカゲの件も含めて考えると、参戦人数でアーティファクトの出現率が変わるというのは割りと本気であり得る話だと思う。
つまり、他にアーティファクトを持っている者は単独か少人数でボスモンスターを狩れるほどの強者ということになる。
アーティファクトの有無は、一目で相手が強者かどうかを判断するのにちょうど良い指標にできそうだ。
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